10Xと薬王堂が共同で「ドラッグストアDX推進プロジェクト」を展開 第一弾では薬王堂初のECが可能となるアプリを投入

ECのミカタ編集部

株式会社薬王堂と展開する株式会社10Xは、共同で「ドラッグストアDX推進プロジェクト」を開始することを公表した。

第一弾ではアプリ「P!ck and」を投入

株式会社薬王堂ホールディングス子会社の株式会社薬王堂(本社:岩手県紫波郡矢巾町、代表取締役社長執行役員:西郷 辰弘、以下薬王堂)とチェーンストアECの垂直立ち上げプラットフォーム「Stailer」を展開する株式会社10X(本社:東京都中央区、代表取締役CEO 矢本 真丈、以下10X)は共同で「ドラッグストアDX推進プロジェクト」を開始することを公表した。

第一弾となる今回は、薬王堂の商品をスマートフォンから注文し、店頭または店舗駐車場で車上受取(ドライブスルー受取)できるアプリ「P!ck and(ピックアンド)」を展開するという。これにより、今回、薬王堂では初となるネットでの商品注文が可能になる。

正式名称:「P!ck and(ピックアンド)」
開発元:10X, Inc.
対応OS:iOS、Android
開始日:2021年3月15日
利用料:無料

スマホで幅広いアイテムを注文でき、受け取りもスムーズ

スマホで幅広いアイテムを注文でき、受け取りもスムーズ

薬王堂「P!ck and」アプリは、薬王堂の商品をどこからでも注文でき、駐車場または店頭で受け取れるという。また自宅や職場など、どこからでも注文ができるので、スキマ時間を活用して買い物ができるとしている。

また、日用品や化粧品、食品、飲料などと幅広い品揃えのアイテムをワンストップで買い物可能で、医薬品のみならず、食品や日用雑貨など生活に必要な商品をまとめて購入することができる、重い商品を複数注文した場合でも、車上受取ならスタッフが車まで運んでくれる。

さらに受け取りは最短2時間後から。当日16時までの注文で21時まで受取でき、家族の急な体調不良などのときにも、非接触で注文から商品受取まで当日中に可能だ。3月より「岩手矢巾店」「盛岡向中野店」「紫波日詰店」「滝沢室小路店」で開始し、年内にも全店舗の展開を目指すとのことだ(注文につき220円[税込]のサービス利用料がかかる)。

店舗スタッフ向けアプリ

また、今回薬王堂は、10Xが提供するStailerに新たに追加された店舗スタッフ向けアプリも導入する。店舗スタッフ向けアプリは、スタッフが普段から使い慣れているスマートフォンで、「P!ck and」から注文が入った商品のピッキング・パッキング、顧客の来店管理・商品の受け渡し、在庫・商品情報の即時管理を行うことができる。また、既に店舗で使用しているスマートフォン端末で利用できるため、迅速・安価でオペレーション体制を構築することが可能だとしている。

購入者の自宅へのラストワンマイル配送も検討

公表に際して両社のキーパーソンからは次のようなコメントが出されている。

薬王堂 営業本部 DX推進室 マネジャー 西郷泰広 氏

「弊社は東北地方で店舗展開を続け、地域の皆様に支えられることで成長してきたドラッグストアです。東北地方の課題を誰よりも理解して誰よりも早く解決することは、弊社にとって重要なミッションの1つであり、今回の取り組みは非常に大きな意味をもつと捉えています。東北地方が世界に誇る『課題解決』先進地域となるべく、幅広い分野でオールスターが揃う10X様と共に挑戦していきます」

10X CEO 矢本真丈 氏

「私自身、東北出身ということもあり身近な存在だった薬王堂様とご一緒できることを嬉しく思います。人口が急激に減少する東北エリアにおいて、薬王堂様は地域のお買い物インフラたる強い社会的ビジョンや、このビジョンを実現しながらも継続的な利益を残すための不断の投資を実行されており、1人の起業家として大きなインスピレーションを受けました。Stailer初のドラッグストアのDXの取り組みを全力でご一緒させていただき、国内外に誇る事例を薬王堂様と推進できることを確信しております」

薬王堂は東北6県で小商圏バラエティ型コンビニエンス・ドラッグストア「薬王堂」321店舗を展開(※2021年2月時点)しており、2020年12月より自費による非接触のPCR検査サービスを開始するなど、ドラッグストアを起点に地域生活の利便性を図るため様々な取り組みを進めてきた。薬王堂が展開する東北地方は「少子高齢化」「人口減少」という課題先進地域だが、その中でも地域のインフラとしてのニーズに応える店舗展開を続けている。

また10Xは、コロナ禍で需要が高まるスーパー、ドラッグストアなど日用品購入のデジタル化が今後の日本に最重要な社会インフラと捉え、昨年5月よりチェーンストアECの垂直立ち上げプラットフォーム「Stailer」の提供を開始。6月には株式会社イトーヨーカ堂と共同で業界初となるネットスーパーアプリの本格運用を開始するなど、小売業各社との提携を進めてきた。

両社の課題意識や顧客に提供すべきサービスへのビジョンが一致したことから、今回、人口減少などにより今後コンビニやスーパーの撤退が進むことが予想される課題先進地域において、薬王堂と10Xが協業し生活者の利便性を確保するためのモデルケース作りに取り組む「ドラッグストアDX推進プロジェクト」を開始することとなったのだ。

さらに今後に向けては、「ドラッグストアDX推進プロジェクト」の一貫として、年内の「P!ck and」全店舗展開や、購入者の自宅までのラストワンマイル配送や、事業所での受取等も検討していくとしており、これからの展開にも注目となりそうだ。

ECのミカタ通信20号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事