EC事業の年商規模で、顧客対応の認識に違いが(エルテックス調べ)

福島 れい

EC事業者が抱える課題、トップは「売上の拡大」

 株式会社エルテックスより、通信販売調査レポートの「通信販売事業関与者の実態調査2016」Part2が発表された。ここでは、EC事業担当者の「通販事業全般の課題」「困り事・悩み事」などについての意識が集計・分析されている。

 まず、EC・通販事業全般での、悩み事や困り事としては約6割(複数回答)が挙げた「新規客の獲得や集客方法」がトップになった。また、「通販事業の戦略や展開の方向性」「販売する商品の開発」といった項目にも回答が集まる結果となった。これら3項目については、年々増加傾向にあり、通販事業における競争が激化していることが推察される。一方で、「携帯電話、スマートフォンの活用方法」「システムの安全性」といった項目は減少傾向にあり、サービスの提供環境は整ってきている様子がうかがえる。


 EC・通販事業の課題としては、「売り上げの拡大」「新規の顧客の獲得」の2項目がそれぞれ約8割(複数回答) と回答が集まった。しかし、年商規模別に回答を見ると、「売り上げの拡大」については、年商規模に関わらず重要な課題として挙がった一方で、年商5億円以上の事業者では「既存のお客様へのサービス向上」、年商5億円未満の事業者で「新規の顧客の獲得」を課題としていることが明らかになった。

 年商規模が大きな事業者は、その分認知が高いであろうことを考えると「新規の顧客の集客」が大きな課題にならないことはうなずける。年商規模が小さな事業者では「新規の顧客の集客」が挙がっている。EC・通販事業者が年々増加し、競合が増加していることを踏まえると当然のこととも言えるだろう。考え方によっては、だからこそ「既存のお客様へのサービス向上」に注力し、LTVを向上させ、売上を伸ばすという施策を打つべきとも言えそうだ。

リピート通販については7月に開催したECのミカタセミナーフェアでグルコサミンの「世田谷自然食品」がそのコツを語っています。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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