コロワイドグループの「給食事業」拡大へ新たな物流スキームの運用開始 ヤマト運輸の「宅急便」ネットワークを活用

ECのミカタ編集部

コロワイドグループの「給食事業」拡大に向けて 持続可能な物流スキームの運用を開始

株式会社コロワイド(以下:コロワイド)とヤマト運輸株式会社(以下:ヤマト運輸)は2023年9月15日(金)より、コロワイドグループの「給食事業」拡大に向けて、ヤマト運輸の3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)物流ネットワークを活用した新たな物流スキームの運用を開始した。

安定した出荷・納品を実現

コロワイドとヤマト運輸が開始した、新しい物流スキームの概要については以下の通りとなる。

◆出荷キャパシティの拡大

ヤマト運輸の3温度帯(常温・冷蔵・冷凍)に対応したターミナル一体型物流施設と「宅急便」ネットワークを活用することで、拡大する「給食事業」でも多頻度小口配送による多様な輸配送ニーズへの対応と、安定した出荷・納品を実現。

◆持続可能なサプライチェーンの構築

積載量が少ないチャーター輸送から、「宅急便」ネットワークを活用した輸送に切り替えることで、輸送効率が向上し、輸送におけるGHG排出量の削減に寄与する。

◆納品時間の変更による給食提供先の生産性向上

食材の納品時間が、使用する当日の早朝(6-7時)から使用する前日の日中(14-16時)へ変わることで、比較的業務に余裕のある時間帯に食材の納品・検品が可能となる。

◆給食提供先スタッフの生産性向上イメージ

多様な輸配送ニーズへの対応を解決

コロワイドグループのマーチャンダイジングを統括する株式会社コロワイドMD(本社:神奈川県横浜市)とヤマト運輸は、外食産業を取り巻く事業環境の変化に対応した持続可能なサプライチェーンの構築に向け、2023年3月にリードロジスティクスパートナー協定を締結しており、今回の取り組みはその第一弾となる。

これまでコロワイドグループの「給食事業」における物流は、「外食事業」を中心としたサプライチェーンの中で展開してきた。しかし、「給食事業」と「外食事業」では、給食受託先や店舗への納品時間や頻度、場所などが異なるため、「給食事業」の拡大にあたっては、多様な輸配送ニーズへの対応が課題であった。

また、納品先によっては積載量が少ないチャーター輸送が必要になることもあり、今後トラックドライバー不足が深刻になる中、安定した輸送力の確保も懸念されていた。

こういった状況を背景として、サプライチェーン全体の最適化により、納品時間変更による給食提供先の生産性向上や、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を図るとしている。

◆サプライチェーンの全体像

持続可能なサプライチェーンの構築を目指す

今後の予定について、両社は以下のようにコメントしている。

「2024年3月までに、コロワイドグループの全ての給食提供先において、新しく構築した物流スキームへ切り替えを完了させます。今後、両社の知見やノウハウを生かし、『外食事業』におけるチャレンジ店舗、郊外店舗への物流効率化や、『個人向けEC』および『外販事業』の展開、今後さらに拡大が見込まれる『海外事業』など、『給食事業』だけに留まらない幅広い事業領域への展開を検討していきます。また、引き続きコロワイドグループのサプライチェーン全体の可視化・最適化を進めるとともに、ヤマト運輸の物流ネットワークを活用することで、持続可能なサプライチェーンの構築を目指します」。

コロワイドは、「給食事業」における食材などの出荷業務を、ヤマト運輸の3温度帯に対応したターミナル一体型物流施設へ順次移管。将来的な出荷キャパシティの拡大に対して、柔軟に対応できる出荷・納品体制の実現や、安定的な輸送力の確保によって、さらなる「給食事業」の拡大を目指すとしている。2024年を目前とした現在、両社の物流スキームの動向に注目すべきだ。


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