モバイルからの購入率は日本がトップ!その割合は?(Criteo調べ)
2015年第4四半期モバイルコマースレポート
画面が大きく、一目で多くの情報を得られるPCと、持ち運べて手軽でありながらも一目で得られる情報は少ないスマートフォン。どちらを利用するかによって、使いやすいサイトは変わってくる。どちらでも快適な買い物というのが理想ではあるものの、ECサイトとしては一点に絞って注力した施策を打つというのが現実的だろう。
今回は、マーケティングテクノロジー企業であるCriteo S.A.(以下Criteo)が発表した「2015年第4四半期モバイルコマースレポート(Q4 2015 State of Mobile Commerce Report)」から消費者がどのような”経路”を利用して購入に至っているのかに迫る。
まず、日本のモバイル商取引のシェアを見てみると、2015年第4四半期では、2014年より2%上昇し、 eコマースによる全取引の49%に到達している。
また、モバイル商取引に限って見ると、日本では全モバイル商取引の約90%をスマートフォンが占めていることが明らかになった。この傾向は日本と韓国で最も顕著な結果となっている。Criteoはこの推進力となったのは、スマホ上での取引機能の改善、デバイスの高い普及率、大きくて明るいクリーン、高速無線ブロードバンドの普及などだと分析している。
PC・タブレット・スマホの並行利用も人気!
クロスデバイス活用、つまり、PCやタブレット、スマートフォンなどの複数のデバイスにまたがった購入に関しても、商取引のほぼ40%が実施されていることが分かった。
Criteoは特徴的な結果として、まずデスクトップでの買い物客のうち37%が、購入前に別の少なくとも一つのデバイスで同じ小売業者のサイトを閲覧していること。
また、購入過程で複数のデバイスを使用する可能性が最も高いのはタブレットで、最終的な購入を行ったクロスデバイス対応の買い物客であることから、タブレットによる買い物客の43%はそのショッピングの際に複数のデバイスを使用しているということもわかるとしている。
モバイル購入促進にはアプリが効果的!
Criteoは購入のハードルを除去するアプリの活用についても注目しており、適切な商品を表示し、有用な商品を明示するとともに購入過程を簡素化するアプリの構築が必要だとしている。
調査結果で見ると、モバイル体験を重視してきた小売業者で、モバイルアプリが小売業界におけるモバイル商取引全体の54%を占め、旅行業界ではモバイル商取引の58%を占有した。
また、モバイルアプリを使用する買い物客はモバイルウェブ上の買い物客より286%も多く商品を閲覧し、買い物かごに入れる割合がモバイルブラウザよりも90%高くなるという。加えて、アプリでの全体的なコンバージョンレートはモバイルブラウザよりも120%高いという結果も得られている。
モバイル or PC ターゲットユーザーを明確に!
ECサイトにモバイル端末からアクセスするユーザーが増えているという事実は周知のことと思う。今回の調査結果で特筆すべきは、アプリ活用の効果の高さではないだろうか。モバイルアプリを活用するだけで、商品の閲覧数は約3倍、買い物かごに入れる割合も90%アップ、コンバージョン率もアップすることが明らかになっている。
アプリでダウンロードしているということは、そのアプリを持つECサイトに関心を持っているということであり、関心があるからこそ、購入率が高いという見方もできると思う。
いずれにせよ、店にとってみればアプリをダウンロードさせるだけのお客様との関係性、顧客対応と、サービスを築くことが必要な事を改めて示しているように思う。
また、そう考えると、逆説的ではあるが、ある程度の関係性が築けてきたネットショップにおいては、アプリを使うという選択肢も効果的であることをこのデータでは、示している。
また、角度を変えると、この結果は単純にアプリの効果が高いというだけでなく、モバイル端末で使いやすい環境と、PCで使いやすい環境が異なることが明らかになったとの見方もできるのではないだろうか。そもそもアプリはモバイル端末向けに、ブラウザはPC向けに作成しているものだ。代用はできるものの、最適化されたものがやはり使いやすいと、そういうことではないだろうか。
そのように考えると、ECサイトに求められていることは、自店のターゲットユーザーは誰なのか?モバイル端末を重宝するのか、PCなのか、これを明確にし、それに合わせたサイト制作や集客・販促を行うことだと言えるように思う。