なぜセイノーグループが新たなポストイン配送「コニポス」を始めたのか?

ECのミカタ編集部

株式会社地区宅便(本社:東京都練馬区、セイノーホールディングス100%子会社、以下:地区宅便)が、2023年7月1日にサービス提供を開始した「コニポス」をご存じだろうか。1個120円(税抜・プレセールス価格)で各家庭のポストに小荷物を配送する同サービスが誕生した背景や活用法などを担当者に直撃した。

ラストワンマイル流通における課題に挑戦

「コニポス」は、地区宅便が提供する1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)限定のポストイン(ポスト配送)サービスだ。

そもそも地区宅便は1980年に設立され、長年メール便事業などを手がけ、独自の配送ネットワーク(環境負荷の低い、グリーン物流という徒歩や自転車を駆使した配送方法)を培っている。これをメール便だけでなく、ポスト投函可能な小荷物に広げたサービスが、「コニポス」だという。

出典元:株式会社地区宅便

地区宅便の担当者によれば、「コニポス」が取り組んでいるのは、メール便に特化した小荷物領域によってラストマンワイルの「人手不足」を含む社会課題の解決であり、さらに対象地域で活躍する約1万人の配達員の収入アップによる、持続可能なネットワークの提供だという。

ではサービス開始から8カ月が経過した現在、どのような事業者が活用しているのか。

「コニポスでは、リードタイムが約5日間となっています」(地区宅便担当者)

つまり、注文してすぐに届くことを期待される商品よりも、定期購入商品のほうが向いているということになる。

地区宅便でも「ECサイトでの定期購入商品(サプリメント、コンタクトレンズ、化粧品等)がマッチすると考えており、実際に複数社からご相談をいただいております。また、規定サイズが3辺合計60cm以内、重さ300gにマッチする商材が複数あるということで、ふるさと納税の運営会社とも現在商談進行中です」とのことだ。

自転車、徒歩配送を軸においたサービス設定

一般的にメール便は全国対象、重量1kg以内というサービスが多い中、「コニポス」は配送地域を現状1都3県+札幌10区(営業中)に限定、かつ重量の上限が500g(2024年4月1日〜)という特徴を持つ。

地域密着型かつ重量が他メール便と比べて軽い理由について、配送方法が徒歩や自転車であることが関係していると、地区宅便の担当者は話す。

「約1万人の配達員が日々稼働していますが、自転車での配達が78%と最も多くなっています。自転車となると、車に比べて乗せられる個数が限られるものの、“グリーン物流”という、徒歩や自転車を駆使した、二酸化炭素を排出しない配送網の構築ができます」(地区宅便担当者)。つまり「コニポス」であれば、同社が抱える約1万人の配達員と、独自のネットワークを最大限活かすことで、グリーン物流がさらに広がるわけだ。

出典元:株式会社地区宅便

また「コニポス」で送付される荷物は受取者が購入した商品であるため、紛失または破損した場合、原価又は売価(上限3000円)が補償される。加えて、配送中は独自開発のピーツーシステム内で個別追跡も可能になっているので安心だ。

一方、同じセイノーホールディングス株式会社内の西濃運輸株式会社も「カンガルーPostalメール便」を提供している。規定サイズは36cm×25cm×3cm以内、重量3kgまでとなっており、カタログやサンプル品の配送に優れているが、個別追跡には対応していない。こうしたことから、カタログなどのサンプル配送に優れた「カンガルーPostalメール便」、1点あたりの小回りがきく「コニポス」というすみ分けもできており、事業者としては選択しやすくなっている。

リードタイムより送料無料を重視するユーザーに

では今後、「コニポス」はどういった事業者に活用してもらいたいと考えているのか。あるいはどのようなサービス展開をしていきたいのか。

「リードタイムはかかるけれど、送料無料やお届け日を”いつでも”と考える事業者様やEC購入者に利用を頂きたいと考えています。2024年の物流問題に事業者側やプラットフォーム側が取り組むにあたり、購入者にポイントが付与されるなど、テストサービスとしてまずはご検討いただければ」(地区宅便担当者)

物流2024年問題に起因する送料無料の撤廃は、多くの消費者が求めていないことがアートトレーディング株式会社の調査で明らかとなっている(※)。リードタイムより送料無料を重視するユーザー、事業者にとっては重宝されそうだ。定期配送サービスの需要増、送料変更といった流れとともに利用事業者、ユーザー数の拡大が見込まれる「コニポス」の動向に引き続き注目したい。

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