SGホールディングスの「赤字」、ロジティクス事業が大きく影響 ホリデーシーズンに向け施策必要か 【2024年3月期第1四半期決算説明会】

ECのミカタ編集部

SGホールディングス株式会社では、2023年7月28日、2024年3月第1四半期の決算説明会を開催した。

連結業績の営業収益、営業利益ともにマイナスの結果に

SGホールディングス株式会社が7月28日に発表した資料によると、2024年3月期第1四半期は、営業収益は3185億円(前年同期比82.3%)、営業利益は188億円(前年同期比56.6%)と、前年同期に比べマイナスの結果となった。

セグメント別業績については、EC事業者に関連のあるデリバリー事業・ロジスティクス事業を中心に見ていく。

SGホールディングス株式会社『2024年3月期第1四半期決算説明資料』

デリバリー事業、家計消費支出の弱まり等で取扱個数の減少へ

デリバリー事業の営業収益は2519億円(前年同期差マイナス65億円)、営業利益は171億円(前年同期差マイナス48億円)と減少している。

宅配便の取扱個数は、昨年11月中旬以降の経済的な環境悪化からの荷動きの鈍化から想定よりもやや下回る水準となったという。平均単価については2023年4月に行われた届出運賃の改定(※)や取引ごとの適正運賃収受の取組により前年同期比100.5%と上昇している。BtoCにおいて小さいサイズの荷物割合が増加したことを平均単価を押し下げた要因としつつも、「全体として概ね計画通りの水準」との見解。

今後取扱個数に関しては賃上げ効果やインバウンド需要による回復。平均単価については引き続き適正運賃収受の取組による上昇等を見込んでいるため、デリバリー事業の当初予想は変更しないという。

※出典元:宅配便届出運賃等改定のお知らせ

ロジスティクス事業、エクスポランカ社の減収と粗利率低下で赤字に

ロジスティクス事業の営業収益は512億円(前年同期差マイナス628億円)、営業利益はマイナス11億円と大幅に減少した。営業赤字になった要因として、SGホールディングスはエクスポランカ社の減収と粗利率の低下と回答している。

エクスポランカ社とは、2014年5月にSGホールディングスが株式総数の51%以上を取得し、経営権を獲得した地場の大手物流企業。実績については、営業収益が244億円(前年同期差マイナス633億円)営業利益はマイナス20億円と大きく減少している。原因として取扱量は海上・陸上ともに当初計画を上回ったが、運賃は計画を下回ったことがあげられるという。

粗利率に関しては需給のバランスが緩む中でお客様へ価格交渉ができる状況ではなかったことが要因のようだ。今回の結果をうけて、今後も計画水準に達しないと判断しロジスティクス事業の営業利益を55億円下方修正としている。

ただエクスポランカ社については、現在、経済危機に陥っているスリランカの会社ゆえの影響もあるだろう。スリランカでは2022年7月に市民の抗議活動による政変で今の政権となりようやく1年を迎えたところだ。IMF=国際通貨基金が4年間でおよそ30億ドルの金融支援を行うほか、日本を含む債権国が返済条件の変更などを協議。それでも再建は始まったばかりで、高いインフレが続いている。

とはいえエクスポランカ社は主要取引レーンがアジア発アメリカ向けであること、ホリデーシーズンに向けて取扱量の増加が見込めることから今後の増収が期待できる。越境EC事業者も各国のホリデーシーズンに合わせて、今のうちから施策を考えておきたい。


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