売れ筋No.1商品誕生に貢献 『STAFF START バイヤーシステム』がアダストリアで効果を実証

ECのミカタ編集部

「STAFF START(スタッフスタート)」を提供する株式会社バニッシュ・スタンダード(本社:東京都港区、代表取締役:小野里 寧晃、以下「バニッシュ・スタンダード」)が、2019年3月にリリースした「バイヤー機能」が、株式会社アダストリア(本部:東京都渋谷区、代表取締役会長兼社長:福田 三千男、以「下アダストリア」)に先行導入され、販売スタッフの声から「LOWRYS FARM」のワンピースカテゴリーにおいて売れ筋No.1商品誕生にも貢献している。

アダストリアで効果実証

実店舗の販売スタッフのオムニチャネル化を推進するアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」において2019年3月にリリースした「バイヤー機能」。

サンプル商品についての店舗の販売スタッフの「売れそう」「売れなさそう」のフィードバックを得る同機能はアダストリア社に先行導入され、販売スタッフの声から「LOWRYS FARM」のワンピースカテゴリーにおいて売れ筋No.1商品の誕生にも貢献した。

「STAFF START」は販売スタッフが自社ECやSNS上でのデジタル接客を可能とし、投稿したコンテンツを経由する個人売上を算出して販売スタッフや店舗の新たな評価を可能にする次世代オムニチャネルツールとなっている。店舗の販売スタッフがコーディネート投稿などを通じオンライン上で接客できるようにすることでスタッフの活躍の場をオンラインにも拡げてきた。

2019年3月、「STAFF START」の機能に「バイヤー機能」が追加された。「バイヤー機能」は、バイヤーやMD(マーチャンダイザー)がサンプル商品の情報を「STAFF START」の販売スタッフ向けアプリの上に投稿し共有、その投稿を見て販売スタッフは普段接客しているなかで会得した知識や経験から「売れる」「売れない」の評価をすることができる。

そのデータは本社にフィードバックされ、商品の生産数やサイズ、カラーバリエーションの決定に活用される。「バイヤー機能」を利用することで、顧客の声を一番近くで聞いている店舗に立つスタッフからの顧客の本当に欲しい商品を見つけ出すことが可能だ。

販売スタッフの声から売れ筋No.1商品が生まれる

販売スタッフの声から売れ筋No.1商品が生まれる

「STAFF START」ではこのように、販売スタッフが接客・販売にとどまらず、知識や経験、センスを強みに生産の領域でも活躍できる仕組みが作られた。販売スタッフの協力のもと、売り切れや過剰在庫を回避し、利益を確保することで、ひいては店舗で働く販売スタッフに還元されるような流れを志向しているという。

アダストリアでは、これまで年に数回販売スタッフにサンプル商品のヒアリングを行っていたが、「バイヤー機能」を導入することで「STAFF START」アプリ上でリアルタイムに商品へのフィードバックができるようになった。これにより、実際に顧客と向き合うスタッフの声を効率的に吸い上げることができ、MD計画に活用することが可能になったとしている。

実際に人気ブランド「LOWRYS FARM」の主力ワンピースは、9種展開するカラーバリエーションの中から販売スタッフが一番「売れそう」と予想した柄を、当初の計画数より多く生産したところ、一度も値下げすることなくブランドのカテゴリー売上No.1商品になるなど、売上貢献に対する成果も確認されたそうだ。

「売れそう」な商品はもちろん、「売れなさそう」と予想された商品もMD計画を見直し、より需要にあった企画立案が可能となるだけでなく、実際に店舗に立つスタッフが持つ知見を企画の面でも活用していくことで、メーカーの抱える課題解決にもつながることが期待できるのだ。

「利益圧迫・環境問題」といった課題に対応

「利益圧迫・環境問題」といった課題に対応

同社はまた次のようにコメントしている。

「あらゆるメーカーにとって大きな課題となっている販売計画、生産管理。特にアパレル業界はトレンド(流行)や季節性、さらに昨今は商品サイクルの短縮により需要予測が非常に難しく、適正な生産計画が困難な産業のひとつです。生産量抑制による売り切れに起因する機会損失はもちろん、売れ残り商品の値引き販売(セール)は原価率を引き上げ、利益を圧迫する要因となっています。

加えて、2018年英国高級ブランドが売れ残った在庫を焼却しているという事実が明るみなり大きな話題となるなど、資源・環境問題の観点からも過剰在庫抑制の要請が強くなっています。近年はブランドタグを付け替えるなどでブランド価値を棄損しない形でのリユースなど過剰在庫の二次流通により廃棄をなくす努力や、AIを活用した需要予測でより正確な生産計画作成の取り組みが行われています」

このように業界全体が抱えて来た課題に対して、ショップで消費者のニーズを体感するスタッフの知見をフィードバックすることで対応する「STAFF START バイヤーシステム」。新時代のECそしてアパレルの未来を切り拓いていくのかもしれない。

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