ブックオフが子供の元へ本を寄贈する取り組みを開始

ECのミカタ編集部

ブックオフコーポレーション株式会社(以下「ブックオフ」)の子会社であるブックオフオンライン株式会社は、運営する宅配買取サービス「宅本便」(以下「宅本便」)を通じて、お値段がつかなかった本の一部を、埼玉県内の子ども食堂(※約14ヶ所)へ寄贈する取り組みを、この程開始した。

自宅にいながら買取を申し込める「宅本便」

リユース市場のリーディング企業である、ブックオフ社が展開する宅配買取サービス「宅本便」とは、自宅にいながらにして「本・CD・DVD・ゲーム・スマホ」などのアイテムを売ることができる、ブックオフの公式宅配買取サービスだ。

買取価格は事前に検索ができ、買取の結果も1点ごと明細の確認ができるのが特徴。前日22時までの申込みで翌日集荷が可能となっており、送料や振込手数料は無料となっている。また、値段のつかない品物は返却か引取かを選択することも可能だ。

埼玉を皮切りに全国への寄贈を進める予定

埼玉を皮切りに全国への寄贈を進める予定さいたま子ども食堂 贈呈式の様子

非常に便利なサービスである「宅本便」だが、年間のべ30万人以上のユーザーが利用し、毎月400万冊以上の本が到着するものの、そのすべてに値段をつけて買い取ることはできていなかった。状態が悪く買い取りができないものや、販売との需要バランス(販売量よりも買取量が上回る商品)により、状態が良くても買い取りができないものがあるのだ。

これまでは、そうした買い取りができない本は、すべて資源リサイクル業者へ引き渡し、古紙リサイクルによる再資源化をおこなってきたが、状態が良くても買い取りができない本の一部については、埼玉県遊技業協同組合を通じて埼玉県内の子ども食堂(約14ヶ所)へ寄贈する取り組みを開始したのだ。寄贈する本の種類は、図鑑、歴史漫画、絵本、児童文学など、子どもの学びを支援することを念頭に、現地からの要望をもとに選定しているという。

また、取り組みの開始にあたり、4月上旬に埼玉県内のさいたま子ども食堂にて贈呈式を行い、児童書や歴史漫画などを寄贈した。この活動は埼玉県遊技業協同組合が実施する社会貢献活動の一つとして実施され、今後についても支援提携先を通じて、全国の児童養護施設への寄贈も進めていく予定となっている。

ユーザーからの声で実現

宅本便を利用するユーザーのうち96%が査定結果に承諾(2017年12月実績)しているそうだが、一方で寄せられる意見として、状態が良いのに買い取りされなかったことや、買い取りされなかった本が商品として流通せず再資源化されることへのご不満があった。結果として「売れないぐらいなら、捨てる」という判断をされる利用者が少なからず存在していたことになる。

今回の取り組みは、そうした声に対応し、買い取りできなかったとしても寄贈というルートを作ることで、社会的には子ども支援の一助を果たす一方、事業観点としては「捨てるぐらいなら、売る」という判断を増やすことで、社会貢献にもつなげるという意思があるようだ。

リユース市場、特にネットを介したCtoC市場は、フリマアプリなどが牽引する形で、まだまだ発展の余地があるとされている。一方で、企業がリユース品の買取と販売を行うビジネスモデルは、昨今、やや苦戦気味であるとの情報も多い。そうした中で、寄贈という選択肢を設けたことは、ユーザーがあえてリユース企業に売ろうという動機付けに一役買うことになるだろう。CtoC市場の隆盛の前に、こうしたリユース企業がどうこれから存在感を維持していくかを含めて、今後の動向を見守って行きたい。

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