スタートアップのEC&レンタル事業会社に朗報! IT・クラウド倉庫でスピーディーに入出庫&個品管理ができる「minikura+」
物流倉庫にITを導入し、webで完結する入出庫システムや個品管理などの特徴を生かして、ECやレンタル事業の物流にシンプルさとスピード感を提供している寺田倉庫。
倉庫を拠点にさまざまな事業を展開してきた同社の歴史をふまえながら、新サービス「minikura+(ミニクラプラス)」の魅力について、同社のMINIKURAグループ MINIKURAチームの姫野良太氏、須貝宏幸氏にお話を伺った。
倉庫を拠点に空間に付加価値をつけながら、さまざまな事業を展開
寺田倉庫は1950年に創立された倉庫会社である。食糧庁指定の米の備蓄倉庫にはじまり、さまざまなものを保管する倉庫として成長してきた。その後倉庫業が盛んになるにつれて、価格競争に巻き込まれぬよう独自の事業を展開してきた歴史があるという。
「現在は倉庫としてワインや美術品、機密文書などの貴重品を保管するほか、『余白価値の創造』をコンセプトに、会社の拠点でもある天王洲エリアをアートの街として発信すべく、建築模型に特化したミュージアムや画材ショップを運営するなど文化の創造にも注力しています。
我々のいるMINIKURAグループは、そうしたベースを生かしつつ、ITを活用しながら、空間の付加価値を高め、お客様の満足度を上げられるような新規事業をサポートする事業部です。
事業をプランニングする企画チームと倉庫を運用するチームに分かれており、現在スタッフは合計30名おりますが、うち20名はエンジニア。
自社のエンジニアがシステム開発をしながら、ITを強みとしてチームを組んでいるのが特徴です」(須貝氏)
BtoC向けクラウド型収納サービス「minikura.com」でIT事業をスタート
「MINIKURAグループのスタートは、2012年に開発したBtoC向けのサービス『minikura.com』でした。『誰でもいつでもどこからでも自分だけの倉庫がもてる』をコンセプトとしたクラウド型収納サービスです」と姫野氏。
不用品や家で管理しきれない荷物を一時的に保管したいお客様向けに、web上で申し込みをすると寺田倉庫から箱が届き、その中に荷物を詰めて送ることで、寺田倉庫が保管・管理を行なってくれて、お客様は自分のクローゼットのようにWEB上で管理ができるサービスだという。
「このサービスの画期的なところは、荷物を箱のまま管理するコースと、箱を開けて中身1品1品を管理するコースを設けたことです。そして200円から手軽に預けられる料金体系です。
従来の倉庫業界では荷物を開梱することは損傷などのリスクが高く、常識はずれとされていましたが、あえて業界のタブーに斬り込み、品物ひとつひとつをきめ細やかに管理してほしいというお客様のニーズを汲んで提供しました」と、姫野氏は語る。
ファッションを中心としたレンタル事業の新規事業支援も得意分野
「おかげさまで『minikura.com』はどんどんユーザーが増えましたが、我々のしくみをより幅広い方に活用していただくため、同サービスで構築したシステムやノウハウを使い、BtoC向けに支援事業も始めました。
これはwebで商品を販売やレンタルしている事業者に、裏側で我々のシステムや倉庫を使っていただくというものです。倉庫側のシステムと自社のシステムを独自API連携していただくことで、倉庫内の運用や管理をリアルタイムで把握・依頼していただけるしくみもご提供しました。
事例としては、女性向けファッションのレンタルサービス、エアークローゼットさんの事業の立ち上げを0からサポートさせていたただきました。弊社でシステムをカスタマイズし、商品は弊社の提携倉庫で保管・出荷し、返ってきた商品を検品、クリーニングや補修までを行っていました」(姫野氏)
※エアクローゼット社との提携は2018年3月まで
また大手企業と提携した新規事業支援も行っており、大手アパレル企業・レナウン社のスーツレンタルサービス「着ルダケ」も、MINIKURAチームが0から支援したという。
「弊社の新規事業支援はスタートアップ企業から大手企業までと幅広く対応させていただいております。
