第8回:店舗と一丸になってつくる「グルメカテゴリー」

八津川 博史

第5回:スマートフォンからの利用が圧倒的に多い「DeNAショッピング」ならではのUI/UX設計とは
https://ecnomikata.com/column/9544/

第6回:店舗に聞く、「DeNAショッピング」の魅力と他モールとの違い
https://ecnomikata.com/column/10048/

第7回:西松屋とDeNAショッピングが協働で目ざすもの
https://ecnomikata.com/column/10536/

DeNAショッピングは、スマホからの利用が多いので、若年層の女性向けアパレルカテゴリーに強いイメージを抱いている方が多いのではないかと思いますが、この1年間で成長を続けているカテゴリーがあります。それは、グルメカテゴリーです。

グルメカテゴリーの特長は、商品に強い自信やこだわりがあり「いいものをお客様に届けたい」という想いをもって運営されている方が非常に多いということです。そのため、商品の開発や仕入れ先の開拓に注力されています。その一方で、サイトの制作やマーケティングにリソースが割けず、思うような店舗運営が叶わないという課題があったと考えています。

本コラムでは何度もお伝えしていますが、DeNAショッピングが大切にしていることは「商品の魅力が伝わる場づくり」。商品を売るために、商品の値下げをするのではなく、店舗さまが手の届かない部分をどこまで補えるかということに焦点をあて、主役である商品をより輝かせることができるような企画を心がけています。

この1年間に行った施策では、特にバレンタインやホワイトデー、父の日、母の日の特集が好評で、いずれも前年比で流通額を伸ばすことができました。これは、「広告を出稿してください」「セールを実施してください」「クーポンを発行してください」といった価格訴求ではなく、商品の魅力を伝えることで、お客様にも納得して購入いただけたからではと考えています。

今後も店舗さまと一緒に「食のEC」を盛り上げていきたい

今後も店舗さまと一緒に「食のEC」を盛り上げていきたい

季節のイベント以外では、東西の店舗さまがお客さまからのレビュー数を競う「東西グルメバトル」や、チャンピオンに君臨する人気商品に、別の人気商品が挑戦を挑む「最強グルメバトル」などの企画を実施しています。「最強グルメバトル」は週ごとにチャンピオンが入れ替わる可能性のある企画ということもあり、店舗さまからも「現在3連勝中!」といったメルマガを発行していただくなど、店舗さまと一緒に盛り上げることができています。

また、そういった特集を通じて、店舗さまにも「他のモールと比べて面白いことをやってくれそう」という期待感を抱いていただけるようになり、私たちの姿勢について、理解・共感いただいた上で特集に参加してくださっているので、今後も食にフォーカスした魅力ある特集や企画を発信し続けたいと考えています。

この1年、DeNAショッピングのグルメカテゴリーは、店舗さまと一緒に『食のEC』を盛り上げてまいりました。これからも食にこだわりをもった店舗さまと一丸となって、商品をお客様に届けていきたいと思いますので、楽しみにしていただけると嬉しいです。


著者

八津川 博史 (Hiroshi Yatsukawa)

株式会社モバオク 代表取締役社長
株式会社ディー・エヌ・エー EC事業本部 ショッピングモール事業部長

1973年 大阪府生まれ。京都大学 総合人間学部卒。
中堅企業向けのコンサルティングを行う会社へ新卒入社後、
2000年に株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)入社。
営業本部長、社長室長、事業戦略部長を経て2005年に
ソリューション事業部長に就任。大手企業のEC事業強化に携わったのち、
2007年にDeNA子会社である株式会社エアーリンク(現:DeNAトラベル)へ
取締役 オンライン事業部長として出向。
2014年、DeNAとKDDI株式会社の共同出資会社である株式会社モバオクの
代表取締役社長に就任。
2015年10月からはDeNAのEC事業本部ショッピングモール事業部長を兼任。