BEENOSが2021年上半期“越境ECランキング”を発表

ECのミカタ編集部

BEENOS株式会社(東証一部 3328、本社:東京都品川区、代表取締役:直井 聖太、以下BEENOS))は、2021年上半期の越境ECの消費動向を振り返る「BEENOS 2021年上半期 越境ECランキング」を公表した。

2つのランキングを発表

12年以上にわたり越境EC事業を展開してきたBEENOSグループは、2,500以上の国内ECサイトの海外販売をサポートしている。「BEENOS 2021年上半期 越境ECランキング」では、越境EC 流通総額トップクラスのBEENOSグループの購買データより、日本から海外に売れている商品の網羅的な消費傾向を表す「二大ジャンル」、より詳細な人気商品がわかる「商品別ランキング」の2種類が発表された。

BEENOS 2021年上半期越境EC二大ジャンル

BEENOS 2021年上半期越境EC二大ジャンル

「BEENOS 2021年上半期 越境EC二大ジャンル」は、日本企業と海外の顧客をつなぐ越境EC代理購入サービス「Buyee」の購買データに基づき抽出された日本発、世界で売れている代表的な商品ジャンルだ。

2021年上半期の二大ジャンルには、「ホビー」、「ファッション」が選ばれた。国民的人気アニメの世界的ヒット、トレーディングカードが海外でも数千万単位で取引されるなど、日本のコンテンツを「推す」世界のファンからの熱い想いが消費に表れた2021年上半期となった。

趣味性の高いロングテール商材は世界中の顧客にリーチできる越境ECにおいて需要が高くなる傾向があるため、「ホビー」商品は越境ECと相性が良く、流通に結び付きやすいジャンルだ。

特に2021年上半期は、世界中から熱視線を浴びるトレーディングカードの需要が高まり、特典カードが入った限定商品が人気を集め、クリエイターによる創作の総合マーケット「BOOTH」では世界的にも有名なVTuberのグッズが好調となった。日本のコンテンツと希少性の掛け合わせがファンの熱気と流通を生み出したとしている。

また、日本のアパレルブランドの品質とこだわりのデザインは海外でも評価され、人気を集めている。特に、ストリートファッションブランド、日本のデザイナーズブランドが海外から熱い支持を得ました。日本発のリユース品は状態の良さから世界的にも需要が高く、限定スニーカーやラグジュアリーブランドのアイテムが人気だ。「ファッション」分野においても希少性の高いロングテール商品の需要が高いことがわかる。

そして2021年上半期に日本で活発になったのが「推し活」だ。好きなアーティストやアイドルを応援する活動で、コロナ禍でリアルなライブの機会が少ない中でも、オンラインでのコンテンツ視聴や関連グッズの購入、「推しグラス」「推しカチューシャ」などの応援グッズ作りも流行した。この「推し活」は海外にも広がり、日本のアニメやゲーム、VTuber といった自分の「推し」を応援するファンの熱い気持ちが流通に結びついた。

理由として、ステイホームにより日本のコンテンツに接する時間が増えファンの層が広がったこと、新型コロナウィルスの感染拡大の影響によりDXが急速に進み、コンテンツを通じてボーダレスに世界のファンがつながり、コミュニティ内の熱狂が消費を動かしたことを挙げている。

BEENOS 2021年上半期 越境EC商品別ランキング

BEENOS 2021年上半期 越境EC商品別ランキング

「BEENOS 2021年上半期 越境EC商品別ランキング」も「Buyee」の購買データに基づき抽出された日本発、世界で売れている商品のランキングだ。1位には、刃物のまちとして知られる関の「パンフラワー用ハサミ」(やおき工業株式会社)がランクインした。

繊細な刃先が特徴で、用途はパンフラワー(小麦粉の粘土細工)用、刺繍用、化粧用のため、コロナ禍のおうち時間で手芸などに活用されていることが見て取れる。2位に入ったのは「軽量用防振ゴムKXBシリーズ」(倉敷化工株式会社)で、小型ポンプ、ファン、モーターなどの防振・除振に使用されるパーツだ。防振ゴム専門メーカーこだわりの「ものづくり」が海外からも厚い支持を集めている。

3位と5位には越境ECで、強いジャンルである「ホビー・カルチャー」商品が並びました。3位の「ホットウィール ニッサン シルビア(S15)」(マテル・インターナショナル株式会社)は世界が誇るスポーツカーのダイキャストで、巣ごもりで高まるコレクション熱を反映したものだとしている。

5位には釣り具「ASA015ハゲ皮サビキ」(株式会社浜田商会)が入り、ソーシャルディスタンスを保てるアウトドアの世界的な人気を象徴した結果となった。6位の「マンダム ホールドジェル ウェット&ハード」(株式会社マンダム)は、ハードタイプのヘアジェルだ。

長年愛される日本企業の定番商品がランクインした。同じく6位には「JKM 買い物フック」(株式会社オートバックスセブン)がランクインした。おうち時間が長くなり食料品や日用品をまとめ買いする今、心強い味方となる商品となっている。

4位、8位には食品関係がランキング入りし、海外でもおうちごはんにこだわっている様子がうかがえる。4位の「日清 スーパーカメリヤ ドライイースト(お徳用)」(日清フーズ株式会社)は、世界的なステイホームで需要が高まっているドライイーストで、海外でもパン作りやお菓子作りで在宅時間を充実させているようだ。

8位「業務用パリッジュ~から揚げ粉」(昭和産業株式会社)は、衣はパリッと、具材はジューシーに揚がるしっかりとした味付けが特長のから揚げ粉で、日本でもコロナ禍のテイクアウトで注目されるから揚げが、海外でも人気を集めている。

9位には、藍染めや草木染など染色に最適な布「綿シャーチング・オフホワイト精練済み」(株式会社猪商店)が入った。海外でもハンカチや小物を手作りして、好みの色に染め、おうち時間を楽しんでいることがうかがえる。10位には「豆皿 7.5cm 淡ピンク 和食器」(株式会社あづま商店)がランキング入りした。

アフターコロナ下での売れ筋を見据える

公表に際して同社では次のように述べている。

「越境ECの大きな消費傾向として『ホビー』や『ファッション』など希少性の高いロングテール商品が人気を集める中、商品別ランキングでは定番商品がランクインするなどインバウンド需要のオンライン化、手芸用品や食料品が売れたことからおうち時間の充実といった新型コロナウィルスの影響による消費傾向が継続して表れたのが2021年上半期でした。2021年下半期には、世界各国のワクチン接種が進み、いよいよアフターコロナの世界が訪れ、その影響が今後の越境ECの消費動向にも表れることが想定されます」

新型コロナウィルスによる影響で観光業、インバウンド消費が打撃を受ける一方で、越境ECは拡大しており、BEENOSの海外代理購入サービス「Buyee」の2021年第2四半期の流通総額は前年同期比+45.6%と大きく伸長した。中国やASEAN諸国など多くの国からの受注が伸びる中、特にアメリカでの流通は前年同期比+119%と大幅に拡大している。

そうした中で同社は、海外の消費を取り込むために、オンラインとリアルの併用は有効策と考え、BEENOSは、流通額が大幅に伸長した2021年上半期の海外の消費傾向をジャンル別・商品別で発表することにより、日本企業が「海外に挑戦」するための一助となることを目指すとしており、これからもトレンドがリアルに反映されたランキングの公表に期待したい。

ECのミカタ通信21号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事