「BASE」アプリは素敵に作家の可能性を広げる〜食器は食べる為だけの付属品じゃないさ

石郷“145”マナブ

  BASE株式会社が提供する簡単ECアプリ「BASE」は、多くのクリエイターに可能性の幅を広げている。東京・渋谷のヒカリエを舞台に、先日、「BASEでみつけるインスタジェニックなうつわ展」が開催されるというので、顔を出してみた。ここに並ぶものは、全てショッピングアプリ「BASE」で販売されているものだ。

 思う。ショッピングって、型番商品で安さ追求がきっと全てじゃない。個々の感性を大事にした、独創的なものがあっていいはずと。そんな感性があってちゃんと商売として成立している“作品”が一堂に会し、そうした可能性に光を当てていて、ここにBASEの意味を思ったのだ。

 出展作家は、テーブルスタジオ、INISHIE、UTSUWA11、HAJIYOSHIDA、天城宏山窯、kana oguni、多田倫子、石川智美ら(敬称略)。

アクセに使う素材も食卓を彩る一員となる

 ふと、石川智美さんの食器に目がとまる。本来ゴールド色の真鍮という素材はよくアクセサリーなどで使われるものだが、それでスプーンやフォークをつくり、やや形も普段目にするものとは少し違って、細身であったりする。それはそのまま、インテリアにもなるし、違った見え方が、僕らの感性を引き立たせてくれる。

 「テーブルスタジオ」の出品していた、木製で作られた食器は、その木目の優しさが、食卓に癒しをもたらす力を持っていて、和む。幸せな食卓はこんな存在によって生まれるのかもしれない。

 そして、「天城宏山蒸」の商品を見ていたら、食器の意味って何だろうと思った。ここの食器のように、鉄分を多く含んだ粘土を薪で燻し焼きすると、黒くなるのだ。すると、そこに乗せる食材はいつもと違って見えてはこないだろうか。僕らが目にする食器というのはどこか実用的なものが多いが、この食器は盛り付ける食品を引き立たせる“名脇役”なのである。器の色や形次第で、上に乗せたいちごが美味しそうに見える。

 当たり前を当たり前と受け入れずに、違った価値観で見てみると、違った価値が生まれる。画一的な世の中ではつまらない。そんな世の中にならないために、BASEには頑張ってもらいたいものだ。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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