ECサイトに必要な離脱防止対策とは?原因から改善策まで解説!

ECのミカタ編集部

ECサイトに必要な離脱防止対策とは?原因から改善策まで解説!

「ECサイトの売上がなかなか伸びない」と頭を抱えている、ECサイトの運営担当者の方も多いのではないでしょうか?

ECサイトの売り上げを伸ばすには、「離脱率」というマーケティング指標に注目することはとても重要です。離脱率を追うことで、サイトに潜む問題点を特定し、伸び悩む売り上げを改善できるケースもあります。

そこで、この記事では、ECサイトの離脱率が高い原因と対策、そして離脱を防ぐツールについて解説していきます。

離脱率とは?

離脱率とは、ページが閲覧された回数に対し、離脱した割合をページごとに数値化したものです。「離脱」とは、ECサイトを訪れてから、別のサイトに移動したりブラウザを閉じるなど、そのサイトの閲覧をやめることを言います。

また、離脱率と間違いやすいのが「直帰率」です。直帰率は、ユーザーが最初に訪れたページだけを見て離脱した回数を数値化したもので、2ページ目に移動することなく離脱することを指します。「離脱率」と「直帰率」は、意味が混同されやすいため、しっかり理解しておきましょう。

離脱率を指標に置くべき理由


では、なぜ離脱率を追う必要があるのか解説していきます。離脱率の指標は、ユーザーの行動やページの改善に大きく関わる重要な指標です。この指標を使いこなすことができると、どのページがサイトの足枷になっているのか明確になり、離脱率が高くなる理由を検証することができます。「離脱率が低く、ページビュー数が多い」いわゆる「良いページ」へと改善するため、離脱率を追う必要があるのです。

ECサイトの離脱率の目安


ECサイトの「直帰率」が30〜40%が平均に対し、行動パターンの多い「離脱率」は平均値を算出することができません。なぜなら、一概に「離脱率が高い=ページが悪い」という判断ができないからです。

例えば、ECサイトで商品を購入し決済が完了した後は、次の行動がないためブラウザを閉じますし、別ページへの誘導(離脱)を目的とした記事もあります。そのため、競合など他サイトと比較するのではなく、自身のサイト内の平均値の推移を比較しながら分析するようにしましょう。また、離脱率を改善すべきページとして見分けるポイントは、次を参考にしてみてください。

コンバージョン前のページ
コンバージョン前のページで離脱率が高くなっているということは、単にコンバージョンを逃してしまっていることになります。なかなか「購入」や「問い合わせ」に結びつかない理由は、このページが足を引っ張っている可能性があります。

自然検索からのPV数が多いページ
自然検索からの流入が多いページで離脱率が高いということは、新規ユーザー獲得のチャンスを逃していることになります。コンテンツの内容をユーザーニーズを満たしたものへ改善することが必要です。

お問い合わせフォーム
お問い合わせフォームまでたどり着いたユーザーが、入力送信前に離脱しているということは、フォームに改善の余地があるということが分かります。「入力項目が多い」「個人情報などの入れたくない情報が必須項目」となっている場合が多いため、入力項目を見直す必要があります。

ユーザーがECサイトから離脱する原因と対策を解説

ECサイトにおいて、希望しないページの離脱率が高い場合は、すぐに原因を見つけて対策を取ることが重要です。しかし、その原因はさまざまあるため、原因に合った適切な対応が求められます。続いては、ユーザーがECサイトから離脱する原因と離脱を防ぐ対策について解説していきます。


ログインの失敗


ログインができないことで、購入やお問い合わせプロセスまで進めず、そのまま離脱してしまうパターンが考えられます。その場合は、ログイン失敗後に適切な導線を表示することで、離脱率を下げることが可能です。

ページが見づらい


ページの見づらさは、PCかスマートフォンであるかでも変わってきます。最近では、スマートフォンでECサイトを閲覧する人が増えているため、スマートフォンに対応していないサイトであれば早急に改善が必要です。他にも、知りたい情報がすぐに得られるサイト構成にすることで、離脱を軽減することができます。商品の購入ボタンを大きく表示させるなど、コンバージョンを意識したデザインもおすすめです。知りたい情報がすぐ目に入るランディングページや、閲覧にストレスを感じさせないレイアウトを意識してみましょう。

