【最新レポート】ギフトの回数減も単価向上、EC利用も浸透

ECのミカタ編集部

ギフトモール・オンラインギフト総研は、コロナ禍におけるギフト利用の実態を探るため、2020年8月~2021年8月のギフト購入事情について、全国20代~50代の男女、合計2,400人を対象に調査を行い、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

単価が7,759円へと上昇

単価が7,759円へと上昇

一年間のギフトの購入回数について比較すると、前回(2019年8月~)は7.66回だったのに対し、今回(2020年8月~)は5.89回と減少し、前回の約4分の3に減った。同様に、一年間で購入したギフトの総額を比べると、前回は5 万6,298 円だったのに対し、今回は4万5,702円と前回8割ほどに減少した。

一方で、1回あたりのギフト購入金額(ギフト総額をギフト購入回数で割って算出)を見ると、前回が7,349円であったのに対し、今回は7,759円と上昇。ギフトを贈る回数が減った分、1回あたりのギフトにかける金額が増えているのではと分析している。

進むギフトのEC化

進むギフトのEC化

ギフトの購入場所を比較したところ、「(ギフト専門の)EC サイト」は前回21.6%から今回25.8%へ、「(ギフト専門以外の)EC サイト」は前回38.5%から今回46.6%へと、いずれも増加していた。コロナ禍でオンラインギフトの利用が増えていることを裏付ける結果だとしている。

一方で2020年8月以降のプレゼントの贈り方について見てみると、店頭購入した人の半数近く、オンラインで購入した人もおよそ3人に1人が「手渡し」で贈っていることがわかった。オンラインギフトサービスの利用が進む一方で、贈り方としては手渡しが根強いことがうかがえる。

さらに今後オンラインギフトとして贈りたい商品ジャンルを比較している。前回と比べて、今回はケーキ・スイーツ、グルメ、ジュース・ドリンク、お酒といった飲食物について、「とても購入したい」「どちらかといえば購入したい」と回答した人の合計は、いずれも増加した。

また、キッチン・食器、体験ギフト、おもちゃ・ゲーム・趣味グッズについても増加が見られた。なかでも、最も伸び率が大きかったのはペット用グッズで、母数は少ないながらも前回から120%以上に増えていた。一方で、バッグ・ファッション小物、アクセサリー、時計等は減少。外出自粛の影響で、まだしばらくは引き続き、おうち時間に向けたギフトが人気となることが予想できるとしている。

コロナ禍で消費者の行動も変化、コロナ後を見据える

調査を受けて、ギフトモール・オンラインギフト総研所長、小川安英氏は次のように分析している。

「今回の調査結果を受けて、コロナ禍で会いたい人たちに簡単に会えない状況が続いているなか、過去1年でのギフト購入の頻度や総額はコロナ前と比較して減少していることがわかりました。一方で、1回あたりの単価は増えていることから、贈る回数が減った分、普段より少し高価で良いギフトを選択しているという方もいるのではと推測できます。また、オンラインギフトサービスの利用が増えているとはいえ、受け渡しの手段としては依然として手渡しが多いこともわかりました。

今回のレポートには載せていませんが、家族や恋人など、一緒に住んでいたり、物理的に近くにいると推測される人たちへのギフトが堅調であるとうかがえるデータもあったことから、外出自粛により遠方の人たちや職場の同僚や友人などに会う機会が減ったことが、そのままギフト機会の減少につながっているのではと考えています。その意味では、外出機会が今後増加して、再び人と人が会う機会が増えれば、ギフトを贈る回数も増加すると予想できるでしょう」

同社も分析しているように、ギフト市場における消費者の行動も大きく変化しているようだ。特に対面での贈答の回数が減る一方で、単価が向上しているという傾向は顕著になっている。

また、コロナ後を見据えての対面での贈答の復活についても言及しているが、ワクチン2回接種を完了した人が、いまだ国民の約半数に留まっており、変異株の相次ぐ出現など、その先行きは必ずしも見晴らしの良いものとはなっていない。その上で、ECを通したギフト文化の浸透も、コロナ後を考える上では、取り得る道筋ともなってくるだろう。

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