「Wonderfull Platform」を運営するInagora、1,000万ドルを資金調達

 中国向け越境ECプラットフォーム「Wonderfull Platform(ワンダフルプラットフォーム)」を運営する、Inagora株式会社(以下「インアゴーラ」)は、2016年2月17日(水)、中国大手投資会社Ventech China(ベンテックチャイナ)と韬蕴(タオウン)資本及び、日本国内大手企業よりシリーズAラウンドの第三者割当増資を実施し、1,000万ドル(約12億円)を資金調達致しました。

 「Wonderfull Platform」は、日本の事業者と中国の消費者を直接結ぶB to B to Cの越境ECプラットフォームです。インアゴーラの運営チームが、翻訳、物流、決済、マーケティング、顧客対応などの全作業を代行するため、日本の事業者は日本の倉庫に商品を発送するだけで、巨大な中国市場に進出することができます。また、日本の事業者と中国人ユーザー双方の様々な需要を柔軟に汲みとるために、「出店」「仕入れ」「独占販売」全ての形態を採用している点も特徴です。


 本プラットフォームの自社アプリである「豌豆公主(ワンドウ)」は、良質な日本製商品を最新のライフスタイル情報と併せて中国ユーザーに提供する、“情報発信型” 越境ECサービスです。2015年8月のリリース後わずか4ヶ月という短期間で、ユーザー数80万、取扱商品数3000SKU、1日の最高注文数は5000件を突破するほど、中国電子取引市場でのシェアを伸ばしております。また、花畑牧場や源吉兆庵、uka、HACCI、Lumielina等の有名企業10社以上と中国独占販売で業務提携を締結し、急成長しております。 “モノ”だけではなく、日本のライフスタイル“情報”を越境させ、中国人ユーザーに日本製商品を提供している点が特徴です。

 今回の資金調達により、日本では、国内大手企業と連携しながらサプライヤーと関係を深め、出店社数を拡大させ、物流拠点を倍にし、中国では、中国大手ECプラットフォームである聚美优品(ジュメイユウピン)、寺库(シク)等に投資するVentech Chinaと、楽視(ラクシ)(letv.com)をはじめ新規メディアに投資する韬蕴資本と連携しながら、越境ECプラットフォームのソーシャル機能の強化や新規ユーザーの獲得を押し進め、コンテンツ発信機能強化に向けた編集スタッフを増員し、中国でのマーケティングを強化致します。インアゴーラは、自社運営の「豌豆公主」以外に、すでに「京東(ジンドン)」や「美麗説HIGO(ビレイセツハイゴ)」等の中国大手ECサイトと提携しておりますが、今後、さらに中国国内の提携サイトを増やしていく予定です。良質な日本製商品を提供し続けることで、日中間No.1の越境ECプラットフォームとなることを目指しております。

■資金調達 概要
・調達金額 :1000万ドル(約12億円)
・調達方法 :第三者割当増資
・出資元  :Ventech China、韬蕴資本、等

■資金調達 目的
・商品の仕入れ、出店サプライヤールート及び物流拠点の開拓
・中国国内でのマーケティング強化
・ソーシャル機能を始めとした越境ECプラットフォーム機能の強化

■調達資金 使途
・中国での集客のためのマーケティング費、広告宣伝費
「Wonderfull Platform」の認知向上と新規ユーザー獲得のため、広告宣伝費を投下する予定です。
美容・ファッションに関連する女性向けのテレビ番組や女性KOLとのタイアップ、女性向けオンライン動画サイト・アプリへ広告出稿を行います。また日本に関心の高い中国人女性をターゲットに、日本に関する旅行情報サイト・アプリ上などでマーケティング施策を講じます。

・物流拠点の拡張に伴う設備投資
現在平和島にある物流センターを大幅に拡張し、設備投資を行い、出荷効率を大幅に引き上げます。

・日本企業の出店サポートシステム・体制に対する投資
システム開発エンジニアと日本企業の中国出店対応を行う越境ECコンサルタントを増員する予定です。

■「豌豆公主」について
中国の20~30代の富裕層の女性をターゲットに、食品・日用品だけでなく、ファッション・美容品等の良質な日本製商品を、最新のライフスタイル情報とともに提供する、”情報発信型”越境ECサービスです。