入力項目数が多い


ECサイトでは、商品購入までに入力フィールドが多いと、購入完了前に離脱してしまうケースが多く見られます。例えば、「商品をカートに入れた後にアカウントを作成しなけらばならない」や「決済までに入力項目があり過ぎる」などです。商品購入までの手間をシンプルにすることで、その後リピーターを増やすことにも繋がるでしょう。

求めている情報がない


離脱率や直帰率が高くなる最も多くの原因が、ユーザーの検索目的を満たす情報がないケースです。ユーザーの知りたい情報がないということは、ターゲット設定が甘く「なぜこのキーワードで検索したのか?」という行動パターンを分析できていないことが考えられます。そのような場合は、検索ボリュームが分かるツールを使用し、どのようなニーズに関心があるのかを調査することが必要です。コンテンツ内容を充実させて、ユーザーのニーズとマッチさせるページを意識しましょう。

ページの表示速度が遅い


ユーザー自身の通信速度が問題の場合も考えられますが、ページ速度が遅いとユーザーの離脱率が高くなる傾向があります。表示させる容量を小さくして「なかなか表示されなくてイライラする」「待ち時間が長いから別のサイトを見よう」ということがないように、ページの表示速度を改善しましょう。また、そのような場合は、サイトのページ速度を改善するツールを使うこともおすすめです。ページ速度の測定だけでなく、改善が必要な項目をリストアップしてくれるツールもあるため、専門的な知識がない初心者でも使いやすいツールを選ぶと良いでしょう。

追加料金の発生


できるだけ安くお得に良い商品を購入したいというのがユーザーのニーズです。そのため、商品をカートへ入れた後に発生する「送料」や「手数料」に抵抗を感じ、離脱してしまうケースもあります。出来る限り、送料や手数料のコストを抑える努力をした上で、あらかじめ追加料金について告知しておくことで、離脱を防止することができます。また、ポイント付与や、送料込みの値段で販売するのもおすすめです。

決済手段が少ない


ユーザーが希望する決済手段がない場合の離脱率も高くなります。ECサイトを利用するユーザーは、クレジット決済を選択する場合が多い傾向にありますが、すべての人がそうとは限りません。代引きや銀行振込を希望するユーザーのニーズに応えられず、離脱してしまうことも考えられるため、クレジットカードをはじめ、コンビニ決済、代引き、その他キャッシュレス決済など、できるだけ多くの決済手段を導入し、機会損失を減らしていきましょう。

ECサイトの離脱を防ぐ「Web接客ツール」とは?

実店舗では、スタッフがユーザーの行動を観察しながら、そのユーザーが何を探しているのか、何に疑問を持っているのかを判断して接客を行っていきます。しかし、ECサイト上ではユーザーの様子を見ることはできません。その際に役立つのが「Web接客ツール」です。

Web接客ツールとは


Web接客ツールとは、オンライン上でユーザーの行動を分析し、リアルタイムでクーポンやチャットなどのポップアップを表示させることで、個別に最適なアプローチを行うことができるツールです。実店舗でスタッフが行う声掛けなどの接客を、オンライン上で行うことから「Web接客ツール」と呼ばれています。

Web接客ツールはどんな機能があるの?


