商品はすぐに購入されない?サイト選びの実態とは【ジャストシステム調べ】

ECのミカタ編集部

 株式会社ジャストシステムは、マーケティングリサーチに関する情報サイト「Marketing Research Camp」で、ネットリサーチサービス「Fastask」を利用して実施した『ECサイト選択基準に関する実態調査』の結果を発表した。なお、この調査では、直近1年間にECサイトでファッションアイテムを購入した20〜50代の男女1,104名を対象にしているという。

 今回は、ECサイトで商品を購入する理由、カートに入れた商品を購入するタイミングの2点に焦点を当てる。

ECサイトで購入する理由は?

ECサイトで購入する理由は?

 まずは、実店舗よりもECサイトで商品を購入する理由を見ていく。この中では特に、「たくさんの商品を一度に比較できるから」が47.3%と重視されていて、「価格が一目瞭然だから」も45.1%となっている。以上のことから、複数の商品・価格を見比べることができるようなサイトがユーザーに求められているようだ。

 また、ECならではの理由として、「思い立った時に買えるから」が46.2%、「気軽に利用できるから」が44.1%と、場所に関係なく気軽に買い物ができることもやはり強みとなっている。

 一方、「ランキングや関連商品などの便利な情報があるから」は17.4%ということで、ファッションアイテムに関してはランキングや関連商品があまり重視されていない。ECサイト側としては、商品を勧めることにより、一括購入を促したいところだが、ユーザーからのニーズはあまり高くないようだ。ゆえに、自社サイトにおける商品購入までの動線を確認し、必要に応じてバランスよくランキングや関連商品などの配置を行う必要がありそうだ。

カートに入れてもすぐに購入しない?

カートに入れてもすぐに購入しない?

 続いてショッピングカートに入れたアイテムをどのタイミングで購入するか見ていく。この調査結果によると、およそ半数はカートに商品を入れたタイミングで商品を購入していないようだ。もちろん、商品購入までに少し検討したり、まとめ買いをしたりするユーザーも一定数いるようだが、カートに商品を入れた瞬間が、最も購買意欲が高いと思われるので、その瞬間に購入までつなげることで、確実な売上向上が見込めるだろう。

 購買意欲が高いうちに商品を購入してもらうための施策はいくつか考えられるが、その一つとして、ページ移動を減らしたり、個人情報入力の手間を極力小さくし、意欲が高いうちに商品の購入へつなげるという方法がある。他には、離脱しようとしているユーザーを引き止めるような施策も効果があるかもしれない。

 また、「セールを待って購入している」や「ポイントが増えるタイミングに購入している」が全体の2割程度ということなので、キャンペーンを定期的に行い、自社ECサイトをユーザーに意識させることができれば、リピート購入へつなげることも可能だ。

様々なニーズ

 その他の調査では、例えば靴の購入サイトを選ぶ際に、男性は「価格の安さ」、女性は「品ぞろえの豊富さ」を重視するなど、性別によりECサイトを選択する基準が多少異なることが判明した。また、いずれのアイテムの場合でも流行を取り入れている人は、流行を取り入れていない人に比べ、口コミやレビューを重視するという結果も出ている。このように、性別や流行感度により、様々なニーズの差異があるのだ。

 ここまでに触れてきたことを全て網羅するのは難しいかもしれないが、顧客分析を行いつつ、今回のような調査から読み取れることを参考にし、ユーザーのニーズに合致するようなサイト構築やサービス展開を行うことが大切だ。


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