【体験してみた】特別な日をより特別に変化させる~今時のギフトECに見る、コミュニケーションの在り方。あなたは知っていますか?

ECのミカタ編集部

 ギフト、それは贈られる側はもちろん、贈る側もあたたかい気持ちになることができる“魔法のツール”。以前は実店舗にて商品を見て選び、手渡しでギフトとともに“気持ち”を伝えていた。その中には、日常とは違った特別なコミュニケーションがあり、そんな場面をギフトは作り出していた。

 しかし現在において、ギフトを贈る際にECを利用する人が増えてきた。インターネットを挟んだギフト選びやギフト贈進には、アナログとはまた違った場面が存在しているはずだ。今時のギフトECは、ギフトを贈る現場においてどのようなコミュニケーションを生み出しているのだろうか。

ミニ特集企画「今時のギフトECに見る、コミュニケーションの在り方。あなたは知っていますか?」

<目次>
・今時のギフトECに見る、コミュニケーションの在り方~概論編
https://goo.gl/Ye23vr
・日常の会話をリッチにする、コミュニケーション
https://goo.gl/tq1K2d
・互いの人生に敬意を払い、節目を彩るコミュニケーション
https://goo.gl/GYfOms
・非日常体験という“思い出”から発生するコミュニケーション
https://goo.gl/7AIOlB
・番外編:特別な日をより特別に変化させるコミュニケーション
(本記事)

どんな表情で、どんな気持ちで・・・?

 みなさん「Birthday Press」(以下、バースデープレス)というサービスをご存じだろうか。

 株式会社FLASHPARKが運営している主にケーキを扱うプレゼントの総合通販サイトであり、お祝いの品も多く扱っているショッピングモールのような存在だ。(http://www.birthday-press.com/)ケーキの種類は大変多く、500社以上の洋菓子店とタイアップし3000以上のラインナップを揃えている。既存のケーキから選ぶこともできるが、オーダーメイドで発注することもできる、そんなサービスなのだ。

 今回は、そのバースデープレスの協力により、ちょっと切り口の変わった合同会社Sampagitaという店舗をご紹介いただいた。それは、お客様に直接、ケーキをお渡しするサービスもしているお店※で、特に、サービスが顧客満足度を高め、この店舗の売り上げを伸ばしていることから、その秘密を探るべく、編集部はそれを自ら体験してみることにした。

今回はECサイトが実際にお客様に商品を手渡しし、そして何を想うのかといった感動の場面を覗いてみる。自分たちの商品はお客様に喜んでもらえているのだろうかという疑問を実際に確認していこうと思う。

※一部サービスに限り、直接お渡ししている

 ECはネット上で商品の購入が完結し、配送は業者に委託するため、ECサイトで働く人が直接お客様の顔を見て接客・販売することができない。自分たちが商品を届けている先のお客様はどんな気持ちで商品の包装をはがし、どんな表情をして商品を見つめ、どんな手のぬくもりで商品を持つのだろうか。目で見て、肌で感じるのが楽しみである。

実際に行ってみた!

実際に行ってみた!

 5月中旬、都内某所
 
 コックス姿の女性が現れた。都内で合同会社Sampagitaというケーキ屋を営んでいるパティシエの小笠原 由季さんである。彼女が手に持っているのは、とてもとても大きな箱だ。

 パティシエの小笠原さんは今回、ケーキ制作の依頼があったお客様のもとへ商品を届けるために、大きなケーキの箱を持ちとある場所へと足を運んだ。心なしか顔が緊張しているように見える。

 小笠原さんにケーキに込めた想いをお伺いすると「誰に何のために作るかわからないとただケーキを作成する、という作業になってしまいます。だから私はなるべくお客様のことを知るようにして、思い浮かべて作っています。今回も、届ける人のことをイメージしながら、心を込めて作りました。オーダーメイドのケーキのため細工系が難しく、完成するまでに6時間半かかりました。そしてここまで車で来たのですが、振動や温度に気を付けながら、大切に大切に運んできました。」と答えてくださった。

 一つのケーキを作るのに、6時間半。小笠原さんは、こんなにも多くの時間をかけて商品に愛情を込めているのだ。もう自分の子供のような存在だろう。そんなケーキをもらって嬉しくない人はいないはずだ。これは商品を受け取った方の反応が大変楽しみである。

 そこへ1人の女性が現れた。ケーキを受け取る李 雨瀟(り ゆいしょう)さんである。箱を見るなり驚き、笑みをこぼす。

 「ご注文のケーキ、お持ちしました。」

李さんの最高の笑顔、ケーキを手渡したコメントは次のページへ!

遂にケーキ現る!

遂にケーキ現る!

 ケーキを受け取った李さんがゆっくりと箱を開ける。そこに現れたのは・・・

お客様の喜びがパワーの源です!

お客様の喜びがパワーの源です!

 李さんの可愛らしい似顔絵と、赤いハイヒールが特徴的な、李さんだけのオリジナルケーキだった。「かわいい!すごい!」と歓声が上がる。李さんの表情を見ると、満面の笑みである。そしてそれをしっかりと目に焼き付けている小笠原さんの姿が見られた。

 小笠原さんにお客様の笑顔を生で見た感想をお伺いすると「届けるまでは緊張していました。しかし今、実際にケーキを手渡しし、喜ばれている様子を自分の目で確認して単純に、嬉しかったです。帰り道はるんるんです。」と語った。普段ECだと自分の目でお客様のことが見れない分、自社商品によってこんなにも喜んでくれるということを自分の目で確認する。店舗にとって何よりのパワーの源だと感じる。

 また、今後の展望について「もっともっとオーダーメイドを身近に感じてもらいたいです。そしてお客様に今以上に喜びや幸せを届けたい。ケーキがある場所に悲しい場所はありません。」オーダーメイドを身近に感じてもらうため、インターネットを利用して、ECを利用して、ケーキの認知を上げ注文を取りやすくするのは最善の手段だろう。

 またケーキを受け取った李さんも「一目見て、びっくりしました。とても、かわいくて。オーダーメイドだと、自分だけの世界に一つだけのケーキなので、嬉しさも倍増です。お祝いの場で、おめでたさにプラスαでオリジナルのケーキがあると更に感動します。」と笑顔で語る。

ECで届けられる感動

ECで届けられる感動

 ECは実際にお客様の顔が見えないため、商品を手に取ったときにどんな表情をしているのか見ることができない。自分の心が入った商品に対してお客様はどんな反応を取るのか、EC店舗を運営していたら気になるのではないだろうか。
 
 今回、パティシエの小笠原さんがネットで購入された商品を、直接手で届けた。李さんの顔を見ている小笠原さんの表情は感動がにじんでいるようで、李さんの笑顔は、これらもパティシエとしてケーキを作る糧となっていくだろう。

 あなたの商品を手に取っているお客様もきっと、李さんのように素敵な笑顔を浮かべているはずである。ネットの中で販売してはいるが、その先の商品が届く喜びやワクワクは、必ずある。それを想像しながら商品を梱包して届けるのでは、お客様に伝わる想いもきっと変わってくるだろう。

 対面せずに販売するため、冷たいと思われがちであるが、あなたからの“お届けもの”を、受け取る側は喜んでいる。ECで購入の便利さを提供するとともに、商品による、そしてそこに込められた店舗の想いで感動を与えているのだ。


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