Web接客ツールは、「ポップアップ型」と「チャット型」の大きく分けて2つのタイプに分けられます。

「ポップアップ型」とは、事前に表示条件を設定しておき、ECサイトを訪問したユーザーの中で、その設定条件を満たしたユーザーに対して、ポップアップウィンドウを表示させるツールです。適切なタイミングでクーポンや広告などの案内を表示させることで、購入の後押しとなる効果が期待できます。

「チャット型」は、ECサイトを訪問しているユーザーとリアルタイムで会話をすることが目的のツールです。チャットウィンドウから気軽に、質問や疑問などを問い合わせすることができるため、離脱の抑止やコンバージョン率の向上が期待できます。チャットの対応は、実際のオペレーターが対応するものと、AIを使用した半自動システムのタイプがあり、必要に応じてオペレーターが対応する仕組みとなっているものが多いです。

Web接客ツールの選び方とポイント


ツールを選ぶ際に重要なポイントは、自身のECサイトがどのような課題を持ち「その課題を解決できる機能が備わっているか」という視点で評価することが重要です。同時に、ツール導入にかかるコストや、ツールの使いやすさも重要なポイントとなります。仮に接客ツールを導入しても、それを使いこなせる人材がいなければ、宝の持ち腐れとなってしまいます。そのような場合は、サポート体制が整っているツールを選ぶと良いでしょう。

ECサイトのコンバージョン率を高めたいのであれば、ポップアップ型がおすすめです。購入を迷っているユーザーに対して適切なタイミングで、割引クーポンを配布することができるので、購入を迷っているユーザーに対して、後押しをすることができます。

ECサイトで見るべき!離脱率以外の指標は?

離脱率以外にも、ECサイトで見るべき指標はたくさんあります。より多くのコンバージョンに繋げるため、さまざまな指標に注目してサイト改善の参考にしてみてください。

ページビュー数(PV)


ページビュー(PV)数とは、ECサイトのページが見られた回数で、同じユーザーがページを繰り返し見た場合もカウントされるのが特徴です。ページビュー(PV)数は、アクセス解析ツールで見ることができ、セッション数と混同しがちになるので注意してください。

セッション数


セッション数とは、ECサイトへの訪問回数です。ユーザーがECサイトを訪問し離脱するまでを1セッションとカウントします。しかし、例外もあり、日付が変更したり、別のページへ切り替わるまでに30分以上経過してしまうと、別セッションとカウントされるため注意が必要です。

ユニークユーザー数


ユニークユーザー(UU)とは、決まった集計期間内にサイトを訪問したユーザーの数を指す値です。例えば、集計期間内に同じECサイトに同じユーザーが何度訪問したとしても、この場合のユニークユーザーは1としてカウントされます。同じユーザーからのセッションが複数回あったとしても、重複してカウントされることはありません。ユニークユーザー(UU)は、自身のECサイトに興味を持つ人がどれだけいるかが分かる指標となります。

直帰率


直帰数や直帰率は、ユーザーが最初に訪れたページだけを見て離脱した回数をカウントしたものです。ページの閲覧数に対して、最初のページから離脱した割合が直帰率になります。
直帰率が高い場合は、ユーザーとの間にミスマッチが起こっている可能性が高いため、ページ内容の改善を行い、ユーザーが得たい情報をしっかり載せることに注力しましょう、

回遊率


回遊率は、ECサイトの訪問数に対するPV数を値であらわしたものです。1回の訪問で、どのくらいのページが閲覧されたか分かるため、回遊率が高いほど魅力的なECサイトだと言えます。しかし、一方で、ユーザーがサイト内で迷子になっている可能性も否定できません。課題を解決できる情報が見つからず、迷っているという場合もあるため注意が必要です。

コンバージョン率


コンバージョン率(CVR)とは、目的としている成果が達成された割合を値であらわしたものです。コンバージョン率が高いページほど、ユーザーに対して満足度の高い訴求ができるということになります。逆に、コンバージョン率が低いということは、ユーザーの目的を満たせておらず離脱に繋がっている可能性が高いということです。コンバージョン率は、ECサイトの目標を設定する上で必須となる指標となります。

まとめ

いかがでしたか?離脱率が高い原因や防止策について解説してきました。離脱率をはじめとする指標をうまく活用することで、ECサイトの問題点を明確にすることができます。その中でも「離脱率」は、ユーザーが理想の導線でコンバージョンまで辿り着いているのか見るための大事な指標です。常にユーザー目線に立ち、使いやすいサイト構成を意識してECサイト運営を行っていきましょう。


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