【第1回】売上が劇的アップしたECショップの共通点『リソースの分散→集中』
売上が劇的アップしたネットショップに共通する3つの改善点
EC実践会講師の水上 浩一です。
EC実践会は全国17地域で展開させていただいておりますネットショップ、
Webマーケティングの勉強会(グループコンサルティング)です。
6ヶ月間のカリキュラムがガッチリ組まれており、教科書に沿って進行していきます。
アクセス数(新規+リピーター)×転換率(CVR)×客単価=売上
ネットショップの売上は、
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アクセス数(新規+リピーター)×転換率(CVR)×客単価=売上
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という公式に集約されています。
この公式には
・新規アクセス数
・リピーターアクセス数
・転換率
・客単価
の4つの変数が存在します。
この4つの変数を最大限アップしていくのがEC実践会のカリキュラムです。
アップした倍率だけ売上はアップします。
たとえばアクセス数がEC実践会受講前と比較して1.2倍になり、
転換率が1.7倍になった場合、売上は約2倍になります。
4つの変数の倍率をアップさせるノウハウは教科書にまとめられているので、
ほとんどの受講者さんが理解していただくことができるのですが、
この4つの変数倍率をアップさせるための前提となる「販売基礎」設計が実は非常に重要なのです。
この販売基礎をしっかりと設計しておかないと4つの変数をいくら改善しようとしてもレバレッジが効かず、
倍率がアップしない、もしくはしたとしてもほんのわずかしかアップしません。
そこで今回はこの「販売基礎」の視点3つを説明させていただこうと思います。
(1)リソースの分散→集中
■売上が劇的アップしたネットショップに共通する3つの改善点
(1)リソースの分散→集中
リソースというのは経営資源のことです。
経営資源というのは、いわゆる「ヒト・モノ・カネ、そして情報や時間」のことを指します。
売上が劇的アップしたネットショップに共通する3つの改善点の1番目は、
「リソースの分散を改善して集中させること」です。
リソースが分散している、というのは、
たとえば社長がアイディアマンで、次から次へと新しいことを思いついたり、
新しい商品、サービスをスタートさせようとしたり、よさそうな広告があると手あたり次第やってみる、
といった状態のことを言います。
ある程度リソースがリッチであれば、つまり人員もそろっていて、使えるお金もあり、製造ラインもしっかりしている、
もしくは出荷体制等のバックヤードもしっかりしている状態であれば、いろいろ試してみるのもよいと思います。
しかし、大抵は少人数でそれほど多くの資金を投下できない規模の事業者さんほど、いろいろと手を広げたがるのです。
そうするとすべてが中途半端になってしまい、その施策や商品がよいのか悪いのかを検証することができません。
たとえば、リスティング広告を運用したとします。
クリック単価が100円ぐらいだったとして、月額4万円しか運用しなかったとします。
すると400クリックで月額予算を消化してしまいます。
転換率が0.5%だったとすると、4万円使って2件の売上が予測できます。
この場合のCPA(新規獲得コスト)は2万円となります。
これは全然ダメだ、ということで中止してしまいます。
しかし、400クリックで判断がつくのでしょうか?
さらには転換率が低いとしたら、LPの改修を行うことで転換率を上げることだってできるかもしれません。
仮に転換率1%に引き上げられるとしたら、4万円の広告費でも4件以上の受注を獲得できるかもしれません。
一気にCPAは半分(1万円)に下がることが予想されます。
しかも、そういう少額を広告に投下している店舗さんに限って、他にもいろいろやっているものなのです。
ある店舗さんはいろいろな広告関係に2万円、3万円、5万円とパラパラ投資していました。
合計で毎月30万円ぐらい投資していました。
しかし、それぞれが連動していなかったり、効果検証した結果、効果が無かった施策ばかりだったのです。
そこで、水上は、「この毎月の30万円のうち、半分以上は中止しても売上に影響がなさそうですね。
だとしたら、たとえばそのうちの15~6万円を先ほどのリスティング広告に投下して、
同時に広告をかけるページの改修を行ったらいかがでしょうか?
