ECがもたらす新たな支援のカタチ “一点もの”に価値を与える『再入荷未定ショップ』がスタートへ

ECのミカタ編集部

「私たちは『社会障害』を攻略する」をミッションに活動する、⼀般社団法⼈ 障害攻略課(理事:澤⽥智洋)は、NPO法⼈ D-SHiPS32(代表:上原⼤祐)、⼀般社団法⼈Get In Touch(代表:東ちづる)、株式会社ヘラルボニー(代表取締役社⻑:松⽥崇弥)と4法人合同で、障害のある人が作り出す、一つひとつが違う商品を扱うオンラインストア『再入荷未定ショップ』を11/4(水)10:00に開設することを公表した。

再入荷未定ショップとは

再入荷未定ショップとは

福祉施設の商品との新たな出会いの場となる再入荷未定ショップは、二度と同じものを生み出せない、唯一無二の商品を取り扱う。「ものの『安定供給』が前提となっている時代において、『不安定供給』の面白さや素晴らしさを社会に提案していくお店」だとしている。一点のモノに向き合うからこそ、生産が不安定になり次いつ入荷するのかわからない、まさに逆転の発想で不安定供給の「価値」として捉え、社会に提案するのだ。

ECを通して活動への理解を広げる

ECを通して活動への理解を広げる東ちづる氏(⼀般社団法⼈Get In Touch|代表)

公表に際して4団体の代表より、次のようなメッセージが出されている。

澤⽥智洋氏(⼀般社団法⼈ 障害攻略課|理事)

障害のある人が、つくったものが好きだ。工房で、手作業で、独特の感性でつくられたものたちは、世界にひとつだけのものだからだ。なくしたり、壊したりしたら、二度と同じものは手に入らない。だからこそ愛おしい。ある日、ふと言葉が浮かんだ。「再入荷未定」。そう、商品の量産化や再入荷が当たり前の時代にあって、再入荷未定のものをつくりつづけている福祉の現場。その素晴らしさを、古くて新しいものづくりの在り方を、もっと多くの人に届けたいと思います。

東ちづる氏(⼀般社団法⼈Get In Touch|代表)

全国各地のアート活動をする福祉施設にお邪魔しています。素晴らしい作品、キュートでユニークなグッズに囲まれて、利用者さんも支援員さんも私たちもニコニコ。つい長居しちゃいます。「販路がない」「安定供給できない」「手が回らない」。こんな理由で、作品やグッズが知られていないのはもったいない!あの居心地の良さもシェアしたい!初めてのことで右往左往しますが、こうして皆んなで繋がれば何とかなるはずです!

松⽥崇弥氏(株式会社ヘラルボニー|代表取締役社⻑)

「納期が守れない」のではなく「納期を守る気がない」人たちがいる。いまの経済は、私たちが自分たちの都合のいいように、ルールを押し付けている。だからほんとうは「できる」ひとたちが「できない」とされてしまっている。納期アリよりも、納期ナシのほうが、買う側も、作る側も、実はきもちがいいんじゃないの。すこぶるカッコいい商品が生まれるんじゃないの。これはショップの皮をかぶった社会運動である。再入荷未定の名のもとに集ったキラリと光る銘品たちをご覧あれ。

上原⼤祐氏(NPO法⼈ D-SHiPS32|代表)

マスクプロジェクトで集まった4団体でまた新しく、そして素敵な活動が出来る事を嬉しく思います。「知る」から生まれる事がこの世の中には沢山あります。今回のプロジェクトはまだまだ皆さんが知らないとても素敵な作品を手にする機会、そして世の中には沢山の素敵な作家がいる事を知る機会です。いつ買えるか分からない。いつ届くか分からない。そんなワクワクを楽しみながら是非福祉の世界の「知る」を体験してみてください。

ECがもたらす新たな支援のカタチ

ECがもたらす新たな支援のカタチ

同ショップを開設する法人のひとつ、⼀般社団法⼈障害攻略課は、“私たちは、社会障害を攻略する。”をコンセプトに、2018年に発足した。障害を持っている人、その親、福祉関係者、クリエイター、地方自治体、など、多様なメンバーが集結している。同年にはUnited Arrowsと共同でオリジナルレーベル「041 Fashion」を発表。2019年には「特別支援学校の特別おもしろ祭」を開催するなど実績を重ねてきた。

ハンディキャップを持つ人にとってバリアフリーなシステムを築くことは、国や社会、そして個人に求められている課題だ。市場経済が発展するにつれて、大量生産・大量消費が進んできたが、その中でいかにしてそうしたハンディキャップを持つ人を支援していくかは、大きな課題で、福祉がその役割の一端を担うことになる。
支援の方法の一つに社会福祉法人などが運営する作業所もあり、そこで生み出された作品は、これまでもリアル店舗などで販売がなされてきた。

一方で、そうしたリアルでの販売の場は限られており、活動そのものへの理解や作品とそれを求める人をつなげる方法としてECが威力を発揮することになる。今回、新たに開設される「再入荷未定ショップ」は、まさにECを通して作品を送り出すものとなっており、高度消費社会だからこそ一点ものの価値に光を当て、社会に対して活動そのものへの理解をうながすことにもなりそうだ。


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