楽天年間ランキングが公表される ランキングから見える2019年ECの消費動向はいかに?

ECのミカタ編集部

楽天株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、
以下「楽天」)は本日、「楽天 2019年 年間ランキング」を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

楽天市場「楽天年間ランキング2019」

楽天市場「楽天年間ランキング2019」

順位/商品名/店舗名

1位
クリスタルガイザー / 爽快ドリンク専門店

2位
パンパース / NetBabyWorld(ネットベビー)

3位
Nintendo Switch Joy-Con(L) ネオンブルー/(R) ネオンレッド / ヤマダ電機

4位
レヴィア ワンデー カラー / キャンディーマジック

5位
メダリストワンデープラス / アースコンタクト

6位
エバーカラーワンデーナチュラル / クイーンアイズ

7位
Nintendo Switch Joy-Con(L) ネオンブルー/(R) ネオンレッド / 楽天ブックス

8位
大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL / 楽天ブックス

9位
メルシーポット(電動鼻水吸引器) / ベビースマイルショップ

10位
プリュ プラセンタ モイスチュアマスク / ルイール コン美ニエンスショップ

・集計期間: 2018年9月25日~2019年9月24日
・集計方法: 「楽天市場」内の販売売上金額、販売個数、取扱店舗数等のデータ、トレンド情報
などを基に、独自の算出方法で集計

◆楽天による考察

「楽天市場」では、ミネラルウォーターの「クリスタルガイザー」が、2017年、2018年に続いて、3年連続総合1位を獲得しました。「楽天市場」で人気の高いアイテムであるカラーコンタクトレンズの「レヴィア ワンデー カラー」や「エバーカラーワンデーナチュラル」がそれぞれ4位と6位にランクインしたほか、フェイスパックの「プリュ プラセンタ モイスチュアマスク」は、美容に関心の高い女性ユーザーから人気を集め、初めて上位10位にランクインしました。

また、「Nintendo Switch」や「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」などゲーム関連商品の売り上げは、2018年に引き続き好調で、クリスマスシーズンに向けてさらに人気が高まると予想されます。さらに、2019年10月の消費税増税前にネットで日用品をまとめ買いをするユーザーがいたことが背景のひとつとなり、おむつの「パンパース」(2位)やコンタクトレンズの「メダリストワンデープラス」(5位)が、上位にランクインしています。

楽天ブックス「2019年 年間ランキング」

楽天ブックス「2019年 年間ランキング」

1位
CD 5×20 All the BEST!! 1999-2019 / 嵐

2位
DVD 5×20 All the BEST!! CLIPS 1999-2019 / 嵐

3位
CD BRAVE / 嵐

4位
CD King & Prince / King & Prince

5位
ゲーム Nintendo Switch Joy-Con

6位 
CD koi-wazurai / King & Prince

7位
CD タイトル未定 / SixTONES vs Snow Man

8位
CD 君を待ってる / King & Prince

9位
CD 馬と鹿 / 米津玄師

10位
コミック ONE PIECE 92 / 尾田 栄一郎

・集計期間: 2019年1月1日~2019年5月31日
・集計方法: 「楽天ブックス」内の販売数をもとに独自の算出方法で集計


◆楽天による考察

今年1月に活動休止を宣言した嵐の作品がトップ3を独占しました。1位『5×20 All the BEST!! 1999-2019』、2位『5×20 All the BEST!! CLIPS 1999-2019』は結成20周年を記念したベストアルバムとビデオ・クリップ集、3位の通算57枚目のニューシングル『BRAVE』は日本テレビ系「ラグビーワールドカップ2019」のイメージソングに起用されました。

4、6、8位には、同じくジャニーズ事務所所属の若手アーティストであるKing & Princeの『King & Prince』、『koi-wazurai』、『君を待ってる』がランクイン。さらに、今年10月に同事務所所属のアーティストとして、史上初の2グループ同時デビューが発表されたばかりのSixTONESとSnow Manの連名デビューシングルが予約開始直後から爆発的に売り上げを伸ばして、7位となりました。

