スマホアプリのCVRはモバイルブラウザの3倍に【Criteo調べ】

福島 れい

 パフォーマンスマーケティングのテクノロジー企業であるCriteo S.Aより、2016年度上期モバイルコマースレポートの発表があった。これによれば、日本におけるモバイル経由の売上シェアは世界で最も高いことがわかる。その他、モバイル経由の売上比率が高い業種や、OS別のスマホシェア等が明らかになっているので、以下で詳細を見ていく。

モバイルからの購入率が前年から11ポイント伸びる結果に

モバイルからの購入率が前年から11ポイント伸びる結果に

 モバイルからの購入件数が多い小売業者(上位4分の1)では、モバイルからの購入率は昨年と同様に、約8割を保っている。しかし、小売業者全体のECサイトでのモバイルからの購入率を見ると、平均で前年から11ポイントの伸びを見せる結果となった。

ファッション、健康、美容 業種ではモバイルが大きな伸び

ファッション、健康、美容 業種ではモバイルが大きな伸び

 業種別にモバイル経由の売上比率が業種を見ると、前年比で「ファッション・高級品」34%、「健康・美容」19%と大きくモバイルシェアを伸ばしたことが分かる。また、 量販店も前年比で17%上昇している。

ユーザー数はAndroid、購入率はiPhone

ユーザー数はAndroid、購入率はiPhone

 日本の小売業界のECサイトにおける販売量ベースのシェアでは、スマホが3億3500万台に達しており、独占状態となっている。また、スマホのOS別で購入件数をみると、iOSが43%、Androidが56%を占めている。しかし、モバイル経由の購入については、iOSが27.3%、Androidが18.8%となっており、iPhoneユーザーはAndroidユーザーより少ないが購入件数は多いという結果が出ている。

アプリの活用が売上伸長の鍵を握る

アプリの活用が売上伸長の鍵を握る

 モバイル経由の購入の際に利用する環境としてはアプリ54%、ブラウザ46%となった。また、販売チャネル別のコンバージョン率を見ると、アプリはモバイルサイトの3倍となっており、ホーム画面表示やプッシュ通知、パーソナライゼーション等といった機能を備えるアプリによる効果が伺える。


 多数のECサイトが、複数の販売チャネルを活用している現状では、いかにユーザーの接触頻度を高め、購入場所として選んでもらうかという点が鍵を握ることとなる。その意味では、手元のスマホの目につく位置に表示されるアプリからの購入が増えるのは、自然な流れとも言えるだろう。売上を伸ばす手法の1つとして、アプリの活用を検討してはいかがだろうか。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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