【2018年上半期まとめ】楽天が取り組む、物流施策や店舗運営施策は?
EC業界で注目を浴びない月はない楽天。ここでは、2018年上半期の楽天の動きをまとめています。
楽天、ウォルマートと連携
2018年1月26日、最初に話題を呼んだのが楽天とウォルマートが戦略的提携を結んだニュースです。 楽天とウォルマートが戦略的提携を結んだこの提携により、ウォルマートがアメリカでの「楽天Kobo」を独占的販売を行うことへの同意や、ウォルマートの子会社でもある西友と楽天が協同で、「楽天西友ネットスーパー」を運営する新会社を設立することに合意しています。西友と楽天の協同スーパーは2018年8月14日にスタートします。。
EC業界の物流問題に対する取り組みは?
また、同年1月29日には、日本郵便と連携して「楽天市場」の商品を全国約2万局の郵便局で受け取ることのできるサービスの開始を発表しました。昨年から続く再配達問題の改善策としてどれ程の効果が生まれているのか今後に注目です。
2018年に入って楽天は物流に対する取り組みを強化しています。1月に開催された新春カンファレンス1月に開催された新春カンファレンスでは、三木谷氏が「楽天は『ワンデリバリー』を実現しなければならない」と言及し、消費者が注文をしてから消費者の元に届けるまでの全てを楽天が行えるようにするとします。
そして、7月17日に楽天は楽天EXPOにて「ワンデリバリー」構想の実現を発表しました。具体的な中身は、商品の保管から出荷までの物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」の物流センターを全国に拡大。また、楽天独自の配送サービス「Rakuten-EXPRESS」の配送エリアを全国に拡大、及び「楽天市場」の商品発送に関するUI/UXを見直すことで、より消費者にとって利便性の高い配送状況の実現に取り組んでいくとしている。
この「ワンデリバリー」構想や7月19日に発表された「商品画像登録ガイドラインの遵守必須化に伴う改定」については楽天市場に出店しているEC事業者からも批判がおこり、ECのミカタにも複数の問い合わせがきていました。
ECのミカタでは、このような背景もありワンデリバリーなど楽天EXPOで発表された施策について楽天のコマースカンパニー マーケットプレイス事業 市場企画部 ヴァイス・ジェネラル・マネージャー海老名 氏に話を伺い、それぞれの施策の意図やEC事業者に求めることについて聞き、「商品画像登録ガイドラインの遵守必須化に伴う改定」について、EC運営コンサルのGIVE&GIVEの松原氏に話を伺いました。
2020年、あなたは楽天とどう向き合いますか?〜編集長が聞く!楽天EXPOで三木谷氏が披露した施策の中身
楽天市場の「商品画像登録ガイドラインの必須化」と出店者の声
成長著しいCtoC市場で存在感をだせるのか
物流への施策が注目を集めた楽天ですが、それ以外にも大きな施策を実施しています。まず、2月26日に楽天が運営するフリマアプリ「ラクマ」と楽天グループのFablicが運営する「フリル」がサービス統合し、サービス名称を『ラクマ』とすることが発表されました。フリマアプリでは、6月19日に東証マザーズに上場したメルカリの存在感が目立つが、今回の統合による経営資源の集中や、両サービスがもっている顧客データや楽天が保有している各サービスとの連携を通じてフリマアプリ業界No.1を目指していくとしています。
また、ラクマでは定期的に利用者アンケートを実施しており、「ラクマ」利用者年代別アンケートや「参考にするファッション」調査「参考にするファッション」調査、楽天市場やラクマなど各サービスの2018年上半期ランキングなどを公表している。
オフラインとオンラインでの施策
4月11日に、楽天とビックカメラは「楽天ビック」を楽天市場にオープンしました。楽天と国内最大手のビックカメラが手を組んだ「楽天ビック」のポイント次の3点です。①オンラインとオフラインの連携を通して消費者の多様なニーズに答える、②設置・配送の利便性追求、③競争力のある価格と圧倒的な品揃え。
上記以外にも、楽天市場には5月に「Googleアシスタント」に対応した対話型のインターフェースと「楽天市場」における広告主向けマーケティングツール「RMP-For Brands」の提供開始、6月には楽天市場店舗限定に経営者向けのサポート制度を開始している。
その他、4月に位置情報を活用した広告配信によりオフラインでのユーザー行動を効果測定することができる O2Oマーケティングソリューション「RMP(Rakuten Marketing Platform) - Go! Spot」の提供開始、6月には位置情報技術を活用したモバイルコマースプラットフォーム・ソリューションを提供するカーブサイド社の買収など、位置情報を取り組んでO2Oマーケティング強化の動きがみられる。
オムニチャネルに物流、他分野など
今年のニュースをまとめていると、楽天は「物流」「オンオフライン」「楽天市場への機能追加」が多いように感じる。物流に関してはEC業界にとって重要な問題であり、業界最大手の楽天が果たすべき役割も大きいだろう。また、小売りだと考えると、ショッピングモール「楽天市場」を運営する楽天であっても出店店舗の“オンライン”での支援を充実していくことは、店舗の成長を考える上で必要不可欠だ。
ECの分野である楽天市場以外でも、楽天ペイをはじめとする金融分野や携帯事業への参入など話題に事欠かない。8月に入ってからもグルメサイト「ぐるなび」との資本業務提携、社内体制の再編など注目を集めている。楽天グループ全体でどのような相乗効果をだしていくのか注目していきたい。