スタートアップ企業の場合、新規で倉庫との取引をするのは難しいことも多いのですが、弊社のシステムでしたらすぐにスタートでき、少量の荷物からお預かりすることができます。また大手メーカーなどの企業で、レンタルなどの新規事業を自社でやるにもノウハウが必要な場面が多くあり、弊社で迅速かつ丁寧に対応させていただきます。
新規事業支援では、ファッション以外にもお問い合わせいただくことが多く、家具や電子機器、ベビーカーなど、さまざまな商品のレンタル事業をサポートしています」と姫野氏は言う。
即契約完了!シンプル操作でリアルタイムな入出庫・管理ができる「minikura+」
そのように『minikura.com』や新規事業支援で培ったシステムやノウハウを、さらにいろんな企業に活用してもらうべく、BtoB向けにパッケージ化したのが2018年8月にスタートした『minikura+』だ。
新規事業支援では1社1社のシステムをフルカスタマイズしてきたが、『minikura+』ではさまざまな企業に汎用的に使ってもらえるよう基本機能のみを集約し、よりスピーディーに低コストで使用できるシステムを構築したという。
「一番の特徴は、入庫から出庫までのすべての管理がweb上でできることです。会員登録は画面に会社情報を入力するだけで、数分で終わります。
事前の商品登録もいらず、すぐに使用が可能です。入庫依頼は入庫アイテム、個数、到着日時を入れるだけで、あとは荷物を送っていただければ終了。届いた商品の写真撮影やバーコードシール貼りなどの作業は弊社で行います。
もう一つの特徴は、ロット管理ではなく個品管理という点です。すべての個品にアイテムIDをふるため、レンタルや中古品などで同じ商品でも状態が違うものにも個別対応が可能です。
もちろん独自APIにより、ECサイトとの連携も可能ですので、リアルタイムでの運用・管理ができます。
現在も多くの倉庫はアナログで動いており、契約だけでも信用審査や見積もりなどで、2〜3ヶ月かかってしまうのが通例です。
入出庫などのやりとりもエクセルやメールでしかできないことも多く、既に倉庫と取引をされている場合はややこしさを感じている方も多いのではないでしょうか。
さらにスペースの貸し出しは一坪単位であることが多く、荷物の量に柔軟に対応しにくい倉庫が多いのも現状です。
我々はそうした業界の課題をITの導入によってクリアにし、企業の規模を問わず、スピーディーかつ柔軟に事業をスタートできる物流プラットフォームを整えています。また個品管理やレンタルの物流のしくみをweb上で完結できるのは、日本では現在、弊社のみと認識しています」と須貝氏は自信を覗かせる。
webサービスの構築から物流まで、豊富な知見をもとにサポート
以上の通り、寺田倉庫では『minikura.com』や新規事業支援において、webサービスの構築から物流まですべてを自社で行ってきた。『minikura+』においても、新規事業をスタートさせたい企業の役に立てることは非常に多いだろう。
「EC事業のBtoCでもBtoBでも、またはレンタル事業でも、弊社のようにひとつの倉庫で商品を管理できることは大きな強みになると思います。
たとえばEC事業者様が『返品されてきた商品をレンタルに回したい』レンタル事業者様が『レンタルしていた商品を中古品として販売したい』など新しい試みを検討されている場合にも、在庫を統一化して管理することができます。
そのため、今後は個品管理と親和性の高い買取事業者様や、CtoCのEC事業者様によりフィットするサービスも展開していきたいと考えています。
また現在荷物は60〜200サイズに対応していますが、アクセサリーなどの小さいサイズの配送にも対応していく予定です。
『minikura+』のコストは入出庫のみの場合、初期費用は無料。API連携の場合、初期費用はかかりますが以降は無償で提供いたします。
EC物流、レンタル物流の倉庫に必要なしくみはすべてご用意してありますので、ぜひお問い合わせいただければ幸いです」と姫野氏は語る。
ECやレンタル事業の物流に困った際は、是非寺田倉庫に相談することをお勧めしたい。