スピード配送は当たり前?多店舗展開でいつでも自動出荷

ECのミカタ編集部

問われるスピード配送のニーズ

 市場が伸びれば伸びるほど、その成長の可能性に期待してビジネスの幅を広げるのは、合理的であると言えよう。しかし、一筋縄ではいかないことも多いのが現状だ。

 経済産業省が発表した「電子主取引に関する市場調査」の2015年度版によると、BtoC-ECの市場規模は13兆7746億円、前年比7.64%増となっている。市場が前年よりも成長した要因としては、スマートフォンの普及が大きいと言われている。インターネット利用端末も2011年の末時点で16.2%だったが、20014年末になると47.1%にまで伸びている。スマホが普及し、いつでもどこでもインターネットショッピングが楽しめるようになったため、BtoC-ECの市場規模も成長を続けているという見方だ。

 BtoC-ECの市場規模が伸びる中で、ECを多店舗展開する事業者が年々増えてきている。市場の拡大により、EC運営の方法や規模が多様化してきたのだ。多店舗展開することにより、売り上げアップの可能性が上がるが、それと同時に業務効率化やスピーディーな出荷競争といった多くの問題が発生してくる。

 スピーディーな出荷競争といえば、Amazonが提供している「Prime Now」や楽天が提供している「楽びん」などの1時間で配達を行うサービスもリリースされている。ファストファッション商品を揃えるショッピングモールの「SHOPLIST.com by CROOZ」も2016年に当日配送を開始した。スピード配送のニーズは増えてきており、そのニーズに応えようとするEC事業者も増えてきたのだ。

 この時代にスピーディーな出荷を実現するために、業務効率化を行うということはEC事業者にとって必須事項の1つである。

EC市場の成長、キーワードは“スマホ”?

ネクストエンジン×シッピーノ

 そんな中で一元管理システム「ネクストエンジン」を提供するHamee(ハミィ)株式会社(以下、Hamee)と、自動出荷Webサービス「SHIPPINNO(シッピーノ)」を提供する株式会社Webの匠(以下、Webの匠)が資本・業務提携する動きを見せた。

 ネクストエンジンとは、「自動化」を旗印に掲げて、Amazon・楽天市場などといった大手モールと自社ECサイトの出品・注文・在庫をまとめて管理することができるサービスである。

 一方のシッピーノとは、Amazonが代行して運用する物流サービスの“FBA”を利用して出荷作業を自動化することができるアプリだ。最大の特徴としては、楽天市場やYahoo!ショッピング、EC-CUBEで構築された独自ドメインのサイトからの注文に対して、FBAマルチチャネルサービスを利用し、出品管理ツールから出荷依頼を出すことが可能になる。

 通常FBAが自動化することができるのは、Amazonマーケットプレイスからの注文のみであることから考えても、EC事業者の手間を大きく省くことができる。またそれだけでなく、出荷依頼を自動化し、注文を受けた後の作業を一切することがない。「自動化」を旗印に掲げるネクストエンジンと、相性が良いことが読み取れる。

シッピーノとは?

多店舗展開しながらスピード配送

 そしてこの連携により、ネクストエンジンを利用するECサイトの注文を最短10分・24時間365日時間を問わず倉庫に出荷指示を出すことができるようになった。そのためより多くのECサイトが多店舗展開の業務が複雑になることなく、 スピード配送に対応することができるようになる。

 今や、当日配送などのスピーディーな出荷は当たり前の域になってきているという意見もある。その中でいかに多店舗展開するECサイトの業務の効率化を図り、消費者に商品を素早く届けるかということは、EC事業者の課題であるとも言える。

 現在ネクストエンジンを活用している店舗は、既にモールなどを活用している場合が多いと思う。そういった意味では、ネクストエンジンを利用し成功するECサイトは、多店舗展開に伴う工数を軽減できている。現在多店舗展開している事業者にとっても、今後多店舗展開を視野に入れている事業者にとっても、HameeとWebの匠の連携は、課題を解決する一手となるはずだ。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事