ECで“衝動買い”する理由、購入を後押しする要素【ジャストシステム調べ】

ECのミカタ編集部

 株式会社ジャストシステムが1ヶ月に1回以上の頻度でECサイトで買い物をしている20代~50代の男女893名を対象に「ECサイト接客サービスに対する消費者動向調査」を実施した。本調査を基に様々なECサービスの利用実態に迫る。

衝動買いした男性の4割が「特集ページ」を閲覧

衝動買いした男性の4割が「特集ページ」を閲覧

 まず、最近ECサイトの接客ツールとして導入が進みつつあるチャット接客サービスについて「利用したことがある人」は16.8%、「今後利用したい人」は33.9%であった。また、利用した理由は、「メールだと、すぐに回答がもらえないから」(26.0%)が最も多く、88.7%が「ECサイトへの満足度が高まった」と回答した。消費者の「買いたい」という気持ちを逃さないツールとして、チャットは一定の効果があるのではないだろうか。

 続いて、ECサイトでの衝動買いについて、「毎回衝動買いをしている人」は6.4%、「どちらかというと、衝動買いすることが多い人」は19.7%となった。また、衝動買いをしたことがある男性の42.1%が「トップページ掲載の特集で紹介された商品」を衝動買いしていた。

 さらに、ECの機能である「追加購入」も衝動買いの要因となる。ECサイトが表示する「この商品を見た人が買った商品」「この商品と同時に購入されている商品」など、関連商品の情報をチェックしている人は53.0%であった。

 また、「目的の商品とともに、関連商品も購入したことがある人」は43.6%。一方、「気になる商品をカートに入れ、購入を後回しにしたことがある人」は43.6%、「目的の商品をとりやめ、代わりに関連商品を購入したことがある人」は38.9%となり、関連商品が購買行動に影響を与えていることが考えられる。

アパレル関連商品は、“詳しい写真”が購入を後押し

 もう一つ“衝動買い”の要因と考えられることは、「詳しい写真」「実寸サイズ」「スタッフのサイズ感コメント」などの購入を後押しする情報である。

 本調査結果によると、洋服や靴の購入の後押しになった情報として「色々な角度から撮った写真や細部をズームした写真」(60.6%)を挙げた人が最も多かった。次いで、「アイテムごとの、着丈や身幅など詳細なサイズ表記」(58.0%)、「スタッフ自身の身長や体型などをふまえた、サイズ感のコメント」(56.0%)と続いた。

 いずれの情報も、20代から50代の全世代で、半数以上が「後押しになる」と回答しており、洋服や靴を販売するECでは必須の情報とも言えるだろう。

商品レコメンドは“一緒に買いたくなる商品”が重要

 今回の調査で“衝動買い”をする男性の存在が明らかとなった。それには、季節や時期に合った特集ページや商品をレコメンドなどのEC特有のサービスが関係していると考えられる。ボーナスやクリスマスなど、これから迎える年末商戦期も大きなチャンスとなるだろう。

 ただ、商品のレコメンドに関しては、似たような商品を並べると消費者が迷い、どちらかの商品しか購入しなくなる恐れもある。それを防ぐためには、消費者の心理を探り、選択した商品の代わりになるものではなく、共に購入したくなるようなアイテムをレコメンドする必要がある。


 アパレル関連の商品を購入する際には、やはり「サイズ感」が気になるようだ。それを解消するためには、より詳細なデータを写真と共に掲載し、消費者が理解しやすいように工夫をすることが大切となるだろう。

 なお、”衝動買い”には、冒頭に紹介した「チャット」も相性が良い。消費者のニーズに迅速に応え、消費者が買い物をしやすい環境を整えておくことが、今後迎える“年末商戦”を一層盛り上げることとなるのではないだろうか。


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