スーツ市場は既製品からオーダースーツに オンワードグループが顧客分析結果を発表
株式会社オンワードパーソナルスタイル(以下:オンワードパーソナルスタイル)は、2024年度第1四半期の売上、及び、購入者数、スーツ平均単価、購入金額、売上構成比を通じた、オーダースーツ市場の動向分析を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
既製品からオーダースーツへ移行の流れ
“オーダーメイドの民主化”を目指し、価格は33000円(税込)からオーダーメイドスーツの商品を展開する「KASHIYAMA」は、若年層及び初めてオーダースーツを購入する顧客に向けた「学割」と「2buy20%OFF」のキャンペーンが好調。新規客獲得数は2023年度比で167%を達成した。
また、レディースシューズやレディース向けのカジュアルなスーツラインに注力したことから、女性のオフィススーツ需要にも対応し、女性客数も2023年度対比で136%と伸長した。
若年層や女性、既製品ユーザーがオーダーメイドスーツに移行している状況が読み取れるだろう。
※画像元:2024年度第1四半期顧客分析結果を発表(株式会社オンワードパーソナルスタイル)
クールビズアイテムが売上をけん引
オンワード樫山の紳士服を展開する「五大陸」では、リアル店舗売上において、2023年度比107%を達成。さらに、3~4月に製品を購入した顧客が5月に再来店するなど、既存顧客のリピート購入促進にも成功しており、既存客数2023年度比は115%と伸長した。
中でも、ポロシャツや夏物のジャケットなどのクールビズアイテムが売上を伸ばした。季節のトレンドを捉えたアイテムの販売によって、既存顧客に早いサイクルでの再来店を促し、顧客の定着化につなぐことができたと考えられるだろう。
※画像元:2024年度第1四半期顧客分析結果を発表(株式会社オンワードパーソナルスタイル)
トレンドを捉えたニーズに応える
新型コロナウイルスが5類移行となってから1年が経過した現在、オフィスウェアのカジュアル化・多様化が進む中、スーツ市場においては、既製品からオーダースーツへのニーズが高くなりつつある。
そのなかで、オンワードパーソナルスタイルとオンワード樫山は、紳士服を展開する「KASHIYAMA」、「五大陸」、「ONWARD Personal Order」の各ポジショニングを明確にし、各ブランドにおける顧客層のトレンドを捉えたニーズに応えることで、各ブランドにおいて昨年度を大きく上回る売上を達成することに成功した。
コロナ禍によって大きな打撃を受けたスーツ市場であるが、顧客ニーズへ的確に応えることで大きく伸長させることに成功している。トレンドを捉えた市場分析、ブランドポジションの明確化といった作業の重要性が明らかになったといえる。オーダースーツ需要の高まりを通じて、今後もさらなる成長が期待されるはずだ。