アパレルECの未来~試着なしでジャストサイズを買う~

福島 れい

拡大するアパレルECの今と、そこでサービスを展開する5社に迫る連載企画!
今回は、簡単なアンケートでぴったりサイズがわかるunisize(ユニサイズ)を取材してきました。

【目次】
・アパレルECの未来 1章~概論:今を知る~
 (https://goo.gl/uFvr2C
・アパレルECの未来 2章〜メイキップ:オンラインフィッティング編~
・アパレルECの未来 3章〜エアークローゼット:日常生活で試着編〜
 (https://goo.gl/1PbAlN
・アパレルECの未来 4章〜SHOPLIST:個別接客編〜
 (https://goo.gl/I32BBn
・アパレルECの未来 5章〜ブランドゥール:古着EC編〜
 (https://goo.gl/Du27jj
・アパレルECの未来 6章〜フレックスジャパン:国内生産元編〜
 (https://goo.gl/a6PLvY

”サイズ”の心配がいらないECサイトが作る未来とは?

 ネットショッピングで洋服を購入するとき、1番気になることは何だろう?そもそも、洋服は実店舗でしか購入しないという人もいる。それは、なぜだろう?

 その理由の1つは”サイズ”ではないだろうか?例えば、記者は”パンツ”はECサイトで購入しないことにしている。趣味で取り組むバドミントンの影響で、ふくらはぎとももだけが太いため、ジャストサイズのパンツに出会ったことがないからだ。多くの場合、脚のサイズに合わせるとウエストがずり落ち、ウエストのサイズに合わせると脚が入らないという何とも残念な結果になってしまう。つまり、記者が”パンツ”を買うには、現状、試着が必須なのだ。となると、実店舗に行きたくなってしまう。

 私のようにECサイトを利用して”サイズ”が合わなかった経験がある人は、大勢いることと思う。これがアパレル商品のEC化率がほかの商品ジャンルより低い理由の1つだ。

 では、ECサイトで ”サイズ”を心配せずに購入できたら・・・。今まで洋服をECサイトで購入しなかった人も利用するようになったり、自分の目で実物を確認してから購入していた高額の商品もECサイトで購入するようになったり。そんな未来が待っているのではないだろうか。

unisizeが”サイズ軸”の買い物を実現

 今回取材したのは、株式会社メイキップの柄本 真吾さん(写真左)と山崎 慎一さん(写真右)、オンラインでサイズフィッティングができる「unisize(ユニサイズ)」を提供している。「unisizeが作るアパレルECの未来ってどうなっていますか?」という問いに、お二人は「unisizeがインフラとなり、ECサイトでの買い物を”サイズを軸”に楽しめるような環境をつくりたい。」と熱く語ってくれた。

 unisizeの最大の特徴は、”簡単なアンケート”に回答するだけで、最適なサイズをおすすめしてくれることだ。回答にかかる時間はわずか1分。これで、腕が長い、 足が短い、脚が太い等々、個人の体形を判別できる。つまり、この作業は実店舗でいう”試着”にあたり、アパレルECが抱える”サイズ”の問題を解消できるのだ。

 「”サイズ”の心配をしなくてもいい」となればユーザーの行動も変わる。今までECサイトで洋服を購入したことがなかった人が購入するようになるだろうし、これまで試着してから購入していた高額な商品もECサイトで購入できるようになるだろう。これが、unisizeが作る「サイズを軸に広がるEC・買い物」なのだ。


 unisizeが簡単なアンケートだけでサイズフィッティングができる秘密は、膨大なデータの活用にある。

 そもそも、なぜサイズが合わないのかと言えば、体形が個人によって異なることと、各ブランドごとに提供サイズに差があることが原因になっている。unisizeは膨大な”洋服データ”と”人体データを用い、よく着るブランドと着用サイズから推奨サイズを判別できる仕組みだ。

 話を聞いて驚いたのだが、各世代ごとに骨格に特徴があり、年齢と身長から概ねの体型が推測できるのだという。あとは、「腕が長い」「足が短い」などのアンケートで推奨サイズを補強するのだ。データをうまく活用すれば、新しい事実が見えてくる。unisizeはまさにそれを象徴するサービスだ。


 「今後、unisizeはアパレルECにおいて、どんな存在になっていくのでしょう?」と尋ねると、「アパレルECのインフラになっていきたい。”サイズを選ぶって何?”という人もいるくらい、みんなが自分にぴったりのサイズを知っている。そんな未来を描いています。」と力を込めて語ってくれた。

 現状、商品を選んでから、サイズを選ぶ仕組みをとっているECサイトが多い。すると、ほしいものを見つけてから、サイズがない!ということも少なくないのだ。自分に合うサイズの商品からだけ、ほしいものを探せるようになったら、もっともっとECサイトでの買い物が楽しくなるだろう。unisizeがつくる未来、それは、試着しなくても、ぴったりサイズの洋服が買えるという快適な買い物だ。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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