ヤフオク!Awardに潜入〜昨年末単日32億で新記録

石郷“145”マナブ

ヤフオク!の底力。年末商戦の昨対104%を記録!

  ヤフー株式会社(以下、ヤフー)は、ザ・リッツ・カールトン東京で、ヤフオク!ストア向けイベント「ヤフオク! Best Store Awards 2015」を開催し、その会場に潜入した。席上、ヤフオク!に関しての最新の実績や今後の展望について明らかにされた他、ユニットマネージャーの一条裕仁氏の単独取材も決行した。

 まず、昨年の実績である。昨年11月11日には「いい買い物の日」企画を実施し、これが奏功した。同企画は、ヤフー以外の会社も巻き込み、買い物のの一大ムーブメントを起こしたもので、ヤフーショッピングだけでなく、ヤフオク!でも、旋風が吹き荒れたのだ。具体的な数字としては、平日最高取引高において、ヤフオク!は単日32億円を記録した。これは、ヤフオク!がこれまで持つ記録を更新するものとなった。ヤフーとしては、たとえ、平日でも仕掛け方次第で、これだけの売り上げを叩き出せることを実証した形となり、大いに活気付いている。

 さらに、ヤフーはヤフオク!に関して、年末商戦の時期あわせて、攻めの姿勢を見せ、テレビCMで、オダギリジョーなどを起用した。その甲斐あってか、年末商戦においても、こちらもヤフオク!で昨対104%と売り上げを伸ばした、と話している。

 一方で、機能を追加し、より使いやすさの向上させるべく、Yahoo!かんたん決済(ヤフオク!の落札代金をクレジットカードやATMなどでの振込、Tポイントで支払え、かつその手数料は0円から)を導入しているが、これに対しての反応も良く、53%から65%へと、利用率が12%もアップしているという。

一条裕仁ユニットマネージャーを直撃!ヤフオク!の今後

一条裕仁ユニットマネージャーを直撃!ヤフオク!の今後

 実際のところ、ヤフオク!はこの実績をどう受け止めているのか。その本音を探るべく、Award終了後、ヤフオク!カンパニー ユニットマネージャー・一条裕仁氏に話を伺った。僕は、敢えて台頭するフリマアプリについて触れ、それらとどう差別化をするのか、という部分に言及すると、氏は「自分たちは、そのオークションという形式にこだわっており、売り手にとって、一番高く売りたいというものを出品する」という部分で、他とは差別化を図っていきたいとした。

  一方で、氏は、ただそのフリマアプリの勢いも真摯に受け止め、「彼らのように、ニーズにあった売り方も模索することが重要で、なるべく手間がなく買えるような流れにしていきたい」としている。確かに、最近はその努力の跡は見られ、ヤマト運輸との連携におけるヤフネコ(配送料を抑え、かつ出品にかかる手間を軽減)といった物流面での変化や、Yahoo!かんたん決済における決済面での変化(ヤフオク!の落札代金をクレジットカードやATMなどでの振込、Tポイントで支払え、かつその手数料は0円から)などがそれに当たると言えよう。

 これらの話を聞いていて感じたのは、やはりヤフオク!は出品者、落札者にとって“価値”を提案する存在なのだということ。先日、ヤフオク!で、落札システム利用料が、改定されたニュース(出品者がストアである場合は5%から7%に、個人においては5%から8%となった)があったが、それも、それを踏まえれば、単純に値上げだと考えるのは、安易だと思う。出品者にとって、価値あるものを落札者によって、より高く買ってもらうだけの仕掛けとその土壌作りはしているのだから、ある意味、それは正当な対価であり、ビジネスとしては健全なのだと思う。

Awardにおいて、グランプリを受賞したのは…?

 ちなみに、今回のAwardにおいて、受賞したのは、下記の企業だ。
グランプリ 株式会社デファクトスタンダード 「ブランディア」
2位 株式会社マーケットエンタープライズ 「ReRe オークションストア」
3位 株式会社エコリング 「エコリング」
4位 有限会社ヤマト 「トイズキング/リアルクローズ」
5位 株式会社リサイクルマイスター 「リサマイ」

グランプリを受賞したのは、株式会社デファクトスタンダードの運営する「ブランティア」(http://sellinglist.auctions.yahoo.co.jp/user/j00v1961)だった。

 実際に、デファクトスタンダード植松勇人氏に、受賞にあたっての声も聞いてみると、実にこれも奥が深い。同社は中古品をヤフオク!にて販売しているが、社員は50名ほど。中古といってもリアルな店舗をかまえることなく、ネットに特化することで、成果を上げている。一時は、効率化を追った時もあったが、いろいろ紆余曲折あって、地道で泥臭い作業に戻ってきたという。中古品だけに、その商品の見せ方など、常に工夫し、それをコツコツ繰り返してきた。その結果が、今に結実している、と話していた。こういう血と汗と涙の結晶がヤフオク!を支えているのだ。

 そして、勢いに乗るヤフオク!において、これらの店舗の努力が一層花開くことになるだろう。一連のヤフオク!の積極的な施策が、結果、各出品者の出す商品の価値を底上げし、一層の輝きを増して、落札者の笑顔につながることだろう。期待したい。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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