サービス提供開始より2年。 リピロジが「クラウドロジ」に進化する!
発送代行サービス「リピロジ」が誕生してから今日で2年が経つ。
さまざまな分野で活用が進んでいるテクノロジーだが、物流はいまだ、テクノロジーによる効率化が進んでいない。速く、効率的に、しかも配送会社を始めとする物流業界と通販企業の双方に配慮された方法で、商品をエンドユーザーに届けるには、ITによる物流のイノベーションが必要だ。今回は、物流プラットフォーム事業をはじめ、IT×リアル領域の事業を展開する次世代ベンチャー、スタークス株式会社の景利 翔 執行役員 クラウドロジ事業部 事業部長と開発チーム システムエンジニア 高橋 悠 氏にお話を伺った。同社はマーケットイノベーションで社会課題を解決し、世界に新しい可能性を広げるというミッションを掲げ、これまでのリピロジを進化させ、「クラウドロジ」の提供を開始する。
2017年に起きた「配送費値上げ」の問題
通販業界で今年一番のニュースをいえば「配送費の値上げ」でしょう。国内のEC化率の上昇に伴い、年々ニーズが高まる物流が、いよいよ耐えきれなくなってしまいました。各配送会社から、値上げの交渉や荷受けの拒否などがあった通販企業様もいらっしゃるのではないかと思います。実際に先日弊社が独自に通販企業様に行った調査によると、121社中約半分の通販企業様に値上げの交渉が来ていたことが判明しています。こういった通販企業様の中には、通販事業の撤退などを検討されている方もいらっしゃいました。
ではなぜ今回このような「配送費の値上げ」「荷受けの拒否」といった問題が起きているのかというと、物流はもちろん、サプライチェーン全体の業務負担が大きいからだと考えます。業務負担が大きいまま需要が増えれば、労働環境の悪化などが起き、需給バランスが崩れるのは当然ですよね。
だから僕たちは、物流やサプライチェーンにテクノロジーを加えることで、業務負担を減らし、今起きている問題を解決できるのではないかと思っています。こういった「サプライチェーンの最適化」という大きな構想のための第一歩が、今回発表する「クラウドロジ」です。
大きな違いは「発送拠点の分散」と「クラウド化」
「クラウドロジ」は僕達がこれまでご提供してきた「リピロジ」の進化系です。
大きな違いとしては、発送代行サービスをクラウド化したことによって発送拠点の分散ができるようになったことです。これまでも1つの発送代行のサービスで、発送拠点を分散することはできました。しかし、複数の倉庫へ別々に入庫したり、ただでさえ大変な在庫管理を複数拠点で行わなければならないなど、通販企業様にとってデメリットが多い方法でした。
しかし、今後の通販企業様にとって「発送拠点の分散」は行ったほうが良いです。というのも、リスクヘッジが出来ることに加えて、配送料金の値上げを抑えることが出来る可能性があるからです。今後の配送費は個人運賃と同じように「地帯別」になり、消費者にとってより近い距離から配送することが、値上げを抑えることにつながります。つまり全国に拠点を細かく置いて、消費者に近い場所から発送することが必要なのです。
またクラウドロジは、発送拠点の分散を行なうと同時に、発送拠点の分散における煩雑さも解消します。クラウドロジでは、発送拠点全てで同じシステムを使います。また、そのシステムは全てクラウド化しているため、日々の出荷業務、緊急時の対応、在庫管理の全てをオンライン上で解決できるのです。したがって、複数拠点をご利用いただいたとしても、通販企業者様にかかるご負担を減らすことができます。
そして、発送拠点の分散を行なうために全国走り回って拠点数をどれだけ増やすかにこだわりました。ただ集めればいいというわけではないので、かなり難しい交渉でした。通販企業様の商品を預かる以上、できるだけ良い品質を担保したいので、空調設備、セキュリティ、経営状況、個人情報の取り扱い、お客様と向き合う姿勢など、全てジャッジした上で提携先としてジョインしてもらうようにしました。そこのこだわりはかなり強いと思っています。紆余曲折がありながらも現在、「クラウドロジ」で利用できるのは全国で14拠点になりました。
「クラウドロジ」は健康食品、化粧品、それに加えてアパレルなど40サイズから60サイズの小物の取り扱いに特化しています。これにより作業効率が格段に上がり、安価のコストで物流が提供できます。健康食品や化粧品はデリケートな商品であり、丁寧な梱包と厳正な品質管理が必要です。大小さまざまな商材を扱うと管理も行き届かなくなりがちですが、小物に専門的に取り扱う当社のサービスなら、高い品質をお約束できます。
ビッグデータを使った研究にも着手
僕たちは「クラウドロジ」によって、サプライチェーンマネジメント最適化し、社会課題の解決に貢献していきたいと思っています。
現在、画像認識技術向上によるロボットのピッキング作業を実現すべく、研究を進めています。ロボットを動かしてモノを運ぶこと自体は、現在の研究開発でほぼできています。あとはどう判断させ、動かすかだけなので、画像認識の研究に力を入れているのです。
また、当社にあるビッグデータを使って、商品の需要予測を立てるための研究も進めています。「リピロジ」は1社個別のCSVで需要予測を立てていましたが、「クラウドロジ」を介せば、内部に蓄積された膨大なCSVデータベースを活用し、さらに高度な需要予測ができるようになります。
「クラウドロジ」は12月中旬より順次ご提供を開始していきます。「クラウドロジ」は通販物流の新しい可能性を広げる、画期的なサービスです。最新のテクノロジーを活用して、ECショップ運営を効率化したいとお考えの通販企業様は、ぜひご相談ください。