ヤマトホールディングス、平成29年3月期 第1四半期決算発表

ECのミカタ編集部

ヤマト、企業業績は底堅さを維持

 ヤマトホールディングス株式会社(以下、ヤマトホールディングス)が、平成29年3月期 第1四半期決算を7月29日に発表した。
【平成28年3月期 第1四半期決算はこちらから→https://goo.gl/dhRdgF

 平成29年3月期 第1四半期は、営業収益3418億7600万円(前年同期比3.9%増)、営業利益74億3300万円(前年同期比80.0%増)、経常利益76億6600万円(前年同期比60.7%増)、四半期純利益36億6100万円(前年同期比91.8%増)という結果になった。

 当第1四半期における経済環境は、企業業績は底堅さを維持したが、企業の景況感や個人消費は先行きが不透明な状況にある。その背景にあるのは、海外経済の減速や円高の進行、株価の不安定な動きだろう。

 個人消費については、EC業界においても市場の伸びを鈍化させている原因の1つとなっている。経済産業省が発表した2015年度「電子商取引に関する市場調査」ではBtoC-EC市場規模は13兆7746億円、前年比7.64%増という結果だ。2014年度までの過去5年間でBtoC-EC市場規模は前年比10%以上の伸び率だったことを考えると、成長は伸び悩んでいることが伺える。その理由の1つが、個人消費の失速なのだ。

ヤマト、ECでの取り組みが収益増加のカギ?

 デリバリー事業においては、取扱数量が増加し前年同期比は4.2%増えた。そして収益も好調に推移する結果となった。取り組みとしては「宅急便コンパクト」「ネコポス」の利用窓口拡大に加え、通販事業者への拡販を進めたことなどがある。

 また、消費者の利便性向上のため、フランスの大手郵便関連機器製造事業者と共同で、合弁会社「Packcity Japan株式会社」を設立した。消費者が「受け取りたいタイミング」「受け取りたい場所」で荷物を受け取ることができるように、オープン型宅配ロッカーインフラの構築、運用を行う合併会社である。この取り組みは“再配達”の問題を解決へ近づけていく一歩として、注目を集めている。

 その他にも、複数のフリマサイトと連携を強化して発送窓口の拡大を進めるなど、EC業界において事業者と消費者双方へのサービス充実を行った。

 そしてヤマトホールディングスの近未来へ向かって消費者の満足度を上げる心意気が顕著に現れているのが、AIを使った荷物問い合わせサービスである。コミュニケーションアプリ「LINE」のヤマト運輸株式会社 公式アカウントにて、まるで会話をするように荷物状況の問い合わせやお届け日時・場所の変更を行うことができる。

 将来も伸びが見込まれるEC業界。今後とも、消費者の満足度が上がるような物流サービスの提供・取り組みを、ヤマトホールディングスに期待したい。


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