サプライチェーン計画ツールを導入している製造業企業は? ザイオネックス調査
SaaS型SCMサービス「PlanNEL(プランネル)」を提供するザイオネックス株式会社(以下:ザイオネックス)は2024年7月24日、製造業でサプライチェーンマネジメントに携わる方を対象に実施した「サプライチェーン計画業務におけるデジタルツール」に関する調査結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
※1:販売計画・在庫計画・生産計画・仕入計画を立案し、未来の製造/仕入・販売・在庫を可視化、シミュレーションするためのデジタルツール
調査概要
◆調査期間:2024年6月20日~22日
◆調査方法:インターネット調査
◆調査対象:製造業企業でサプライチェーンマネジメントに携わる会社員20代~50代男女
◆調査人数:182名
◆モニター提供元:日本ビジネスリサーチ
◆出典元:「サプライチェーン計画業務におけるデジタルツール」に関する調査を実施いたしました。(ザイオネックス株式会社)
8割弱の企業がサプライチェーン計画ツールを導入
「サプライチェーン計画ツールの導入状況」を尋ねる設問への回答で最も多かったのは「一部の領域で導入している」43.4%、次いで「すべての領域で導入している」34.1%に。この結果から8割弱の企業が何らかサプライチェーン計画ツールを導入している事実が明らかになった。
それぞれの回答者に「サプライチェーン計画ツールを導入した理由」を質問したところ「業務の効率化」58.2%、次いで「生産、調達の安定化」が51.8%と続く結果に。
製造業の現場では業務効率化と生産、調達の安定化が特に重要視されていることがうかがえるだろう。
サプライチェーン計画業務における課題
「サプライチェーン計画ツールの導入状況」において、「サプライチェーン計画ツールを導入していない」と回答した22.5%を対象に「サプライチェーン計画業務において感じている課題」をヒアリング。
その結果「生産、調達の安定化」51.2%、「業務の効率化」「属人化の改善」が36.6%といった回答が並んだ。前項の「サプライチェーン計画ツールを導入した理由」の回答との共通点があることが判明したといえるだろう。
続けて「サプライチェーン計画業務における課題が引き起こす問題」を問う設問では、「数字の正確性が失われることによる判断の遅れ、ミス」36.6%、「売上、利益の損失」「コストの増加」34.2%が上位にランクイン。
正確な需要と供給が計算できなければ、在庫不足による販売機会の喪失、在庫過剰によるコストの増加など、企業の損失につながってしまう状況がうかがえる結果となった。
「既存システムとのすみ分け」が問題に
「サプライチェーン計画ツールを導入していない」方の中で、サプライチェーン計画業務のデジタル化に対して「とても必要である」「必要である」と回答した51.2%を対象に、サプライチェーン計画ツールが導入できない理由」をヒアリング。「既存システムとのすみ分けがうまくできない」が42.9%とトップになった。
本調査によって、サプライチェーン計画ツールを導入していない企業で働く方の半数以上が、「サプライチェーン計画業務のデジタル化」に必要性を感じていることが判明した。また、ツールの未導入企業では「既存システムとのすみ分け」がうまくできないことが導入への大きな障壁となっているようだ。
精度の高い需要予測に基づいた生産管理は効率的な商品の製造、販売、そして利益の獲得に直結する。本調査結果を参考に、自社の状況を改めて確認してほしい。