AmazonのFBAが値上げ。新旧料金の差を比較してみた
Amazonが、2016年10月21日よりFBA及びFBAマルチチャネルの料金を改定することを発表した。
詳しい新料金は、以下を参考にしていただきたい。
84.6%が売り上げの効果を実感。AmazonのFBAとは?
ECサイトを運営する事業者にとって、物流管理や出荷、配送などは、時間・コスト・体力の面で改善したい業務の1つだろう。しかしAmazonに出品する事業者に向けて、そんな悩みを解決するようなサービスが存在する。それがフルフィルメント by Amazon(以下、FBA)とFBAマルチチャネルである。
Amazonといえば、配送システムが世界中から注目を集めており、FBAとFBAマルチチャネルはそんなAmazonの秀逸なシステムを利用したサービスだ。出品者がFBAを利用すれば、商品管理や注文処理、出荷、配送、返品といったところまでAmazonが代行してくれる。EC事業者の物流などの業務を一気に請け負い、サポートするサービスなのだ。そしてFBAマルチチャネルは、楽天市場やYahoo!ショッピングなど、Amazon以外の注文も代行してAmazonが出荷する。(※消費者には、無地の段ボールで届く。)
そして、Amazonによると、FBAを利用している出品者のうち、84.6%が売上の向上を実感したと発表されている。
FBAとは?詳しい利用方法とメリットまとめ
FBAマルチチャネルとは?
AmazonのFBA、料金体系
そんなFBAとFBAマルチチャネルだが、初期投資や固定費不要で利用を始めることができる。料金プランとしては、商品サイズと保管日数に応じた手数料である「在庫保管手数料」と、出荷作業手数料と発送重量手数料を合わせた「配送代行手数料」がFBA料金だ。在庫保管手数料と配送代行手数料については、下記を参考にしていただきたい。(Amazon公式サイトより)
在庫保管手数料
Amazonフルフィルメントセンターに保管されている商品寸法をもとにして体積を計算。保管商品が実際に占有する保管スペースをフルフィルメントセンターごとに毎日計算。そして実際に利用している占有スペースに対してのみ、在庫保管手数料が月次で発生する。
配送代行手数料
受注後に行うピッキングや梱包と言った出荷のための準備に伴う「出荷作業手数料」と、購入者へ発送を行う際に伴う「発送重量手数料」から構成される。発送代行手数料は商品の「金額」「種類」「サイズ・重量」によってジャンルが分類される。そのジャンルとは「大型商品」「高額商品」「メディア小型商品」「メディア標準商品」「メディア以外小型商品」「メディア以外標準商品」の6種類だ。
上記の図は、商品の種別・料金早見フローチャートである。自社商品がどの分類に当たるのか、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
そして今回、FBAが保管、出荷、輸送、カスタマーサービスにかかる人件費上昇のため、2016年10月21日より料金を値上げすることになったことを発表した。それが下記の料金表だ。
FBA新料金表は次のページにて
Amazon、FBA新料金表
Amazon、FBAマルチチャネル新料金表
現行の料金体系は、2016年10月20日まで適用するという。
新料金の提供例、EC事業者への影響はいかに。
では実際どれほど価格が変わるのだろうか。適用例をいくつか挙げていく。
例① CD(サイズ14.2×12.4×1.0㎝)
商品重量:0.46㎏
発送重量:0.15㎏
出荷作業手数料88円+発送重量手数料58円=146円
現行の価格が合計144円のため、実質1つあたり2円の値上げだ。1つ単位で考えるとさほど変わっていないように思えるが、例えば100個出荷するとなると14,600円になる。現行が14,400円のため、200円の値上げになる。
例② 本(サイズ19.0×13.8×3.0㎝)
商品重量:0.46㎏
発送重量:0.59㎏
出荷作業手数料88円+発送重量手数料86円=174円
現行価格の合計が172円のため、こちらもCD同様2円の値上げだ。100個出荷するとなると、17,200円を支払う必要がある。
例③ スーツケース(サイズ57.8×43.8×24.8㎝)
商品重量:4.2㎏
発送重量:4.35㎏
出荷作業手数料572円+発送重量手数料0円=572円
現行価格が567円のため、1つあたり5円の値上げだ。これを100個発送すると、57,200円。現行価格が56,700円のため500円の値上げだ。
このように、値上げ価格が大幅に変更されていないため、あまり変化を感じない方もいるかもしれない。しかし出荷件数が増えていけば、その分値上げ分もかさんでいくため、影響が大きいEC事業者も多いのではないだろうか。FBA及びFBAマルチチャネルを利用しているECサイトは注意が必要だろう。