2019年年間ランキングは、平成の時代から活躍し続ける嵐と、令和の時代をけん引する若手アーティストが名を連ね、ジャニーズ人気が顕著に表れた結果となりました。

楽天Kobo「電子書籍2019年 年間ランキング」

1位
キングダム / 原泰久 / 集英社

2位
鬼滅の刃 / 吾峠呼世晴 / 集英社

3位
ONE PIECE モノクロ版 / 尾田栄一郎 / 集英社

4位
進撃の巨人 attack on titan / 諫山創 / 講談社

5位
約束のネバーランド / 白井カイウ,出水ぽすか / 集英社

6位
ザ・ファブル / 南勝久 / 講談社

7位
ゴールデンカムイ / 野田サトル / 集英社

8位
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ / 赤坂アカ / 集英社

9位
ハイキュー!! / 古舘春一 / 集英社

10位
五等分の花嫁 / 春場ねぎ / 講談社

・集計期間: 2019年1月1日~2019年10月31日
・集計方法: 楽天Kobo電子書籍ストアの購入数を基にシリーズ別に集計

◆楽天による考察

『キングダム』は数年にわたり、ランキング上位の常連となっていますが、2019年4月に実写映画が公開され、新刊だけではなく既刊も大きく動いたことで、2019年年間ランキングでも1位という結果となりました。

2位『鬼滅の刃』は、愛する家族が鬼に襲われるという苛烈な運命を背負いながら、異形の者と戦う少年・竈門炭治郎(かまどたんじろう)と、彼の所属する組織「鬼殺隊」が活躍する和風ダークファンタジー。2019年4月~9月に放送されたアニメ版を機に躍進しました。

また、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』は2019年9月に実写映画が公開され、人気が急上昇しました。今年は、特にアニメ化や実写化された作品が、ランキング上位で存在感を見せる傾向を顕著に感じるランキングとなっています。

ラクマ「2019年 年間人気ブランドランキング」

1位 Nike
2位 Supreme
3位 CHANEL
4位 UNIQLO
5位 Adidas
6位 LOUIS VUITTON
7位 Nintendo Switch
8位 防弾少年団(BTS)
9位 iPhone
10位 Apple

・集計期間: 2019年1月1日~2019年10月31日
・集計方法: 「ラクマ」内の登録ブランド別取引数を基に集計

◆楽天による考察
 
1位は、前年の「2018年 年間人気ブランドランキング」で2位という結果だった「Nike」。オフィスカジュアルの浸透が進み、男女ともにスニーカーで通勤する人が増えたことに加え、他ブランドや著名人とのコラボによるレアスニーカーを、コレクションとして楽しむ人による取引で、昨年よりも取引数が増えたと考えられます。2位は、前回1位の「Supreme」で、とくに男性ユーザーの間で引き続き根強い人気を保っています。

ファッションブランド以外からのランクインは、前回の1ブランドから4ブランドに増え、7位「Nintendo Switch」や8位「防弾少年団(BTS)」など、エンタメ系アイテムが人気を得ました。また、前年に続き中古スマホ端末の取引が盛んに行われていることから、9位に「iPhone」がランクイン。10位の「Apple」では、iPhoneやiPadの端末に加え、イヤホンの取引も目立ちました。

※ Apple、iPad、iPhoneは、Apple Inc.の商標です。

楽天トラベル「2019年 国内旅行先人気上昇

楽天トラベル「2019年 国内旅行先人気上昇

順位/都道府県/前年同期比

1位 北海道 13.0%
2位 香川県 12.2%
3位 鳥取県 11.7%
4位 高知県 11.4%
5位 島根県 11.4%
6位 大阪府 11.1%
7位 岩手県 10.9%
8位 奈良県 10.8%
9位 兵庫県 10.5%
10位 千葉県 10.5%

・集計期間: 2018年11月1日~2019年10月31日(集計日:2019年10月17日)
・集計方法: 上記「集計期間」における楽天トラベル登録宿泊施設の
予約人泊数(=予約人数×泊数)を都道府県ごとに集計。

◆楽天による考察

前年同期比の伸び率が高い順にランキングした結果、年間を通じてレジャー需要が好調な北海道が1位となりました。エリア別でみると、スノーシーズン以外でも好調を維持した「ルスツ、ニセコ、倶知安」エリアが+23.0%と大きく伸び、前年に当時の天皇皇后両陛下のご訪問で注目された利尻島をはじめとする離島も人気を集めました。

2位の香川県は、瀬戸内海の島々で3年に一度開催される国際芸術祭のメイン会場となった小豆島・直島エリアが+19.2%と大きく伸長しました。さらに高松エリアは新規ホテルのオープンが相次ぎ、観光地としてのさらなる発展が期待されています。

3位の鳥取県は、「楽天トラベル 2018年 訪日旅行(インバウンド)人気上昇都道府県ランキング」ではトップとなり、国内外から注目を集めています。2019年4月には、鳥取県と楽天との間で包括連携協定を締結し、ITの利活用を通じた県外からの誘客促進にもさらに力を入れています。