2015年8月のリリース以来、ユーザー数は80万、1日の最高注文数は5000件を突破し、花畑牧場や源吉兆庵、uka、HACCI、Lumielina等の10社以上の中国における独占代理権を有しております(2016年1月時点)。取扱商品数は3000SKUを超え、ファッションや美容化粧品から日用品、食品など多岐にわたったジャンルの商品を取り揃えております。

2015年11月には中国大手ECプラットフォーム「京東」や「美麗説HIGO」と戦略的業務提携を締結し、『豌豆公主』以外のユーザーに対しても、自社ブランドと商品を効率的に訴求することができるようになりました。

《Wonderfull Platform 6つの特長》
1,日本初の一気通貫した越境ECプラットフォーム
日本のみならず中国現地ネットワークも有するため、商品登録から中国人ユーザーへ商品を届けるまでの一連の作業を1つのプラットフォーム上で実現できます。

2, 海外進出時に伴う全作業(物流、決済、マーケティング等)をワンストップでサポート
中国人の運営チームが、商品情報の翻訳、物流、決済やマーケティング業務等の海外進出時に伴う一連の作業を代行するため、日本の事業者は、日本語の管理画面で商品情報を登録し、日本の倉庫に納品するだけで、出店することができます。

3,出店☓仕入れモデルの両方を採用
越境EC大手企業は「出店」という形式を、その他多くは、出店者から商品を仕入れて販売する「仕入れ」方法を採用する中、ワンドウは「出店」と「仕入れ」両方を採用しております。日本の事業者と中国人ユーザー双方の様々な需要を柔軟に汲みとる体制を整えております。

4,記事や動画コンテンツを通じた “情報発信型” 越境ECサービス
他の越境ECサービスとは異なり、KOL(ライフスタイル提案型ショッピングアプリ「WONDERFULL」で活躍している方々)や雑誌編集者を集め、編集部を設立し、記事や動画コンテンツを制作しております。ブランドイメージや詳細な商品情報、具体的な使用方法などを、最新ライフスタイル情報とともに発信しております。

記事や動画コンテンツだけでなく、ユーザー参加型のソーシャル機能も追加することで、PGC(※1) +UGC(※2)を組み合わせた情報展開スキームが可能となりました。ブランド事業者目線の情報(企業HPやブランド紹介ページ、編集部制作の記事・動画コンテンツ等)とユーザー目線の情報(ユーザー口コミ情報、サンプリング結果等)を提供することで、中国国内での商品認知度、購入率を高めます。

(※1) Professionally GeneratedContent=事業者生成コンテンツ
(※2)User GeneratedContents=ユーザー生成コンテンツ

5,中国大手物流会社と連携した、インアゴーラ独自の物流システム
日中両国で自社物流倉庫を運営しております。日本では平和島にある物流センター、中国では保税区内に自社運営の物流倉庫を有しております。さらに、中国大手物流会社と連携し中国国内の流通ルートを複数有しているため、様々な商品を低価格でかつ迅速に届けることができます。



6, 中国大手ECプラットフォーム「京東」や「美麗説HIGO」等のユーザーへ訴求可能
2015年11月に、中国大手ECプラットフォーム「京東」や「美麗説HIGO」と戦略的業務提携を締結致しました。「京東」は、中国のECモールで第2位の規模を持つ直販型ネット通販会社です。2015年6月に、日本製品専門サイト「日本館」をオープンし、日本企業の誘致に力を入れております。「美麗説HIGO」は、20〜30代の若い中国人女性に圧倒的な支持を得ており、2015年の月間売上が10億円を達成するほど、人気のアプリです。

日本の事業者は、他の中国大手越境ECサービスと比較し、より安価でかつ敏速に商品を提供することができるだけでなく、『豌豆公主』以外のユーザーに対しても、自社ブランドと商品を効率的に訴求することができます。今後は、中国国内の提携サイトを順次増やしていく予定です。