【日本初】電柱が宅配ロッカーに!関西電力がサービス試験を実施

ECのミカタ編集部

電柱吊宅配ロッカー

関西電力株式会社(以下「関西電力」)、株式会社フルタイムシステム(以下、フルタイムシステム)、株式会社日本ネットワークサポート(以下、日本ネットワークサポート)の3社は、「電柱吊宅配ロッカーサービス」の試行実施を本日から2019年3月15日まで実施する。同社によると、電柱を宅配ロッカーの設置箇所として活用することは、全国で初めての取組みとなる。

再配達の低減へ向けて

関西電力によれば、マンション向け宅配ロッカーでは、設置場所や電源確保などの課題があるが、電柱を設置場所とすることでそれらの課題が解決でき、近年、急速に増加している宅配物の再配達を低減させることにつなげられるとしている。

今回の試行実施は、関西電力がオープンイノベーションの取組みとして2016年11月から12月にかけて開催した、電柱を活用したビジネスアイデアコンテスト「Dentune(デンチューン)!! –電柱の新たな未来–」で創出されたアイデアを参考に事業化を目指すものだ。

専用宅配ロッカーを設置

専用宅配ロッカーを設置

今回の試行実施は、関西電力が主宰となり、フルタイムシステム、日本ネットワークサポートと連携し、京都府精華町、ヤマト運輸株式会社、佐川急便株式会社、日本郵便株式会社の協力のもとで行うという。

具体的には、京都府精華町内の3箇所のマンションにおいて、敷地内および敷地隣接歩道上に設置されている電柱に、フルタイムシステムが電柱吊専用に開発した宅配ロッカーを日本ネットワークサポート製の専用支持具を用いて設置し、当該マンションに在住のサービス登録者に利用してもらう流れだ。

試験を踏まえて事業化を検討

同社では、今後、ユーザーの利用回数を確認するなど、事業性の評価を行うとともに、その結果を踏まえて、今後の本サービスの事業化を検討していく方針だ。

関西電力、フルタイムシステム、日本ネットワークサポートの3社は、このサービスを通じて宅配ロッカーの普及を後押しすることで、宅配物の再配達を低減させ、環境負荷の低減や地域社会の発展に貢献していく考えを表明している。

同社も指摘している通り、物流のラストワンマイルを担う宅配業界は、再配達の増加などもあり、負荷がかかった状態が続いており、宅配を活用するEC市場にとっても無視できない課題となっている。

この宅配業界が抱える課題に対して、宅配の大手事業者や国としても対策を打っていることだが、そうした官民挙げた取り組み中でも宅配ロッカーの普及は再配達低減に向けてキーを握る分野だ。

今回の関西電電力の施策は、同社の持つ資産を活用しつつ、新しい視点で宅配ロッカー普及に向けたものと言え、試験の状況を踏まえた正式な事業化にも期待がかかるところだ。

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