EC業界News1週間まとめ〜ヤフーで売れる店舗の必勝パターンは?/アスクルの記者会見「LOHACO」の今後

石郷“145”マナブ

こんにちは。
メディア編集部 石郷です。

今週、読まれた記事はこちら。
ヤフーBest Store発表〜小澤氏が初めて語るコマースグループの中身
https://www.ecnomikata.com/ecnews/13778/
テモナが今年4月6日にマザーズ上場(予定)を発表
https://www.ecnomikata.com/ecnews/13779/
【速報】アスクル、物流センター火災の記者説明会を緊急開催
https://www.ecnomikata.com/ecnews/13859/
日本郵便”はこぽす”/ヤマト運輸”ロッカー受取り”の違い
https://www.ecnomikata.com/ecnews/12803/
Yahoo! JAPANカードが「Apple Pay」に対応
https://www.ecnomikata.com/ecnews/13788/

Yahoo!ショッピングの「Best Store Awards」に潜入

 今週は、ヤフーショッピングの「Best Store Awards」の記事を掲載しましたが、そこでのリアクションが大きかったと記憶しています。

 Best Store Awardsで何らかの賞を受賞された方々の多くは、ヤフーのイベント性に助けられていることを強調しました。イベント性というのは、5のつく日といって、お得なポイントがつく日やゾロ目の日、その他、季節ごとのセールに関してです。

 最初は半信半疑だったような店舗すらも、実際やってみると、そこがヤマとなって売り上げができているといいます。こういった売り上げのヤマを作ることで、自分たちの商品をどのタイミングで勝負すれば良いかが見えて、一つそこをきっかけにして、全体の売り上げを底上げするというわけです。

 仕掛け次第で売り上げが伸びることを実感した店舗は、次なるステージとして、PRオプションを使う。要は、お客様の多くはサイト内の検索を通じて、商品を探す傾向があるので、そこで検索キーワードに対して、自分たちで料率を設定して、自分たちの商品が露出できるようにして、売り上げれば、その金額を支払いする、という流れになっています。

顧客育成を大事にしようというショップが増加

 かつ、最近では、全体において、取扱い高の6割以上、ヤフープレミアム会員をしめていることを考えれば、いわゆるヤフーの“お得意さん”がリピートしている傾向があるといえ、そこへのアプローチとして、アールエイトというMAツールを使って、自分たちの店舗で顧客育成をする、という流れを取っているわけです。

 非常に戦略として何をすれば良いかがわかっているため、段階によって、少しずつ向上している店舗もいて、特に、今回受賞している店舗は、自分たちのお客様をどうやって育てるべきか、そして、売り上げのヤマ場を作りつつも、どう日頃から買ってもらえる環境を作るか、ということを皆口にしているのが印象的でした。

 さて、この中では、ヤフー執行役員の小澤さんのプレゼンもあり、その中では、SoftBankとの連携をして、SoftBankユーザーであれば、毎日10倍として、かつそれを、かなりの頻度で、テレビCMでアピールし、SoftBankショップでも幟を立てるなどして、積極的なアピールをすることで、SoftBankグループあげて、その集客に努めることを強調しました。

 また、記者との対話の機会が設けられ、その場では。4月からの新体制にも触れて、シナジー効果を高めるために、ショッピングカンパニーやヤフオク!カンパニーの上に、コマースグループを設置していき、既に今も、Yahoo!ショッピングの中に、ヤフオク!の商品が出てくるなどの変化があることを明らかにしています。

アスクルの火災事故で記者会見『LOHACO』の完全復活はいつ?

アスクルの火災事故で記者会見『LOHACO』の完全復活はいつ?

 そのほかで言いますと、やはり、アスクルの記者会見です。アスクルは2月にアスクルロジパーク首都圏という、大きな物流センターが火事となり、結果、すぐに鎮火しなかったことから、ニュースで取り上げられ、また、今後に与える影響がきになるところでした。

 記者会見では、実際に、その損失は最大で95億にもなるとの報告があったが、これは火災保険などが適用されない場合であると説明しました。こうしたものを活用し、かつ現場の状況を把握し、効率の良い対応を進めることで、まだ正確な情報を発信できる状況にはないため、宣言することはできないが、赤字に転落することは防ぐことはできるのではないか、と推測しています。

 それだけ大きな物流センターであるということです。実際に、この物流センターが担っていたのは、全体の22%にも及びました。BtoBにおける物流は9%程度で、大きな影響はないものとしていますが、BtoC事業のLOHACOにおいては、62%を占めていることから、しばらくは、特に東日本エリアにおいては、不便を強いることがありそうです。代替えセンターを3月に、埼玉と湾岸の2箇所に設置するほか、9月にも場所は未定としながらも8000坪程度のおもにLOHACOを主体とするセンターを設置するとしており、その対応を急いでいます。LOHACOが以前と同じ状況になるのには、半年は必要としています。

 今回の火災事故は、ある種、ECにとって物流の大事さを浮き彫りにしたものでしょう。物が運べなくなると、ECそのものが機能しなくなるということで、ヤマト運輸の荷受けの抑制の問題しかり、 EC業界においても、販売するショップ側で何を売るかの問題だけでなく、こういう物流の問題に関しても、一つ一つの店舗が真剣にどう向き合ったら良いかを考えるべき時に来ているように思います。
 
というわけで今日はこの辺で。
また来週お会いしましょう。

ECノウハウ


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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