2017年ヒット予想ランキング、注目はテクノロジー?【博報堂生活総合研究所調べ】

ECのミカタ編集部

 博報堂生活総合研究所(以下、博報堂生活総研)は、消費者が選ぶ“2016年ヒット商品” と“2017年ヒット予想”のランキングを発表した。生活者は2017年にどのようなことを求めるのだろうか。

2017年のヒット予想 ECには何が影響するのか

2017年のヒット予想 ECには何が影響するのか“2016年ヒット商品”ランキング(全体)

 まず最初に、消費者が選ぶ“2016年ヒット商品”ランキングを見ていきたい。

 2016年は、6位「ふるさと納税」や8位「格安スマホ」など、生活のなかでコストダウンに繋がるような仕組みや商品が人気を集めた。また、23位「フリマアプリ」25位「企業のポイントサービス」など、自らお金を稼ぐ仕組みやお得な特典などが注目されている。生活の質は落とさずに節約を意識しているのだろうか、このような消費者がお金を使う心理を理解することは、ECサイトの運営にも影響してくるはずだ。

 2017年はどうだろうか。当調査で博報堂生活総研は、2017年ヒット予想のキーワードとして「サンキュー・テック」を掲げている。

 というのも、今回明らかにされた2017年ヒット予想のランキングでは、「補助」「代行」「拡張」など消費者の生活を支援してくれる“生活者支援系テクノロジー”が上位に上がっており、これら消費者が求めるテクノロジーを博報堂生活総研が「サンキュー・テック」と名づけた。

“2017年ヒット予想”ランキング(全体)

 上図が「2017年ヒット予想ランキング」になるが、これを「サンキュー・テック」別に分析し、2017年の傾向を見てみたい。

・補助してくれるテクノロジー
 1位の「自動運転システム搭載車」や12位「暮らしの支援ロボット」、19位「シニア向け家電」など、高齢者の生活を補助するテクノロジーが多く選ばれた。また26位「電動アシスト自転車」は消費者にとって今や生活必需品となっており、こうした人々の生活を補助するテクノロジーがランクイン。消費者の生活水準の向上が感じられる。

・代行してくれるテクノロジー
 4位「ドローン」は、人々が普段見ることや撮影することができない景色を見せてくれ、5位の「ネットスーパー」は消費者の買い物の形に変化をもたらした。人間がやらずに済ませたいことや出来ないことを代行してくれるテクノロジーが、今後も人々の生活を豊かにしてくれることだろう。

・拡張してくれるテクノロジー
 ECはもちろん様々なものに活用されている2位「AI(人工知能)技術」や、家電の遠隔操作などが可能となる「IoT(Internet of Things)」が、人間の能力を拡張してくれるテクノロジーとして今後もヒットすると予想される。

 その年のイベントや消費者の生活に対する考え方が影響した2016年に比べ、2017年は博報堂生活総研の分析の通り、テクノロジーの進化へと期待が高まっている。おそらく、EC業界の更なる進化にも貢献してくれるはずだ。

 ちなみに、2016年のランキングにはなく、2017年のランキングに初登場したものが以下の通りだ。

・12位 暮らしの支援ロボット
・13位 自動翻訳技術
・15位 イートインスペースのある店
・16位 IoT(Internet of Things)
・17位 空き家リノベーション
・19位 スーパーやコンビニのPB惣菜
・19位 シニア向け家電
・24位 TV番組の見逃し配信
・24位 おしゃれ駅ナカ
・26位 ワイヤレススピーカー
・26位 電動アシスト自転車
・29位 在宅勤務
・30位 4Dシアター

 これら初登場の商品やサービスが、2017年のEC業界にどのように影響してくるのかにも注目しながら、来年に向けての戦略を立ててみてはいかがだろうか。


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