ザ・リアルリアル  高級ブランド中古品のECが日本上陸

高級ブランドの中古品を期間限定でネット販売する米ザ・リアルリアルはこのほど、日本版の通販サイトを本格始動し、日本市場に参入した。同社が運営する「ザ・リアルリアル」は、高級ブランドのリセール品を手頃な価格で購入できるのに加え、不用になったブランド品を同社に預けて販売できるマーケットプレイスとして米国で急成長している。電話一本で自宅まで中古品を引き取りに行くサービスなどを強みに、日本でも存在感を高めることができるか注目される。

日本展開に当たっては、元グルーポン・ジャパン代表の瀬戸恵介氏をCEOに招へいして日本法人、ザ・リアルリアルを設立。通販サイトは8月26日に開設した。

サービスの特徴は2011年6月に始動した米国と同様、個人やリサイクルショップなどの法人からブランド品を預かって、商品の鑑定から写真撮影、値付け、サイト掲載、保管・発送、決済までを一貫して請け負い、商品が売れれば委託者に販売価格の60%を支払う(法人は最大70%)仕組みだ。

サイトの掲載商品は鑑定士が査定した上で出品するため、正規品であることはもちろん、未使用品や状態が良い商品を厳選。靴や服、バッグ、時計、貴金属、小物まで高級ブランドの商品に限定してフラッシュセールの手法で販売する。

セール自体は「シャネル」「エルメス」などのブランド切りに加え、同社スタイリストがトレンドやシーズンなどを考慮した企画物も実施する。高級ブランドを扱うため、トップページや商品詳細ページのビジュアルにもこだわる。

同社では、「品ぞろえやビジュアルも含めて快適な買い物環境が整っていれば高級ブランドの中古品を買いたい消費者は多いし、手間なく商品を出品できれば手持ちのブランド品を売りたい消費者も多い」(ジュリー・ウェインライトCEO)とし、サービスとしての使い勝手やサイトの見栄えも重視する。

一環として、電話1本で消費者の自宅に訪問して中古品を預かる「ホワイトグローブサービス」を展開。委託者の利便性を高めるほか、ウェブだけではリーチできない消費者の囲い込みにつなげる狙い。

先行する米国では、主要16都市で同サービスを実施。この1年間で新規客を100万人以上獲得し、現在の会員数は130万人に上る。

月間サイト訪問者数は150万人で、購入者は30~55歳の働く女性が中心。購入者のリピート率は60%と高く、1人当たりの年間購入回数は7回、年間平均購入金額は20万円。また、商品委託者の60%が"購入者"でもあるのが特徴だ。

米社では13年度の取扱高を前年比4~5倍となる50~60億円を見込んでおり、日本でも2年後をメドに同様の成長を期待しているという。

日本ではサービス開始から1カ月強が経過。開設当初は新規セールを週3日のペースでスタートしていたが、10月1日からは月曜~土曜までの週6日に倍増している。

また、「ホワイトグローブサービス」は関東と名古屋で行っているが、年内には東名阪と九州、北海道に広げ、その後、東北や中国・四国エリアをカバーしたい意向で、消費者が利用しやすい環境の整備を急ぐ。