進むオムニチャネル、洋服の青山が実店舗への送客開始

ECのミカタ編集部

 EC店舗と実店舗を両方展開している店舗にとって、今や欠かせない戦略となりつつあるのが「オムニチャネル」。オムニチャネルとは、ECや実店舗などのあらゆる販売・流通チャネルの統合により、顧客接点を多様化する仕組みのことだ。今回、洋服の青山が、オムニチャネル戦略の一環として、ECから実店舗への送客サービスを開始した。EC業界で進むオムニチャネル化について、過去の事例も振り返りながら紹介する。

「商品取り置き依頼」「マイ店舗登録」を導入!

 青山商事株式会社は、オムニチャネル戦略の一環として、「洋服の青山オンラインストア」から実店舗への送客効果を高める2つの新たなサービス「商品取り置き依頼」・「マイ店舗登録」を導入した。

 「商品取り置き依頼」とは、オンラインストアで気になる商品がある場合、その商品が置いてある店舗に取り置き依頼すると、ユーザーが来店するまで売れてしまわないように別保管をするサービスだ。どこに居てもネット上で手軽に依頼ができ、都合の良い時間に希望の店に商品を見に行くことが可能だ。ユーザーは、あらかじめ商品を選んで来店するため、買い物の時間を短縮することができる。

 「マイ店舗登録」とは、近隣店舗やよく利用する店舗を“マイ店舗”として登録することができるサービスだ。登録した店舗は、現行サービスの「店舗試着予約」や「店舗在庫表示」、新サービスの「商品取り置き依頼」などを活用する際の店舗選択画面で優先表示される。

 今回の新サービスに加え、店舗や商品情報、企業ニュースなどを発信する「ブランドサイト」と「オンラインストア」が統合し、「洋服の青山公式サイト/オンラインストア」として運用する。以前までは、公式サイトとECサイトを別々で運営していたが、情報発信窓口を一元化することで、より便利で使いやすい統合サイトへ生まれ変わる。

進む一体化、リアル店舗とEC店舗はどう棲み分ける?

 リアル店舗とEC店舗の連動というと、先日、SHIBUYA109のECサイト「SHIBUYA109 NET SHOP」に統合型ECフルフィルメントサービスが採用され、リアル店舗とEC店舗が一体となったハイブリットなECサイトへ大幅にリニューアルしたというニュースがあった。これは、全国に展開する109系施設の8つのオフィシャルサイトと2つのECサイトを統合、さらにオウンドメディア109ニュースシブヤ編集部のコンテンツを連携し、複合的なサイトにリニューアルするというものだ。これによりオムニチャネル戦略を進め、ショップスタッフがリアル店舗だけでなく、Web上でも活躍することになった。

さらなる詳細はこちらへ

 EC店舗と実店舗が連動することで、ユーザーにとっては利便性が向上する。それを売上向上に繋げるために、EC店舗と実店舗で商品や顧客情報を保有することが必要となる。今回の「洋服の青山オンラインストア」の取り組みも、「SHIBUYA 109 NET SHOP」の取り組みも、それができるシステムがあってこそだと思う。またこういった動きは、今後増えてくることが予想される。EC店舗のみという事業者も、こういった動きがあることを踏まえ、EC店舗ならではのサービスとは何なのか、リアル店舗がなくとも代替できるものはないか、これまで以上に考えていくことが必要とされるだろう。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事