楽天、電通と子会社設立を発表 楽天の顧客データを電通の知見で生かす

石郷“145”マナブ(編集長)

 思うところは、企業のプロモーションにおいて、今やネットの存在を抜きには語れないという事実だろう。電通といえば、大手のマスコミュニケーションとして、テレビなどで大きく大衆などに訴えかけてきたものだ。ところが、今回は、楽天がこれまで培ってきた顧客データで、それを生かそうというわけである。三木谷氏の目に何が見えたのか?

 楽天株式会社(以下、楽天)は、先ほど、記者会見を行い、株式会社電通(以下、電通)との間で、新会社「楽天データマーケティング株式会社」を設立し、10月から営業を開始する、と発表した。

 楽天データマーケティング株式会社は、楽天グループ全体の顧客に関するビッグデータに対して、電通グループの保有するマスメディアなどで培った企業プロモーションの知見を生かして、マーケティングを行おうというものである。

 会見の席上、楽天の代表取締役 会長兼社長 三木谷浩史氏は、「中小企業においても、大手メーカーの商品を扱っていることはあって、そこで我々は、複数の店舗を取りまとめて販売したり、あるいは、その商品の持つブランド価値を引き出すためにキャンペーンなどの取り組みはすることはできる。そこで、電通の培ってきたノウハウを生かせば、両社の強みが最大限に発揮されて、その利点は店舗に還元されると考えている」と話した。

今まで踏み込まなかった領域に進出

 例えば、大きなナショナルブランドと言える大手メーカーは、これまでのマスメディア以外でのネットにおける戦略を、今回の新会社の登場により、実践することで、これまで得られなかった新規の顧客開拓や購買シーンを生み出すことができるのだから、それだけ、ネットの価値が上がったということでもあるように思う。

 楽天はあくまで小売であり、商品をプロモーションする能力に長けているとはいえないし、これまでの広告に見られるようなクリエイティブなものを作り出すノウハウがあると言えるかといえば、少し不安が残るが、ここの部分を電通のノウハウが強力にサポートすることで、ウィークポイントを強みに変えて、新たなビジネスチャンスを創造することができるというわけなのだ。

ネットの存在感が増す中で既存企業のECへの目つきが変わってきた

 今回の一件により、メーカーは大小問わず、ネットにおける戦略も要であり、これらを活用した事例が集まるにつれて、よりネット通販の存在感も増してくるだろう。また、ECサイトにおいても、大小問わず、ナショナルブランドを扱うメリットが出てくることで、何らか販売の現場のあり方も変わってくるに違いない。

 その上、楽天は、楽天市場以外にも、楽天トラベルなど、ポイントを通して、多くの生活と密着しているだけに、それらのデーターの活用も、新会社が担っていく可能性は高く、その役割が効いてくれば効いてくるほどに、楽天は自らの楽天経済圏を築くことの意味が出てくる。

 楽天が歩んできた道のりからすれば、この流れはある意味、妥当な流れだし、これをもって、どういう価値を生み出すかは、動き出してみないと分からない。ただ、これだけの規模感を持って、どんな影響を世の中に及ぼすかは、これからの広告とネットのあり方にもつながる大事なものなので、楽天ならずとも、この動きには注目したいところだ。

記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

ECのミカタ 編集長。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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