LINEが最新の決算内容(2018年第2四半期)を公表

ECのミカタ編集部

LINE株式会社は、2018年第2四半期(2018年1月1日~2018年6月30日)の決算について決算短信と決算説明会資料としてとりまとめ、その内容を公表した。

売上収益は堅調ながら全体としてはマイナス

同社の決算短信によれば、連結経営成績(類型)における同期の売上収益は、99,361百万円(前年同期比26.3%)、営業利益は、10,321百万円(前年同期比-44.6%)、税引前利益は6,634百万円(前年同期比-60.9%)、四半期利益は1,907百万円(前年同期比-81.9%)、四半期包括利益の合計額は、-1,586百万円となった。

同社資料より(以下、同様)

また、同社の「決算説明会資料」の中の「財務セクション」の項目での2018年12月期第2四半期の連結業績は下記の通りだ。

決済手段やスマートスピーカーへの投資が活発

決済手段やスマートスピーカーへの投資が活発

LINEは、同社の事業を「コア事業」と「戦略事業」に分けている。コア事業は、旗艦となるコミュニケーションアプリやコンテンツ事業、そして広告事業など、戦略事業は、フィンテック(LINE Pay)・AI(Clova)・コマース(LINEショッピング、LINEデリマなど)といった、コミュニケーションアプリや広告事業以外の広範な領域がそれにあたる。

今回、公表された資料の中でも、コア事業について広告事業が引き続き好調に推移して前年同期比42%の増収、ディスプレイ広告インプレッションも前四半期比で20%増加したとしている。ゲーム関連の売上については微減傾向だ。

一方の戦略事業に含まれるLINE Payスマートフォン決済については、決済対応した場所が94,000ヶ所を超え、QUICPayとの連携により、さらに72万ヶ所を追加した。またAIスピーカーであるClova Friends miniの発表など自社のエコシステム構築への投資も相次いだ。また、Eコマース分野であるLINEショッピングの取扱高も続伸している。

売上自体が大きく伸びていつつ、全体としてマイナスになったのは、コア事業が安定した成長をみせる中で、戦略事業に対する投資分の回収に未だ至っていないという事が言えそうだ。

戦略事業の刈り取り時期にも注目が集まる

戦略事業の刈り取り時期にも注目が集まる

コア事業そのものの伸びしろは、まだまだ大きいと思われる。特に地域別の売上で海外が占める割合は未だ3割を切っているからだ。同社がアジア圏を中心に果敢にユーザーの獲得に乗り出していることからも、今後のさらなる成長に期待がかかる。

また前述したように、戦略事業については、LINE PayやEコマース事業であるところのLINEショッピングを見ても、取扱高は大きく成長をとげている。AIスピーカーは、家庭に据え置くタイプの他に、トヨタ自動車との提携による「Clovo Auto」発表されており、同社のエコシステムがどう一般に浸透していくかにも視線が集まる。

現在のところは、この戦略事業を刈り取る時期とはなっておらず、同様のエコシステムで市場を囲い込もうとする各大手ECプラットフォームとの、し烈なユーザー獲得合戦が展開されつつあるとも言え、今後の動向がさらに注目されるところだ。

 ECノウハウ


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事