そうしたらもっと売上アップすると思うのですが」とアドバイスさせていただきました。
これは実は、簡単な計算で検証できます。
攻撃力=兵力数の2乗×武器性能(武器効率)
ランチェスターの第二法則があります。
攻撃力=兵力数の2乗×武器性能(武器効率)
という公式です。
攻撃力を「販売力」、兵力数を「リソース」、武器性能(武器効率)を「効率化」と置き換えてみると
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販売力=リソースの2乗×効率化
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と置き換えられます。
この式により、販売力はリソースの2乗に比例することがわかります。
たとえば、水上がネットショップを開店して「りんご」を販売しようとします。
水上のリソースを「10」としますと、水上は商品であるりんごを10の2乗、つまり100の力で販売することができます。
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りんごの販売力=100
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ところが、りんごだけではつまらないな、と思って、時計も売ることにしました。
すると、水上のリソースは10のままですから、リソースを2つの商品に均等分配することになります。
水に5、タオルに5を分配すると、それぞれの販売力は5の2乗ですから、25の力になってしまいます。
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りんごの販売力=5の2=25
時計の販売力=5の2=25
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さらに、りんごと時計だけではつまらない、と衣服も売ることにしました。
すると、水上のリソースは10のままですから、リソースを3つの商品に均等分配することになります。
りんごに3.3、時計に3.3、衣服に3.3、分配すると、
それぞれの販売力は3.3の2乗ですから、10.89となります。
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りんごの販売力=3.3の2乗=10.89
時計の販売力=3.3の2乗=10.89
衣服の販売力=3.3の2乗=10.89
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なんと、販売力が1つの商品を販売していたときの約1/10になっていることに注目してください。
3商品合わせても30ですから、1商品だけを販売していたときの3割の力でしか販売できないことになります。
これが、リソースの分散によるリスクです。
先ほどの広告費を30万円細かく運用していた店舗さんはまさにリソースが分散している状態だったのです。
ではどうすればよいか?
逆を行うのです。衣服を売るのをやめましょう。時計もちょっと中止しましょう。
あなたのお店は、このりんご1つに!集中して販売してみましょう!
これだけで、販売力は10.89から100にアップすることになります。
これがリソースの集中によるメリットとなります。
先ほどの店舗さんも、月額30万円のうち、16万円をリスティング広告に集中させて、
スタッフさんのリソースもそのページの改修を中心に行ってもらいました。
すると翌月から成果があらわれたのです。あっという間に目標売上を突破することができました。
多店舗展開している店舗さんの売上を7倍にした事例もあります。
楽天市場店と独自ドメイン店を3店舗、合計4店舗運営しているお店のコンサルティングを行うことになりました。
経営者さんからは、ネットショップの売上を現状の140万円からせめて300万円にしたい、
というご要望がありました。売上2倍です。
店舗の売上を見てみると、楽天市場店が月商100万円、その他独自ドメイン店がそれぞれ月商10万円という感じでした。
スタッフさんから話を聞くと、セレクトショップだったので、とにかく商品写真をたくさん撮影して、
それにスペックやコメント、キャッチコピーを書いて、4店舗にアップするので手一杯とのこと。
しかも、独自ドメイン店舗はCMSが複雑で特に大変とのことでした。
そこで、「たとえば独自ドメイン3店舗の商品アップをしなくてもよい、となったらどうですか?」
とお聞きすると「それは本当に楽になります」とのこと。
販促企画に時間をとることもできるようになるとのことでした。
そこで、経営者さんに思い切って「独自ドメイン3店舗を休止、できれば閉店することはできませんか?
3店舗分の売上30万円は楽天市場店を集中させることですぐにリカバリすることはできると思います」と提案いたしました。
すると経営者さんは、「売上が下がらないのならば」ということであっさりとOKされたのです。
そこで楽天市場店に集中することにしました。
毎月のように販促企画会議を行い、新ブランドの投入も積極的に行いました。
その結果、半年後には楽天市場店の月商はなんと700万円になったのです。
2倍の目標だったのですが、5倍にすることができました。
これがリソースの集中によるメリットなのです。