止まらぬ爆進で年間成長率を上方修正。アリババが第2四半期決算を発表

ECのミカタ編集部

 アリババHD(浙江省)は、2017年7~9月期決算を発表した。純利益が前年同期比2.3倍の177億元(約3千億円)と予想を上回る伸びを見せており、その勢いはとどまるところを知らない。

 以前、この記事(https://ecnomikata.com/ecnews/15108/)でもお伝えしたように、その事業と戦略は多岐にわたっているが、主力のネット通販事業の売上高が今期は前年比63%増の69.83億ドルにまで達した。インターネット事業だけでなくスーパーマーケットや実店舗への投資も業績押し上げに寄与したという。

 またクラウドコンピューティング事業であるAlibaba Cloudの収入は前年比99%増の4.47億ドルとなっており、いよいよ蒔いた種が急成長してきた。デジタルメディア及びエンターテインメント事業の収入は前年比27%増の7.21億ドルでこちらも堅調な推移を見せている。

 中国小売市場での年間アクティブ消費者数は4.88億人に達し、2017年6月時点の人数より2200万人増加したという。2017年9月時点での中国小売市場における月間モバイルアクティブユーザー数は5.49億人に達し、2017年6月時点より2000万人増加した。

 今後伸びてくるだろうと見られているのは海外にいる約1億人の中国人消費者向けに開始した「Tmall World」だろう。今期の海外売上高は45億元と59%増。EC全体に占める海外比率は約10%だったという。ラザダの買収なども功を奏しており、インドネシアでもEC大手に出資するなど海外事業をさらに強化している。

2018年度の売上高を49-53%増へ上方修正

 2018年度(同年3月まで)の売上高の伸びについては49-53%増と予想し、従来の45-49%増から上方修正した。中国のインターネット市場の規模感は、いまや日本とはかけ離れているほどの数字を叩き出している。

 これを偏に文化の違いと片付けるのは早計だろう。たしかに中国においては実店舗よりもECでの購買のほうがインフラとして整ってきた感がある。また電子決済も然りだ。これらは日本と大きく違う点だが、インターネットにはそれを飛び越えるだけの力がある。

 日本の商品を中国で買うことも、逆に中国の商品を日本で買うことも今やハードルは低い。「日本が」とか「中国は」とか言っている場合ではない。どちらも並列で見ていく必要があるだろうし、この数字を見ても分かるように商圏は世界中に広がっていて、その成長速度は極めて早い。柔軟な発想をもって、事業を展開していくべきだと感じるし、その判断がこれから10年の企業の命運を握っているのだと思う。

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