廃棄されるアパレル服の問題解決の為に立ち上がる!注文が増えると価格が下がる『Scales(スケールズ)』

ECのミカタ編集部

 アパレル・ファッション関連事業を行う、アジアアロワナ株式会社(本社:沖縄県、代表取締役:山内真・平良修)は、完全受注生産型のアパレル・雑貨ECサイト「Scales(スケールズ)」のサービスを開始したことを公表した。

『ゲーム感覚』をユーザーへ提供

 スケールズは、完全受注生産方式を採用し、注文者が増えるほど商品の価格が下がり、最終的に注文者全員が底値で購入できるアパレル・雑貨ECサイトとなっている。下落していく商品価格がリアルタイムでサービスサイトへ反映されるため、その過程を逐次、確認することができる点が、興味をひく。同社では「商品の価格が下がっていくことで生まれる『ゲーム感覚』をユーザーへ提供する」としている。ECを別の切り口で楽しませようととする姿勢がある。

アパレル業界を循環型社会へ変えていきたい

アパレル業界を循環型社会へ変えていきたいサービスサイトより。

 同社では「世界中で年間40億着のアパレル商品が生産され、30億着が消費者の手元に届くこと無くそのまま廃棄されるアパレル業界を循環型社会へ変えていきたい(データは2016年の経済産業省資料引用)」という想いから同サービスを開始した。

 販売工程で発生するムダを省き、廃棄ロス・値引き販売を想定した利益圧縮の要素が無くなることで圧倒的な低価格(製造原価率70%~90%)を実現し、従来の“売れ残ったらブランドバリューを維持するために廃棄処分する”業界の習慣をエシカルな角度から解決できるとしている。

SNSでの拡散にも注力

「スケールズ」の販売商品は「ベーシックアイテム+高品質素材」を組み合わせた「飽きのこない」ラインナップを採用している。また、今まで手の出しにくかった、高級アイテムをより求めやすい価格から受注開始する。

 また、アンバサダー制度(アフィリエイト)を導入し、SNSで商品のリンクを簡単に拡散できる仕様を採用するとともに、商品購入者がSNS上で購入した商品をシェアし、商品の購入を促すことで生まれる高拡散性を実現するという。さらに、100%クレジットカード決済を採用しているため、売掛金の回収をスピーディに行うことが可能になる。

生産者や小規模・個人ブランドにもメリット

 同社は今回開始される新サービスでは、保有する在庫や実店舗を持たないため、工場から商品出荷をする前に製造費の一部を生産者へ先払いすることで、生産者のキャッシュフローを改善し、生産背景の安定化の実現にも寄与する。

 スケールズを資本力の乏しい小規模ブランドや個人ブランドへ開放し、商品をエントリーさせることで在庫を持つこと無く且つ、費用のかかるファッションショーや展示会を行わなくてもファッション・アパレルの市場へ挑むことができるとしている。サービスのオープンプラットフォーム化は2019年末に実装予定。

 アジアアロワナ社は、これらの施策を通して、持続可能なファッション・アパレルを真剣に考え『消費者と生産者の全員がハッピーになる』社会を目指し、これからも機能改善及び新機能を提供していく方針で、その心意気がすばらしい。

 活況を呈するEC市場を力強くリードするアパレル分野。一方で、大手ECプラットフォームをはじめ、大小さまざまなアパレルECサイトが乱立し、競争も激しくなっている。そうした中で、注文が増えるに従って価格が下がる仕組みは、ダイレクトにユーザーに訴求でき、差別化に直結することは間違いないだろう。

 それだけではなく、生産者のキャッシュフローや、小規模・個人ブランドが参加できるチャネルとなることで、広くアパレル分野のスキームとつながり、結果として循環型アパレルへの貢献もできる点で、今後にも大いに期待できるサービスと言えそうだ。


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