Rakuten Music 「2019年 年間ランキング」 

1位 マリーゴールド あいみょん
2位 パプリカ Foorin
3位 HANABI Mr.Children
4位 今夜このまま あいみょん
5位 U.S.A. DA PUMP
6位 Pretender Official髭男dism
7位 打上花火 DAOKO×米津玄師
8位 さよならエレジー 菅田 将暉
9位 君はロックを聴かない あいみょん
10位 まちがいさがし 菅田 将暉

・集計期間: 2019年1月1日~2019年10月31日
・集計方法: 「Rakuten Music」の配信楽曲のユニーク再生数を算出

◆楽天による考察

女性ソロアーティストとして注目を集める、あいみょんの楽曲が上位10位中3曲を占め、人気の高さがうかがえました。とくに1位の『マリーゴールド』は、2018年7月の配信スタートから2019年以降も人気が継続し、2019年の月間ランキングでは1月から10月の10カ月連続で常に3位以内にランクインしています。

あいみょんは他にも上位100位中に10曲がランクインしており、幅広い層からの支持を得ています。また、今回10位中8曲が2019年以前の配信曲であり、プレイリスト再生・楽曲のマイページ登録などの機能を使い、最新曲のみならず過去の発表曲も遡って気軽に聴くことができるストリーミング配信ならではの結果となりました。

また、6位には2019年5月にリリースとなったOfficial髭男dismの『Pretender』がランクインしました。10月に配信を開始したメジャー1stアルバム『Traveler』にも収録され、さらに人気を集めた結果となりました。2019年は、嵐、安室奈美恵、小田和正、星野源など多くの人気アーティストのストリーミング配信が解禁され、音楽の楽しみ方がより広がった1年となりました。

ROOM 「2019年 ROOMユーザーが紹介して売れた商品ランキング」

ROOM 「2019年 ROOMユーザーが紹介して売れた商品ランキング」

順位/商品名/店舗名

1位
粉屋のパンケーキミックス / こだわり粉屋

2位
コスミックエンザイム / 酵素飲料(エンザイム)の専門店

3位
yukiさんコラボ スタイリスオニオン ビーズクッション / ハナロロ クッション・ソファの店

4位
フォンダシオン・ルイ・ヴィトン キャンバス・トートバッグ / MOTIF.

5位
アイリスオーヤマ KITCHEN CHEF( ダイヤモンドコートパン 12点セット) / キッチン・雑貨の店 ラクチーナ!

6位
フロアタイル(サンゲツ) / E-スタート

7位
Hinaさんコラボバックティヤードフーディー / Myu楽天市場店

8位
スパンデックス混紡スキニーコットンパンツ / DHOLIC【ディーホリック】

9位
こんにゃくラーメン / 低糖質・糖質制限の快適空間222

10位
3年おやこ日記 / 学研ステイフル 楽天市場店

・集計期間: 2018年10月1日~2019年9月30日
・集計方法: 「楽天市場」における、「ROOM」経由の販売金額や、販売件数などを基に独自集計

◆楽天による考察

「ROOM(ルーム)」は、「楽天市場」で購入したお気に入りの商品や、おすすめしたい商品、気になる商品などをシェアできるショッピングSNSです。 1位には、こだわり粉屋の「粉屋のパンケーキミックス」がランクインし、粉・砂糖・塩・ベーキングパウダーのみの原材料で素材自体の美味しさを重視している点で人気を集めました。

3位には「yukiさんコラボ スタイリスオニオン ビーズクッション」、6位に「フロアタイル(サンゲツ)」がランクインし、インテリア関連の商品も好評が目立つとともに、5位には「アイリスオーヤマKITCHEN CHEF( ダイヤモンドコートパン 12点セット)」がランクインするなど、日々の暮らしに役立つアイテムが人気を集めています。

また、3位の「yukiさんコラボ スタイリスオニオンビーズクッション」、7位の「Hinaさんコラボバックティヤードフーディー」など、ROOMユーザーとのコラボ商品に注目が集まる結果となりました。

楽天と楽天市場の今後にも注目

今年も巨大ECプラットフォーマーである楽天らしい年間ランキングとなったようだ。日用品では消費税値上げの影響もあってか、まとめ買いをするユーザーも多く、CDではジャニーズが安定の強さを見せ、リユースECでもラクマでは人気ブランドランキングでNikeが1位に返り咲いた。

こうした市場の動向を反映するのも集客力のある楽天ならではの集計結果とも言えるだろう。同時に世界のECプラットフォーマー間での競争が熱を帯びる中、国内ではECサービスを提供するグループ同士の統合に向けた交渉も進んでおり、それを受けた楽天と楽天市場の今後の展開にも注目と言えそうだ。


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