ヤフー、2016年度第2四半期決算から見る成長事業

ECのミカタ編集部

 ヤフー株式会社(以下、ヤフー)は、本日2016年11月1日、2016年度第2四半期決算説明会を開催した。

 その発表によると、2016年度第2四半期の売上高は2,053億円(YoY+48.5%)となり、第2四半期として20期連続の増収となった。サービス開始以来、第2四半期で売上高2,000億円を突破するのは初となる。

 また、営業利益は495億円(YoY-51.8%)だが、これはアスクルとの資本・業務提携や本社移転の影響を含んでおり、調整後営業利益(※1)ではYoY+14.9%の伸びとなっている。(※1:前年同四半期比の増減率算出において、2015年度第2四半期に発生した企業結合に伴う再測定益596億円を調整。)

 今回、特に注目すべき業績が見られた事業として、広告関連事業、ショッピング事業、クレジットカード事業の3点から、ヤフーの2016年度第2四半期決算を見ていく。

基幹である広告関連事業、成長回復へ

 広告関連事業は、ヤフーの基幹事業の一つだ。2016年度第2四半期売上高は前年同四半期比5.7%増の649億円と成長を回復した。その要因として、ディスプレイ広告の売上高が前年同四半期比16.7%増と成長を続けていることに加え、検索連動型広告の減収率が大幅に縮小したことがある。

 2016年度第2四半期の検索連動型広告の売上高は348億円となっており、第1四半期では10.9%減だった減収率が第2四半期では3.4%減と縮小している。これは、ユーザーインターフェイスやプロダクトの機能改善、営業力の強化などによるもので、引き続き継続していく姿勢だ。

 また、広告関連事業における特徴的な点として、売上高のスマートフォン経由比率が49.5%と過去最高を更新している。既にトラフィックではスマホ経由比率が過半数を占めていたが、今後広告においてもスマホが主流になっていく流れがあり、ヤフーとしてもこのシフトを積極的に進めている。

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先行投資事業の成長は順調、将来的な黒字化へ

 ショッピング事業およびクレジットカード事業は、ヤフーの中ではまだ先行投資事業ではあるが、非常に順調な伸びを見せている。

 ショッピング事業の2016年度第2四半期取扱高(※2)は、前年同四半期比27.8%増の1,011億円と高い成長率を維持し、第2四半期では初となる1,000億円超えを達成した。また、eコマース国内流通総額は、前年同四半期比29.7%増の4,324億円となっている。(※2:「Yahoo!ショッピング」「LOHACO」の取扱高。「LOHACO」は、アスクル(株)におけるLOHACO事業の売上高(取扱高、20日締め))

 2013年の「eコマース革命」とそれに伴う出店無料化以来、「誰もがモノを売れる社会」を目指すヤフーのショッピング商品数は増え続け、国内最多の商品数となっている。今後は、会員基盤を活用したショッピング事業への送客へ注力していくという。現在、ヤフーのプレミアム会員に向けて、ショッピングをする際のポイント付与率が5%になる特典が用意されているが、次なる施策として、Y!mobile会員がショッピングをする際にポイント付与率を10%とする特典も用意されている。

 さらに、中国における11月11日の「独身の日」の盛り上がりにならい、ヤフーでは日本国内において11月11日を「いい買い物の日」として、その前後を含めた期間でキャンペーンを展開し、国民的な買い物文化の創出を目指している。今年度の「いい買い物の日」は、前年度より期間も参画企業もサービスも増加し、10月18日〜11月30日の44日間、39社、15サービスで展開される。

 また、クレジットカード事業も順調だ。2016年度第2四半期では、会員数も取扱高も大幅に増加し、有効会員数(※3)は前年同四半期比2.0倍の283万人、取扱高は前年同四半期比2.8倍の1,188億円となっている。(※3:有効会員数は、各四半期末時点での実績。「KCカード」「Yahoo! Japanカード」、「ソフトバンクカード(おまかせチャージ)」会員を含む。)

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好調事業を連動させて中長期的な成長へ

 以上のような状況を受けて、ヤフーでは今後、基幹事業の集客力を先行投資事業の成長に活用する形で、自社サービスにおける相互送客の強化を図っていく構えだ。

 現在、プレミアム会員からeコマース(ショッピング)への送客、eコマース(ショッピング)からクレジットカードへの送客は比較的順調に展開されているようだ。ここにさらに、ヤフーにおいて圧倒的な利用者数を誇るメディアからの送客や特典を強化していくことで、メディアを利用するユーザーから、各サービスを利用するカスタマーへ、そして全てのサービスを利用するファンへ、利用者の育成をしていきたいとのこと。

 また、スマホユーザーが急速に増加していることを踏まえ、ログイン利用を促進するなど、スマホ利用に対応した施策も進められている。ログイン利用が増えることで、ユーザーの正確なデータを取得することができ、それが個々のユーザーへの最適な情報提供につながるのだ。

 ヤフーはこれまでメディアや広告が大きな力を持っていたが、ショッピングや決済に関する事業の成長を促進し、バランスのとれた事業展開を目指しているそうだ。それにより、多角的かつ膨大なユーザーのデータを取得することもでき、それを各サービスに再利用していくことで、ユーザー一人一人に最適化した、ヤフーだからこそ出来るサービス展開を目指している。


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