ヤフー、プログラマティック広告領域を強化 EC事業者に与える恩恵とは

ECのミカタ編集部

ヤフー株式会社(以下、Yahoo! JAPAN)は、このたび、マーケティングソリューション事業において、プログラマティック広告領域の取り組みを強化していくことを発表した。広告取引プラットフォーム「Yahoo!アドエクスチェンジ」を通し、広告出稿者および媒体社にとって、より質と信頼性の高い広告取引を実現している。

 EC事業者の方にとって、出店料や手数料など業務にかかってくる固定費は、出店するモールを考える上で重要になってくるポイントだろう。Yahoo!ショッピングは「インターネットで買えない物はない世界を作る」を合言葉に、2013年10月から毎月の固定費25,000円を無料に、売上ロイヤルティ1.7%~も無料になった。

 今回は「なぜYahoo!ショッピングの出店料は下げられるのか」を意識してもらいながら読み進めて頂くと、EC事業者の方にも興味を持っていただけるのではないかと考え記事にしてみた。

 Yahoo!JAPANの発表によると、今後、マーケティングソリューション事業において、プログラマティック広告領域の取り組みを強化し、広告取引プラットフォーム「Yahoo!アドエクスチェンジ」を通して、広告出稿者にも媒体社にとっても、より質と信頼性の高い広告取引を実現していくとした。

 分かりやすく説明するならば、これまでYahoo!JAPANは主に「広告を表示する場所」を提供していたのだけれど、これからは広告出稿者と媒体社を繋いでいくプラットフォームを強化していきますよ、ということだ。広告出稿者には「より宣伝効果の高い媒体への最適なマッチング」を。媒体社には「より収益性の高い広告の表示」を実現していくとしている。

新たな技術でもたらされる「質と信頼性の高いインターネット広告取引」

 昨今、さまざまなアドテクノロジーの台頭により、インターネット広告取引の高速化が進んだ。点在していた広告枠がネットワーク化され、ターゲットした枠へ即時の入札・配信が可能なリアルタイム広告取引が拡大している。広告出稿側からは質の高い媒体枠がこれまで以上に求められるようになった。一方の媒体社側もグローバル規模でより多くの広告出稿者に媒体枠を販売し、信頼性を担保しながら収益の最大化を目指している。

 取引についても従来のオープンな入札から、限定された広告出稿者と媒体社間で取引が成立するプライベートマーケットプレイスなどの新しい取引形態に注目が集まっているという。そのような市場ニーズを受け、Yahoo!JAPANはプログラマティック広告領域を強化し、より質と信頼性の高いインターネット広告取引を行う環境を提供するとしている。

 そのハイレベルな広告のマッチングを提供するのが「Yahoo!アドエクスチェンジ」というプラットフォームだ。広告出稿者側は、さまざまなデバイス、フォーマットを買い付けることで、これまで限定的だったリーチを飛躍的に拡大させることができる。媒体社側は、国内外の主要なDSPにリアルタイムでアクセスすることが可能となり、媒体の収益性向上を実現できるとしている。

ビジネスをどう考え、どう変化させ、どう強化していくのか

 「Yahoo!アドエクスチェンジ」では、広告サービスにおいてYahoo!JAPANのマルチビッグデータを活用した高度な広告取引も可能となっており、広告出稿者および媒体社にとって信頼性の高い広告取引を実現させ、今後もマーケティングソリューション事業を加速させていくとした。

 広告業界も新しいテクノロジーによってどんどん変化している。同じやり方では時代の波に取り残されてしまう。大事なのは「どの部分でマネタイズさせていくか」というビジネスセンスなのだろう。Yahoo!ショッピングの出店者からのマネタイズではなく、今回ご紹介した「Yahoo!アドエクスチェンジ」をはじめとしたYahoo!が持っている様々な事業によってYahoo!ショッピングが成立しているのだ。そういった角度からの「ECの見方」をしていけば、Yahoo!がどれだけ大きな「ECの味方」であるかが理解できてくるはずだ。

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