12社が最高を更新し業績好調なドラッグストア業界。その理由とは?

ECのミカタ編集部

ソフトブレーン・フィールド株式会社(本社:東京都港区/代表:木名瀬博)は、上場10社のドラッグストアのレシートから消費者の購買行動を調査。その結果を報告した。

購買行動を知るヒントに。「Point of Buy(R)データベース」

購買行動を知るヒントに。「Point of Buy(R)データベース」

今回のアンケートに使われたのは「Point of Buy(R)データベース」。
全国の消費者から実際に使われたレシートを収集し、ブランドカテゴリや利用サービス、実際の飲食利用証明としてのレシートを通して集計するマルチプルリテール購買データだ。

同一個人からの「消費行動」にかかわる詳細なデータを集計することができ、消費者のよりリアルな行動をデータ化し、企業のマーケティング戦略に活かしていくことを目的とする。

ドラッグストア好調!2つのワケ

2018年8月31日付けの日本経済新聞によると、ドラッグストアの営業成績が好調。
上場14社の2018年度の営業利益は、12社が最高を更新、17年度から2社増え約9割が最高益を記録したという。

ソフトブレーン・フィールド株式会社はPoint of Buy(R)データベースの会員(POB会員)のレシート約13.2万枚をもとに消費行動を分析。
その分析結果から、ドラッグストアには食品や高価な化粧品を扱うことで日常使い・インバウンド消費を狙うタイプと、ポイントや割引で消費者を確保するパターンの2種類の傾向があることがわかった。

日常使いとインバウンド消費をターゲットに

近年のドラッグストアの傾向として、食品構成比を高めて日常使いの顧客の来店回数を増やす、高価な化粧品を扱うことでインバウンド消費を狙う、などの特徴が挙げられており、今回の調査結果でもその傾向があることがわかった。

食品の構成比が高い上位3社は「コスモス薬局(44.8%)」、「クリエイトSD HD(33.6%)」、「クスリのアオキHD(32.8%)」。コスモス薬局に関して言えば、約半数が食品で構成されているという。

医薬品や美容・健康の構成比が高い上位3社は「マツモトキヨシHD(39.2%)」「ココカラファイン(36.2%)」、「スギHD(31.6%)」。
日用品・食品構成比が均等な「ウエルシアHD」「コスモス薬局」「マツモトキヨシHD」のみを抜粋してデータを比較してみても、その差は一目瞭然だ。

ポイントや割引でアプローチ

ポイントや割引でアプローチ

「ウエルシアHD」「スギHD」「カワチ薬局」の3社に絞って調査したところ、ポイントアップデーや割引の日を利用して、日用品などをまとめ買いしている顧客が多いという結果に。

決まった曜日にポイントアップや割引を行っていることから、多くの顧客はその日程を把握した上で日用品や高額商品の購買にあてている傾向が見られた。

他にもスーパーで買うより安い、品揃えが良い、といった他店舗と比較してドラッグストアでの購入を決めている声も多く上がっている。

業績好調の業界から学ぶ

価格の比較は、正直に言えば現代のマーケティングとしてはあまり効果的とは言えない。
時代は大量生産・大量消費ではなく質を求める傾向にあるからだ。

来店回数を増やす、決まった日に割引やポイントアップを適用する、高額商品でインバウンド消費を狙う、といった施策は、ECマーケティングでも十分に通用する方法と言える。

今後市場をさらに伸ばしていくには、消費者が何を求め、何を提供していくか、にアンテナを張ることが大切だ。

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