EC業界News1週間まとめ〜楽天がフリルの会社買収?/ヤマトのマネーフォワード連携/Tポイント躍進か

石郷“145”マナブ

8/28〜9/3のEC業界Newsギュギュッとまとめました!

こんにちは、メディア編集部の石郷です。

さて、今週読まれた記事はこちら。
【速報】ヤマト、バックオフィス業務を効率化。本日から
https://ecnomikata.com/ecnews/10839/
急成長するAI市場。ECへの影響と楽天の活用例
https://ecnomikata.com/ecnews/10783/
楽天が本日、品質維持施策start。店舗にこんな冊子を配布!
https://ecnomikata.com/ecnews/10846/
【第八回】ヨナーイ佐々木のEC内緒話~どん底から這い上がった男の成功運営ノウハウ
https://ecnomikata.com/column/10780/

マネーフォワードがじわじわECに接触

マネーフォワードがじわじわECに接触

今週読まれた記事の中では、ヤマトの記事かなと思います。

 個人的に注目しているポイントは、マネーフォワードの動きですね。実は、マネーフォワード、ECには馴染みが薄いように思えますが、ジワジワっと関係性を強化しています。

 もともと、マネーフォワードがやっているサービスというのは、一般向けの家計簿サービスでした。例えば、ですが、今、銀行口座にいくら入っていますか?と言われて、すぐに答えられますか?それが、このマネーフォワードのアプリを使えばわかるんです。各金融機関と連携をし、銀行口座の中身とアプリの中身を同期し、今リアルタイムで口座にいくら入っているかがわかります。セキュリティが磐石でない限り、このようなことは、そうはできません。

 当然、複数の口座を持っている人は、このアプリの中で結局、いくら持っているか簡単に把握できるので、自分の家計簿を簡単に付けられるわけなんです。

 じわじわっとECに進出してきているその訳は、ヤマトより前、アスクルでEC連動型 家計簿サービスというのをやっているわけです。まさに、その強みをLOHACOでの購入ということ有働に結びつけて、連携したサービスを提供したわけです。例えば、支出履歴の確認画面から「LOHACO」での追加購入が可能といったこともできるんです。

 その時、マネーフォワードの着眼点が良かったのが、ASKULに対しても「MFクラウドシリーズ」を提供していたのです。会計・確定申告・請求書・給与計算・経費精算などといったバックオフィス業務を効率化する、ビジネス向けのクラウドサービスなのです。

LOHACOで買って、家計簿も完了!アスクルが業務提携

ヤマト運輸はマネーフォワードとの連携で何を考えてる?

ヤマト運輸はマネーフォワードとの連携で何を考えてる?

 さて、前置きが長くなりましたが、さすがヤマト運輸と思われる点は、この「MFクラウドシリーズ」に着目し、自らが配送・物流のインフラとして、ECに関係する企業はもちろんのこと、多くの企業とのつながりを持っているため、この仕組みを取り入れ、関係する企業に業務効率化を徹底してもらおうとしている点にあります。

 例えば、煩瑣で時間のかかる請求書関連の業務では、紙へ手書きしたり表計算ソフトへ手入力をしていることが多いですが、それで大幅に軽減されます。ヤマト運輸のメリットとしては、これをヤマトビジネスメンバーズの特典とすることで、このメンバーズの加入者数を増やしていけるわけです。

 見積書・請求書・納品書・領収書を、プレビューで見ながら直観的な操作で作成できたり、作成した書類はボタン1つ押すだけ、メールやFAXで相手先に送付できるなどの幾つかのメリットがあります。

 ある意味、アナログでやっていたことが、こうやってマネーフォワードのように、一つのテクノロジーを通じて、拡大していくその様子は、インターネットがもたらす革命の一つに思えます。また、その一方で、以前から存在するヤマト運輸のような存在は、いかにそれを敏感に察知し、自ら持つ強みと掛け合わせて、顧客満足度を向上させるか、を考えていくことに、我々ネット通販に関わる業界の発展があるのではないかと思います。

ファミマ・ユニー統合で楽天ポイントは?Tポイントは?

ファミマ・ユニー統合で楽天ポイントは?Tポイントは?

 さて、最近、ファミリーマートとユニーの経営統合し、ユニー・ファミリーマートホールディングスが設立されるというニュースが話題になりました。

 いわゆるサークルKサンクスは、このユニーの傘下にありますが、統合され、ファミリーマートとなっていくことになります。すると、今までサークルKサンクスで使えるポイントカードと言えば、楽天ポイントカードだったわけですが、今回の統合により、すべてTポイントに一本化されることがわかりました。

 Tポイントを活用できるのがYahoo!ショッピングですからこの流れは、少なからずヤフーに追い風となり、楽天はコンビニエンスストアにおいては、楽天経済圏をどう拡大していくのかが注目されます。こういう流れがモールの競争を刺激するあたり、リアルの世界の動向がネット通販に直結するくらいに、浸透しているということを伺えます。
楽天が、ファブリック買収?フリルはどうなる?その件は、次のページで。

楽天のファブリック買収にみるECの変貌

楽天のファブリック買収にみるECの変貌

 さらに、昨日、日本経済新聞社によれば、楽天がファブリックを買収するという報道がなされています。ファブリックは、フリマアプリの運営としては、老舗であり、フリルというアプリでこの市場を席巻しました。一方で、楽天は、もとからあった楽天オークションを撤退させ、新たに生まれたフリマの「ラクマ」を主に、スマホ市場を軸に、最近推しています。
 
 海外では、店を構築して商店街を形成する、出店型モデルが日本の商店街風という部分も鑑みれば、海外で楽天が進出する上では、個人間のやりとりのフリマアプリ「ラクマ」のほうが浸透しやすく、自らの資金力をもとに、その利便性、ブランド価値を高めていくことで、拡大の可能性があると考えられます。現に、海外で支持され始めていますし、楽天の戦略にフリマは欠かせないものと考えてもおかしくありません。

 ラクマにおいては、世界に誇る画像認識のAIを取り入れつつも、楽天技術研究所の力で、よりビジネスとして成立するようアレンジされて、搭載されています。例えば、出品したい商品の写真をアップするだけで、それに伴ったカテゴリーが表示されるなどの最新のテクノロジーが利便性の向上に貢献し、それが他のフリマアプリと差別化を図ろうとしているわけです。

 一方で、フリルとしても、老舗として確固たる存在感を発揮しながら、ラクマへの積極的な取り組みから見られる楽天のCtoCにかける可能性を掛け合わせることで、何らかの相乗効果を感じたとしてもおかしくありません。いずれにせよ、ECといえば、BtoCという構図が当たり前であったところで、CtoCに各社が注目し始めているところに、ECの変わりゆく姿を見て取れるように思います。

ではこのへんで。
どうか笑顔あふれる一週間を。また来週お会いしましょう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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