EC業界News1週間まとめ〜ニコニコ超会議やSNS漫画家に見る、影響力の発揮の仕方/店もPR力が必要な時代

石郷“145”マナブ

こんにちは。
編集長の石郷です。

今週、読まれたのはこちら。

LINE2018年12月期第一四半期決算発表
https://ecnomikata.com/ecnews/18699/
ニコニコ超会議2018 16万人来場で昨年超え
https://ecnomikata.com/ecnews/18747/
EC商品撮影の効率化に威力。クラウドサービス『PANAMAスタジオ』が登場
https://ecnomikata.com/ecnews/18740/
STAFF STARTの「アパレル企業ECサイト実績データ」に感じるインターネット接客の本質
https://ecnomikata.com/ecnews/18714/

先週に引き続いてまだ読まれているのがこちら
【速報】スタートトゥデイ決算潜入!前澤社長「新ZOZOSUIT」を発表 3年目で売上2,000億円
https://ecnomikata.com/ecnews/18741/
【速報】ヤフー決算発表 今後の見通しは?
https://ecnomikata.com/ecnews/18738/

ニコニコ超会議に見る影響力の源

ゴールデンウィークということで少しライトな話題を一つ。
ゴールデンウィークの初めに「ニコニコ超会議」にお邪魔させていただきまして、ネット発信のイベントとしてはまさにあれだけの影響力を持ち、集客をするだけの力を発揮するあのイベントの勢いを目の当たりにしました。

今まではネットの世界というのはある種、独特なものだったのが、日本におけるカルチャーが集結し、ネットのなかにも主役と言えるだけの輝きを持つものが増えている印象です。ここ最近ではニコニコ超会議においては、小林幸子さんが毎年のように来場し、今年は笑点とコラボして一緒に登場していました。小林幸子さんはまさにニコニコ超会議に集まるユーザーからも支持されていて、それを背景に笑点がコラボする、プレミアム感が会場の人たちに熱狂を与えていました。

この落語的なものもそうですし、歌舞伎といった日本のお家芸と言えるものと初音ミクのコラボにより実現する「超歌舞伎」は最新鋭の映像技術を堪能しながら日本の伝統に酔いしれるという贅沢な内容になっていて非常に面白い。

先日、この「1週間まとめ」でハヤカワ五味さんの話を説明する文脈で、何かを発信する側は、お客様の「読解力」に発信者が合わせて行く(お客様のことをきちんと理解する)ことが大事だという話をしていましたが、まさにこれも今までの小林幸子なり歌舞伎なりの型を破り、今を謳歌する人たちの近くまで舞い降りて、その「読解力」に合わせてきたことで、日本の伝統の素晴らしさに触れる結果になっています。

メルカリなどが、小売りの勢いを差し置いて、伸び続けるのも、いわゆる古着であっても、受け手であるユーザーの心に響く提案を知らず知らずに発信者が身につけて、提案できているからなんです。だからお母さん世代の服でも理解をして買っていたりするわけです。

店もある意味、インフルエンサーなのです。

 時代が変りゆく中で、今の人たちの気持ちに近いところで、響くサービスを提供していくことの重要さを思います。少し前に書いたwwwaapという会社がSNSで支持を集める漫画家にフィーチャーして、企業との間に立って、企業が伝えたいメッセージを理解し、その発信をSNS漫画家の持つ潜在的能力で生かして、企業のブランディングを最大化させていたりしています。

HPで漫画を描くだけではなく、書いた漫画を漫画家のツイッターなどで拡散することで、その漫画の持つポテンシャルを最大限引き出して、企業のプロモーションに貢献していきます。勿論、漫画家だけでは直接、企業とのコラボができなくても、間に立っているエージェントが漫画のプロモーションをしつつ、企業のプロモーションをするわけです。

 漫画家って、こういう貢献の仕方があるんだと思いました。ジャンプとかに掲載されないとまさに、飯が食っていけない、そんな仕事でしたが、今は「時代が変わりました」。一握りだった成功者が、SNSの登場によって、埋もれていた才能が開花し、それがビジネスに応用されて、全く新しいプロモーションのあり方を提示している現実はテレビ一辺倒の時代からの脱却を意味しています。中には、SNSの投稿と漫画の作成などをまとめて、1本100万円以上稼ぐ人も出てきていますし、それは漫画家のレベル感にあわせて、存在するので、自分のレベルにあった漫画家も存在するのも事実です。それだけ多様化しています。

バーチャルYouTuberまで出てきている時代 表現力を持った人たち

 ニコニコ超会議の話で言えば、YouTuberどころか、そこから一歩先をいき、バーチャルYouTuberが存在感を発揮していたぐらいです。YouTuberがヒカキンなどリアルな人であるのに対して、いわゆるアニメで表現された仮想のキャラクターがYouTuber的なことをするのです。

 テレビにアニメがあるように、YouTuberにもアニメ的な人がいて、そこに熱狂的なファンを生んでいます。僕も詳しくないのですが、ニコニコ超会議をきっかけにして、バーチャルYouTubeについて調べる中で「富士葵」というキャラクターのYouTubeにたどり着きました。その喋り方も仮想のキャラなのに、YouTube並みの人間味があって、これは凄いと思いました。しかも、仮想なので他の人が作って、拡散していくこともできます。時代は移り変わっていて、テクノロジーの進化で表現力も向上していると言えましょう。

 つまり、今まで一握りの成功者しかいなかった漫画家がそうやって、少しずつ、そのレベル感を挙げているということは、店もまた、自分たちの思いを持った商品を持つ“インフルエンサー”という自覚を持って、自分たちのお客様の読解力に合わせて、自分たちを変えていく必要性があるように思います。

 大事なのはお客様は人間で、ワクワクするなどの好奇心は普遍的ではありますが、受け手の人が響く「言葉」や「表現」は変わってきているという実感があります。メールやLINE、ひいてはツイッターなどといったお客様と繋がれ、どういう人達に支持されているのかはわかる時代になってきているからこそ、発信するだけでなく、一度、“受信”することにも重きをおいて見たらいいのではないかなと思った次第です。

というわけで今日はこの辺で。
笑顔溢れる1週間でありますように。
また来週お会いしましょう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

石郷“145”マナブ の執筆記事