10代(Z世代)の消費動向が明らかに『バンドルカード(Visaカード)』の運営会社が徹底調査

ECのミカタ編集部

Visaカード『バンドルカード』を運営する株式会社カンム(本社:東京都港区、代表取締役:八巻渉、以下「カンム」)は、バンドルカードにおけるユーザーの利用データを元に、2017年に10代ユーザーに利用された約5億円分の消費傾向について分析し、その結果を公開した。

10代に多くのユーザーをもつカンム社が消費動向を調査

ミレニアル世代の中心でもある今の20代は「嫌消費世代」「さとり世代」などと呼ばれ、節約傾向にあると言われることが多い。その次の世代にあたるのが10代(Z世代)です。 「ゆとり」「さとり」に続く世代として、他人に尽くしコミュニティを広げる「つくし」世代などという言われ方もされていて、インスタ映えやコミュニケーションに必要なものについては、消費に対する欲求が他の世代と比べて強いとされる。

今回そのZ世代に対して、10代のユーザーが6割を超えるVisaカード『バンドルカード』を運営するカンム社が、10代(Z世代)の消費約5億円を元にした消費動向を調査し、その結果を公表している。その内容は実に興味深いものとなった。

『バンドルカード』は、チャージ式Visaプリペイドカードで、「アプリから誰でも1分で作れるVisaカード」というコンセプトもと、生年月日と電話番号だけでアプリからすぐにネット決済専用のバーチャルカードが発行され、希望者は実店舗で使えるリアルカードを持つこともできる。こうした手軽さが10代のユーザーを中心に受け入れられている。

単価は少ない?意外な10代の消費実態

『バンドルカード』では各年代毎の消費傾向を分析している。その結果、2017年1月から2017年11月までのデータでは、10代ユーザーは1人あたり平均7.1回の利用、1利用あたりの平均単価は1,227円となった。これに対して20代は4.1回、2,933円となっている(2017年1月~2017年11月:バンドルカードの利用実績)。

この数値だけを比較とすると、10代は利用回数が多いものの、単価が低い結果となった。ただ、利用回数の多さは10代の方が高く、収入差を考えると消費欲は20代に対して、むしろ強いのではということが推測できる。

一方で単価が高い項目もある。「高額消費」をここでは「1回の利用単価が10,000円以上の決済」と定義し、10,000円以上の利用が多かった4つのジャンルそれぞれの平均利用単価(複数回利用されている利用先) を見たところ、10代全体の利用総額の7.5%を高額消費が占めていることがわかった。

「旅行関連(航空券や宿泊費など)」が単価が高くなるのは当然と言えまるが、「海外通販」がそれ以上に利用単価が高いことがわかる。 また、「海外通販」の中でも値段の高い海外ブランドを取り扱っているECサイトの利用が多く、SNSでの拡散などを目的にした「見た目重視」の傾向に依るものとの分析が可能だ。

※2017年1月~11月:バンドルカードの10代ユーザーにおける利用実績

イマドキの10代が好きなショップは?

10代の日常の主にリアル店舗での利用先別平均単価では「コンビニ」の392円を「コーヒーショップ」の701円が大きく上回っており、カード利用が出来るコーヒーショップではスターバックスでの利用が群を抜いていることから、インスタ映えや友達との盛り上がりを考える「コミュニケーション重視」の消費とも言えそうだ。またアニメショップの利用単価も高く、趣味性が高いものや自分が好きなカルチャーへの消費欲も旺盛なのが分かる。

※10代の利用先別平均単価:バンドルカードの1年より

「失われた20年」と言われたデフレ下での長い低迷の時代を幼少の頃から経験してきており、親の倹約傾向を鏡のように映してきたとも言える20代。その次の世代10代(Z世代)は、一味違った消費動向を行っているのが浮き彫りになった。アベノミクスが提唱されて久しく、日銀の大規模な金融緩和のもと、大都市部を中心に徐々に景気も上向いているとの指標が多いが、そうした背景のもと、限られた予算の中で、コミュニケーションと趣味にはサイフの紐が緩むのがイマドキの10代とも言えそうだ。


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