爆買いが終焉?次なるトレンドは「旅前サンプリング」

ECのミカタ編集部

爆買いが終焉へ。次なるトレンドは?

 2015年の流行語大賞にもなった「爆買い」という言葉。多くの人が、一度は聞いたことがあるはずだ。日本を訪れた中国人旅行団体客が店舗で買い物をし、両手いっぱいの購入商品を持っている姿、記憶に新しいだろう。

 しかし、それも過去の話になるかもしれないのだ。なぜなら爆買いは、今その勢いを終焉しようとしているからだ。そして、中国人旅行者の消費動向も大幅に変化。日本へ訪れるのは団体から個人旅行客に移り変わっている。それに伴い旅前買い物リスト、つまり購入希望商品が多様化したり、買い物時間の短縮などがトレンドになっているという。

 このトレンドの変化により、中国へ越境ECを行っている店舗は、従来のものではない新しいプロモーション施策を打つ必要があるわけである。その中で先日、FindJapan株式会社(以下、FindJapan)が、日本に関心が高い中国人が集まる分散型口コミメディア「FindJapan.cn」の機能を拡充、日本のインバウンド強化店舗と連携した「旅前サンプリングサービス」をリリースしたことを発表した。

意外と知らない?爆買いの仕組み

微博オフィシャルパートナーのFindJapan、新サービスリリース

微博オフィシャルパートナーのFindJapan、新サービスリリースFindJapanメディア

 FindJapanは、中国のSNS「Weibo(微博・ウェイボー)」の日本オフィシャルパートナーであり、中国へ越境ECを行うにあたっておさえておきたいツールである。理由としては、中国消費者にとって商品を購入する際に注目するのが、こういったSNSでのクチコミだからだ。そういった国民性がある中で、FindJapanは、日本へ高い関心を持つ中国消費者のプラットフォームである分散型のクチコミメディア「FindJapan.cn」を運営している。

 「FindJapan.cn」は2011年に開始した「FindJapan微博公式アカウント」からスタート。日本の情報に特化している中国向けの情報メディアであり、モバイル、PCに対応した微博(weibo),微信(wechat)の両方と連携が可能だ。「weibo」は日本で例えるとTwitter、「wechat」はLINEと言われている。月間2億以上のコンテンツビューを持ち、日々情報が中国SNSに拡散されている、影響力の高いプラットフォームである。そしてコミュニティには、日本の情報に強いKOLやソーシャルバイヤー、越境ECユーザーが多い。

 そんな「FindJapan.cn」で、爆買いが終焉し新しいトレンドが見られる中国消費者へ対応するべく、「旅前サンプリングサービス」をリリースしたのだ。

「旅前サンプリングサービス」とは?

 「旅前サンプリングサービス」の特徴は3つ挙げられる。

①出稿可能商品には審査があるが、FindJapanメディアに入稿することで、一本化して日本が好きな中国消費者コミュニティへ情報発信することができる。

②現物をサンプリングすることによって商品パッケージの認知、実際の使用感のクチコミを拡散することができる。

③インバウンド強化店舗と連携を行うことで購入場所を認知させることができ、効果検証も可能になる。

 本サービスがリリースした背景は、中国旅行客の消費動向の変化である。購入希望商品が多様化したり、買い物時間の短縮などがトレンドになったことで、頃合いを見て中国個人旅行者に旅前プロモーションを行うことは勿論必要だ。

 そしてそのプロモーションとともに、「日本のどこで購入できるのか」という情報を確実に伝えることがポイントになる。そのため、中国個人旅行者が好んで訪れるインバウンド強化店舗と連携をしたサービスの開発をしたとしている。

 越境ECの大きな鍵を握る中国旅行者。その消費動向の変化とトレンドを素早くキャッチして、対応を行うことが、中国越境ECを成功に収める1つの秘訣と言えるだろう。今回の「FindJapan.cn」の「旅前サンプリングサービス」は、その1つの手段である。

 やり方次第では、爆買いと同じ規模感の購入がECが入ってくることも考えられる。消費動向が変化している今だからこそ、サンプリングで日本の優良な商品を肌で感じてもらい、正規の商品を正しく売り込むチャンスかもしれない。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事