越境ECを利用する海外消費者の6割以上が「円安後に越境ECの利用増」、購入商品は「エンタメ関連」「ファッション」「リユース品」

ECのミカタ編集部

BEENOS株式会社(東証プライム:3328)の連結子会社で、越境ECおよびジャパニーズコンテンツの海外進出をサポートするBeeCruise株式会社は、同じく連結子会社であるtenso株式会社が運営する海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」、タグ設置のみで海外販売可能な「Buyee Connect」を利用している海外消費者約1,900名(アメリカ、台湾、マレーシア、イギリス)に「越境ECの利用意向」に関するアンケートを実施。その結果を公表した。

約6割が月1回以上越境ECを利用

  約6割が月1回以上越境ECを利用

「日本の越境ECを利用する頻度を教えてください」という質問に対しては、全体の56%以上が「月に1回以上」利用すると回答。また、「月に5回以上」利用するユーザーも全体で18%以上となっており、特にマレーシアが25%と高い割合を示した。

海外では越境ECは特別な買い物ではなく、日常生活に定着していることがうかがえる結果となった。

6割以上が「円安後に利用増」、台湾では73%以上が利用増加

6割以上が「円安後に利用増」、台湾では73%以上が利用増加

「円安によって、日本の越境ECで購入する頻度や1回あたりの使用金額は変化がありましたか?」という質問には、「利用金額と利用頻度のどちらか、あるいは両方が増えたと」と回答した人が全体で63%以上を占めた。その中でも特に多かったのが台湾で73%以上にのぼった。

円安は米ドルだけでない各国通貨でも進んでおり、日本の商品が買いやすくなっていることを示す結果となった。

日本製品の情報源はTwitterやFacebookなどSNS

日本製品の情報源はTwitterやFacebookなどSNS

「日本の製品を購入する際に、参考にしている情報があれば教えてください」(単一回答)という質問に対してアメリカ(29.9%)、台湾(19%)、イギリス(18.9%)はTwitter、マレーシア(35.4%)はFacebookが最も多い結果となった。

一方、自国のニュースなどを参考にしている人は少なく、Twitter、Facebook、YouTubeといった世界共通のプラットフォームから日本の情報を得ていることがわかる。SNSなどのボーダーレスなファンコミュニティによって、ヒットの時差は縮まり、世界のトレンドが相互に影響を与える「世界同時消費」が垣間見える結果となった。

購入する商品は「エンタメ関連」「ファッション」「リユース品」

購入する商品は「エンタメ関連」「ファッション」「リユース品」

「日本の越境ECで購入する商品を教えてください」(単一回答)という質問に対しては、「おもちゃ・ゲーム・アニメグッズ」が各エリアのトップとなり、特にアメリカでは54.9%を占めた。またアメリカ、イギリスでは「本・CD・DVD・エンタメ」が2位となり、日本のコンテンツの強さが表れる結果となった。

アジア圏の2位は台湾は「ファッション」、マレーシアは「リユース品」と、体格や生活様式における日本との親和性が表れている。

「Buyee」ではおもちゃ・ゲームといったエンタメやファッションの流通額が大きく、2大ジャンルとなっている。また、オークションサイトやフリマサイトとも連携しており、一般流通では入手しづらいリユース品も海外ユーザーから高い人気を得ている。

※アメリカ、マレーシア、イギリスに関しては設問に「日用品・文房具・DIY工具」の選択肢がないため、パーセンテージは未記

56%が「訪日時のショッピングでECも活用したい」

今年6月に条件付きで再開されたインバウンドに関連して「訪日時のお買い物の際に、店頭での購入だけでなく、ECも活用したいですか?」という質問では、全体の56%以上が「ECも活用したい」と回答。インバウンド再開後のOMOが求められる結果となった。

「訪日後のリピート買いでの越境EC利用意向」は92%以上

「訪日後、越境ECで気に入った商品などをリピート買いしたいですか?」という質問に対しては、全体の92%以上が「リピート買いしたい」と回答。

デジタル化が進み、従来はインバウンドで購入していた商品の多くがオンラインで購入でき、自宅で受け取ることが可能になっている。越境ECの利便性の高さに魅力を感じ、継続の意思が高いことがわかる結果となった。

越境EC市場、2026年に4兆8,200億ドルに拡大の見込み

本調査における「訪日時のショッピングでのEC活用意向の高さ」「訪日後の越境ECでのリピート購入の意向の高さ」から、今後も越境ECでの流通伸長が期待される。

経済産業省の「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」で紹介されているFacts & Factors.の発表データでは、越境EC市場は将来的にも拡大がの見通しで、世界の越境EC市場規模は2026年には2019年の7,800億USドルの6倍以上である4兆8,200億USドルにも達すると見込まれている。本格的なインバウンド解禁後も、引き続き越境ECには大きなチャンスが眠っていそうだ。

ECのミカタ通信23号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事