ウォルマートと楽天が新電子書籍サービス『Walmart eBooks by Rakuten Kobo』の提供を開始

ECのミカタ編集部

画像のデバイスは、日本の楽天Koboで提供されている「Kobo Aura ONE」

楽天株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下「楽天」)とウォルマート・インク(本社:米アーカンソー州ベントンビル、最高経営責任者:ダグ・マクミロン、以下「ウォルマート社」)は、アメリカにおいて、電子書籍サービス「Walmart eBooks by Rakuten Kobo」の提供を開始した。これにより、アメリカの「ウォルマート」の顧客に対し、電子書籍やオーディオブック、電子書籍リーダーといった、幅広い読書の選択肢を提案することが可能になる。

600万作品を超える膨大な品揃え

当該サービスでは、ニューヨーク・タイムズのベストセラーから、多種多様なインディーズ作品、さらには子ども向けの本にいたるまで、600万作品を超える膨大な品揃えの電子書籍およびオーディオブックのコンテンツを提供するという。

また、それらのコンテンツは、「ウォルマート」と「楽天Kobo」の両ブランド冠した無料アプリ(iOS、Android)や、「ウォルマート」の一部の実店舗および「Walmart.com」で販売される「楽天Kobo」の電子書籍リーダーで利用することができる。

新たな選択肢と価値を提供

今回のサービス開始にともない、両者のキーマンから次のようなコメントが出されている。

ウォルマート・Eコマース U.S.のエンターテインメント・ジェネラルマネジャーであるマリオ・パチーニ氏

「Kobo社と協業することで、実物の書籍に加え、迅速かつ効率的に電子書籍およびオーディオブックの品揃えを『Walmart.com』に拡充することが可能となりました。これにより、私たちの顧客は新たな方法で本を読むことができるようになります」

楽天の副社長執行役員でありメディア&スポーツカンパニープレジデントの有馬誠氏

「『Walmart eBooks by Rakuten Kobo』は、ウォルマート社と楽天による戦略的提携のマイルストーンとなるものです。世界有数の小売業者であるとともに有力な書籍販売業者でもあるウォルマート社との協業を通じ、米国の読書愛好家の皆様にさらに多くの選択肢と価値を提供できることを楽しみにしています」

提携を通し強化されるエコシステム

提携を通し強化されるエコシステム

同サービスは、ウォルマート社と楽天が2018年1月に発表した戦略的提携の一環としている。この提携の成果のひとつとして、楽天は、ウォルマート社の日本法人である合同会社西友(本社:東京都北区、最高経営責任者代行:ミッチェル・スレープ)と、ネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」においても共同運営開始がアナウンスされたばかりだ。

世界最大級のスーパーマーケットチェーンであるウォルマートは、アメリカ本国では低価格戦略が好調で、世界各国でも提携などを通し、積極的な戦略を展開している。日本においては、楽天との戦略的提携をもとに展開しているのは前述した通りだ。その流れの中で、エコシステムを構成するコンテンツ、特に電子書籍の面で、「楽天Kobo」のプラットフォームが活用される点でも意義深い。

両社は今後も、それぞれの強みを生かしながら、日本と米国のユーザーへのリーチ拡大およびサービス向上を目指す計画で提携がさらに深化していくものと見られ、対Amazonを見据えつつ、提携の中で楽天が日本発企業、そしてエコシステムとしてどう世界で影響力を発揮していくのかにも注目が集まる。

 ECノウハウ


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事