日本ブランドがアジア市場で成功するためには?高まるアーンドメディア活用の重要性【ニールセンデジタル調査】

ECのミカタ編集部

視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタル株式会社(東京都港区、代表取締役社長 宮本淳)は、消費者の広告や情報に対する信頼度調査「ニールセン 広告信頼度調査2021 (Nielsen Trust in Advertising Study 2021)」をもとに、海外市場の消費者が信頼する広告、情報についての分析結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

国や地域よって変化するメディアへの信頼度

同社によれば、海外進出を行っている日本企業にとって、各市場でのコミュニケーションを成功させるには、その市場のメディア視聴状況や競合他社の広告出稿状況を把握した上でメディアプランを検討することが重要になるという。また様々な広告や情報に対する信頼度の違いを把握することも重要になるようだ。

新型コロナウイルスの感染が拡大し始めていた初期にはフェイクニュースが広まったことから、日本国内においてインターネット上の口コミに対する信頼度が低下した。このような広告や情報に対する消費者の信頼度は、市場によって異なるため、日本国内で成功したコミュニケーション施策が他市場でも成功するとは限らない。

近年デジタルメディアはすべての市場で利用が拡大しているが、その浸透スピードや、受け入れられ方は大きく異なる。そのため、日本のブランドが海外で成功するには、市場によって異なる広告や情報に対する意識も含めて把握した上で、戦略を立てていくことが求められるとしている。

韓国や香港はアーンドメディアへの信頼度が高い

韓国や香港を、インターネットが広く浸透した日本と似たメディア環境と理解して進出している日本ブランドも多いだろう。だが、広告や情報に対する意識は異なっているようだ。「ニールセン 広告信頼度調査 2021」によると、日本では「ブランドサイト」に対する信頼度が最も高いのに対して、韓国や香港では「友だちや家族からの勧め」が最も信頼されている。

また韓国では「インターネット上の消費者の口コミ」、香港では「インフルエンサーマーケティング」「ニュース記事などのコンテンツ」といったアーンドメディア上の情報がTop5にランクインしており、企業の広告が上位にランクインしている日本とは大きく異なっている(図表1)。

アジア・パシフィック全体で「インフルエンサーマーケティング」は、Z世代やミレニアル世代からの信頼度が高いなど、年代によっても信頼される広告や情報が異なるため、進出しようと考えている市場においてターゲットの信頼する情報を正確に把握することが重要になる。

信頼度の高い広告や情報は消費行動をうながす

消費者がその広告や情報を信頼しているということは、実際の購入などの行動を起こしやすくなることを意味する。韓国や香港で、信頼度の高かったアーンドメディア上の情報がきっかけで行動を起こした割合を見ると、どの情報も日本よりも高くなっており、より購入などの行動を起こすきっかけとなっていることがわかる。

特に「インフルエンサーマーケティング」は、韓国や香港では日本の2倍程度行動を起こすきっかけになっており、日本ではあまり活用していないブランドでも、アジア諸国でコミュニケーションをとっていく上では活用を検討する必要がある(図表2)。

カテゴリによって変わる信頼度

消費者が商品購入を検討する際に参考にする情報源は、その商品カテゴリによって異なるため、信頼する広告や情報も必然的にカテゴリによっても異なる。同じ「インフルエンサーマーケティング」でも、信頼度が高いカテゴリもあれば、信頼度が低いカテゴリもある。

「インフルエンサーマーケティング」に対する信頼度が高い香港でも、自動車とファッションで比べてみると、どの年代でもファッションカテゴリのほうが「インフルエンサーマーケティング」が信頼されている。

また、自動車カテゴリにおける年代別の特徴を見ると、ミレニアル世代では他の年代と比べて最も「インフルエンサーマーケティング」の効果が期待できそうだ(図表3)。

広告信頼度の把握が売上に直結

同社シニアアナリストの高木史朗氏は、次のように述べている。

「今回は一部の市場、一部のカテゴリを対象に分析しましたが、市場やカテゴリ、年代によって広告や情報に対する信頼度は異なります。各市場で消費者とのコミュニケーションを考える上でデジタルの活用が重要であることは広く理解されていますが、そこでどのような施策を選択して成功を収めるかは、広告信頼度を正確に把握しているかどうかに大きく左右されます。パンデミックは情報に対する信頼度にも影響を与えました。今、各市場でどのような広告、情報が信頼されているかを把握することは、これからのコミュニケーション戦略を立てていく上で非常に重要になるでしょう」

新型コロナウイルスによる感染拡大の影響は、デジタル分野において特に顕著だった。感染拡大当初、人々の不安を反映するように、SNS上には玉石混合の情報が入り乱れることとなった。こうした状況は、それまでの各地域でのSNSへの信頼度と複雑に反応し、今現在の市場動向を形作っていると言っても過言ではない。越境ECにおいてSNSプロモーションをはじめとしたアーンドメディア施策は、もはや必須の要素ともなっているが、こうした各地域の詳細な消費者マインドとアーンドメディアへの信頼度を把握することは売上にも直結することになりそうだ。

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